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リーバイス501をリジッドから履いてみた【履きこみ編】

リーバイス501をリジッドから履きこんでみた経過のレポートです。
こちらのセットアップ編からの続きになります。
リーバイス501をリジッドから履いてみた【サイズ選び・セットアップ編】

履きこみ7日目(セットアップ完了から)

一週間ぐらい履いた後で、セットアップ後の調整になります。少し緩んできた段階でもう一度フィット感をチェックするわけです。

履きこみ7日目ですが、膝が大きいので、膝がもう抜けてしまっています。
現行のリーバイス米国流通モデルは、全体にテーパードが効いているなあという印象です。

1970年代後半のスモールe66のニュアンスがあります。1970年代の501は、501特有のシルエットと身体のラインがうまくミックスしていて、体型がスリムな人が履くとカッコいいシルエットです。

シワもいい位置に入っていますので、このまま洗わずに履き続ければ、気持ちヴィンテージ風の仕上がりになります。

横も見てみましょう。

巨大な膝から繰り出される強烈すぎる圧で、膝横にはげしくシワが入っています。
これは、このおっさんの身体的特徴によるものでどうしようもありません。(裾を上にしてハンガーでかけておくと、幾分、裾のぬけは緩和されます。)

後ろです。

膝裏にわ将来のハチの巣が刻まれています。

ここで、全体のフィット感のチェックです。
前からの写真でもわかりますように、ウエストが少しゆるめです。後ろからみた時に、おしりやふともも裏に生地が少しあまっているような感じもします。

どちらかと言いますと、骨格ストレート体型なので、やや緩めのサイズ上をベルトをして履くのが好きなのと、このまま洗わずに履きこんでいけばいい感じになるというのも分かっています。
しかし、洗って縮ませるSTF(シュリンク・トゥ・フィット)の心髄を見極めるために、もう少し縮めてみましょう。

方法は、軽く水洗いして、天日干しで90%乾燥させ、乾燥機で95%乾燥させてから、履いたまま100%まで乾かせます。水浸けは3回目になります。

履きこみ7日目+水浸け3回目

乾燥機を10分まわした後、ホカホカのまま履いて、生乾きに耐えること約2時間。
できました。もう秋口なので、日もかなり落ちています。

水浸けも3回目になりますと、糊もある程度、落ちていると思われますので、生地も心なしかソフトになっています。
注目ポイントは腰です。
ウエスト部分がキュッとしまっているのが分かるでしょうか。ヴィンテージ風の味だしを犠牲にしても見たかったのは、このキュッです。

これで、セットアップ後の調整は完了です。
ジーンズのウエストは1インチ(2.5㎝)刻みなので、この調整が必要ない場合もあります。

横です。

サイドから見てもたるみはある程度とれています。

後ろです。

後ろも動きに必要なたるみを残してひきしまってきています。

後は、洗わないでどこまで履けるかが味だしの鍵になります。現在は、どこのメーカーもヴィンテージ仕上げが標準になっていることを考えれば、それほど味だしにこだわる必要もないかもしれません。
モノゲンユニの水洗い程度で、普通に履いてたら、いい味が出ていたというのがいいのではないかと思います。

いや、やっぱり味を出したいんだという場合は、裏から水糊を塗るなど、もう一度糊付けする方法もあります。シワ部分がパキっとして、シワの先端がこすれやすくなります。いわゆる濃淡がつくという状態です。

この履きはじめの状態はあまりかっこうのいいものではありませんが、履いているうちに、自分の身体の特徴にあわせて、こすれ部分がこすれてきますので、その人にあったジーンズに変化していきます。
レプリカメーカーのジーンズは、履いているうちにみるみる色落ちしてきて履きごたえみたいなものはありますが、リーバイスは面白いようには色が落ちない傾向があります。
それでも気長に履きこんでいくと、誰がどう見てもリーバイスだなという色落ちをしてきてリーバイスにしか出せない味が出てきます。

履きこみ10日目+水浸け4回目後

履きこみ10日目+水浸け4回目後の状態です。これ以上レングスは縮めたくないので4回目は乾燥機は使わずに水通しのみにしています。

フィット感はかなり強まっています。水に浸ける回数が多いほど、501は鮮やかなブルーに変化していきます。この状態で、いわゆるワンウォッシュ(リンスカラー)と同程度の青さです。インディゴ色はほとんど落としていませんので、化学的な色合いの変化と思われます。

この状態でさらに4日間ほど履きこんだ状態です。

履きこみ14日目(約2週間)

履いているうちに多少緩んできますが、微妙にシワがこすれはじめたのがわかるのではないかと思います。リーバイスらしいナチュラルなブルーと味が出てきています。これは他のメーカーでは出せないブルーになります。リーバイスブルーです。

横です。

膝のあたりが擦れて、インディゴの色が薄くなっています。

膝の裏にも細かくシワが入っています。何回もシュリンク・トゥ・フィットをしていますので、たくさん入っています。回数を減らせば、シンプルなシワが入ると思われますが、これはその人の身体の動かし方によるところも多いですね。

このまましばらく洗わずに履きこめば、ナチュラルに味がでてくと思われますが、もう少し味を出したい場合のステップです。

本格履きこみ前の仕込み

本格履きこみ前の仕込みは次のようになります。

1.裾部分の糊落とし
2.アウトシームのほぐし
3.欲しい部分への糊追加

1の裾部分の糊落としは、本格的に履いていきますと、洗わずにできるだけ長く履く必要があり、やはりゆるんできます。ゆるんでも、また水通しますと、縮みます。すぐに洗濯ばっかりしていますと、アタリがつきにくくなります。
ゆるんできますと、ジーンズが下がり気味になりますので、裾を折り返したくなることがあり、糊を残したままにしておきますと、折った部分が痛みやすくなります。それでロールアップする部分を水に浸けて糊を落とします。
水が黄色になりますので、それが糊です。糊が落ちますと、生地がふにゃふにゃになりますのですぐ分かります。

2のアウトシームのほぐしとは、両側の部分ですね。洗濯機にかけていないこともあり、アウトシームが十分にほぐれていません。そこでアウトシームにそって熱いお湯をかけてほぐします。
将来的に、アウトシームのアタリとして育っていく仕込みのような作業になります。アウトシームのアタリがいらない場合はやる必要がないでしょう。

3の糊追加は、もう少しシワの表情を出したい場合のオプションです。シワを入れたい部分に裏からスプレー糊でピューと吹いてあげます。

今回は、太もものつけねと太もも内側に、ドラッグストアで売っているスプレー糊キーピングを吹いています。乾いたままの状態で吹きます。勢いあまって生地が丸濡れになるほど吹いてしまいました。
全体的にシワを入れたい場合は、みずのりを内側からべっとり塗る方法も推奨されているようです。

キーピングが乾きましたら、本格的な履きこみになります。汚れたら洗えという話もありますが、どこまで洗わずに履きこむかが鍵となります。理論的には、洗ってもその度に糊づけすればいいんですけどね。

米国流通モデルはかなり丁寧にセットアップや調整を繰り返していますが、LVCでは、一日でセットアップを終わらせる場合があります。

参考:リーバイス501のLVC1947モデルが逸品すぎる / セットアップとリジッドの縮み率

手をかけた方がよくなる素材と、あまり手をかけない方がよい素材の違いです。個人的には、リーバイスの現行モデルは、手をかけて履いた方がいいんだろうなと考えています。

次回は、2か月後ぐらいの更新になります。

こちらの記事でも、LVCモデルとあわせて米国流通モデルの履きこみレポートを行っております。
リーバイス501リジッドからの履きこみ・エイジングレポート / LVC47501・55501・66501・米国流通モデル


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