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第103回 終わるコミケS GⅠ サークルGalileo本誌予想

2023年12月30日・31日の2日間東京ビッグサイトにて開催されたコミケことコミックマーケット、またの名を冬コミ。
103回目となるC103も2日間でのべ約27万人の参加者を記録、コロナ禍で大きな制約が付いて回った2年前のC99Aから考えるとかなり活気が戻ってきたなと感じます。
その一方で各所で持ちあがった「コミケ衰退論」。
本投稿ではそのコミケ衰退論に対してC101から3開催連続でサークル参加している身の目線で競馬新聞的に予想っぽく意見を述べようかなと思います。

因みに現状死ぬ程面倒元気がないのでソースは貼りません←


第103回 終わるコミケS GⅠ 本誌最終予想

◎規模の現状維持
○男性向け指向の比率拡大&女性向け指向の比率縮小
▲海外勢による特にコスプレイヤーの増加
△1オリジナル(1次創作)へのシフト、作者・作り手のプロ化
△2急増するダミーサークル
☆評論等の拡大

本誌見解

◎見解

意外に思えるかもしれないがトータルで規模は現状維持に留まる、というより留めざるを得ないであろうと考える。

C99A以降様々な制約・課題を抱えながらも着実に活況が戻ってきたコミケ。
特にC103では当落発表の段階で前回のC102を上回るサークル数が告知されており、コロナのタイミングで離れたサークルが今後より一層戻ってくる&新しくサークル参加する人が増えることが予想される。

一方でC100・C101の2日間及びコロナ禍前の4日間開催だったC97を一般で全通参加した身からするとスタッフの練度が落ちていると感じる箇所が所々見受けられる。
これは一般参加者側の練度でも感じることで例えば「降雨時は密集して整列する分傘の先端が他者にぶつかり事故・怪我の原因になりかねないから雨合羽を用意しろ」「万が一濡れて戦利品が痛んで悲しい目に遭わない様ビニール袋を用意しろ」等々先人達からはこれでもかっていうくらい各々が快適で楽しいコミケを味わえる様マナーだとか暗黙のルールを伝えられたものだが、嘆かわしいことに開会まで雨模様となったC103の2日目は非常に多くの傘の花が咲いた様だ。
尚、「小銭をしっかり用意していこう」だとか「過剰なくらいの熱中症対策を」といった基本のキ的な部分はかなり浸透している模様。不思議。

順番が逆になってしまったが、スタッフ側に関する方面では「両隣の大手サークルの列の間にスタッフが常駐し、サークルスペース前を封鎖してしまう」事件が聞かれた他、「コスプレ参加者向けの有料クロークをワンオペで対応した結果開会から約2時間経っても列に並び続ける」という中々にコスプレイヤーにはキツかったであろう事態が発生していた。
この手の大きな問題は今回に限った話ではなく、特にコロナ禍前の夏コミC96の3日目では「開会したにも関わらず東の待機列が長らく放置され並び直した方が早く入場でき、結果として多くの熱中症患者が発生してしまった」という最早事故に等しい事態も起きていた。

ハコ側にも問題は発生しており東京ビッグサイトが今後随時大規模改修工事を実施、C103に於いては会議棟が使用できず他の箇所にしわ寄せが行ったことを準備会はXにて報告していた。
今後は西ホール→東1-6ホールの順に改修に入るとのことであるが、オリンピック・パラリンピック開催に伴うメディアセンターとしての改修工事の際は物理的に設置できるスペース数の減少を「企業ブースを仮説の晴海展示場へ移動、サークルスペースは開催日程を3日間から4日間にすることで分散」することで対処できたが、現状発表されている次回C104の開催日程を考えると同様の対策は採られないだろう。

こうした諸々の加減を考えると「サークル参加申込みは増える可能性が高いが一方でスペースが増える見込みは薄く、スタッフも参加者を捌けない手前一般参加者枠を大々的には増やせない」という見立てから維持で手いっぱいになるのが見解である。

尚、本稿を執筆している1/21にコミックマーケットDVD-ROMカタログの発行終了が正式に決定・発表された。
製造元の共信印刷(株)の廃業及びそれに伴うノウハウの維持の難化やコミックマーケット準備会内での競合などによる複合的なものではあるが、やはり「リソースを割けない」という部分は少なからずあるのではと感じる次第だ。

○見解

こちらは比較的手堅い予想、というより最早進行している状態の話ではあるが男性向け指向の比率増加とそれに伴う相対的な女性向けの比率低下はどうにもならないだろう。
寧ろ逆で女性向けの比率低下に伴い男性向けの比率上昇の傾向になると言うべきか。

こちらに関しては完全に聞き齧った情報でしか無いが女性向け作品はカップリングから受け攻め、解釈から何から何まで細かい様子
そんな中で大きく作品ジャンルとおおよそのキャラクター毎にまとめられて配置されるコミケの性質は確かに中々に作り手としては嫌な部分は出てくるだろうな、とは思う。
極端な例だがお隣さんと挨拶したはいいけど自分は競馬サークル、相手方は競輪サークルだと話も進まんだろうしそれ以上に細かい部分ですれ違うのはまぁしんどいだろうなと同情できる。
それであれば近い時期に開催される「赤ブーブー通信社(以下赤ブー)」主催のイベントでイベント内でオンリーで区切られている方に参加した方が自衛も効くし需要層もマッチしやすく実に快適だろうな、というのは想像に難くない。

寧ろ男性向けがかなり雑食過ぎる、というか男性向けコンテンツが過多というべきか。
東方は根強く艦これもしぶとい中でアズールレーン・ブルーアーカイブ・原神・崩壊シリーズといった海外発のソシャゲの流行、終いには空前のウマ娘ブームである。
ただここで敢えて男性向けという区切りにしているが、この男性向けを好んで入ってきている女性層もいるのも事実
こうした女性層は恐らく作品を出すのにあたり今後もコミケの舞台を選び続けると思われる為完全に男性向け作品のみの場になる、ということは無いだろう。

男性向け指向の中から所謂万人受けでそこに女性層が食いつくという構図は十二分にあるだろう。
敢えて悪い言い方をすると「あれも欲しいこれも欲しい、もう何もかもが欲しい」という欲張りさんが女性向け指向の作り手の中心になるのかなというのが雑感である。欲張りなのはいいことだと思うぞ。

▲見解
規模の拡大は難しい見立てではあるが海外勢、特にコスプレイヤーは非常に来やすいタイミングだろう。

昨今の物価高により日本国内の地方組は中々遠征しにくい状況ではあるが、円安に乗じて海外勢が来る分には大したリスクも無く、何なら今が一番日本に来やすいと言える。

元々イラストを描いてブースを出展している海外勢のサークルは少なくはないが、やはり「日本の印刷業者とやりとりをして本を出す」のには慣れていないと中々ハードルは高いだろう。
海外にも印刷会社は無くはないだろうが税関だなんだを考えるとやはり大変なのは想像に難くない
特にマンガを描くとなると大多数の来場者は日本人、日本語のスキルが相当に求められるがコスプレとなると「表現したいキャラクターに変身することで全てが解決」する。
被写体も「撮影お願いします」だとか「良いですか?」といった「撮りたいんだろうな」という意思を何となくでも察知出来れば良い。
メイクだとかポージングだとか極めるとキリがないのは間違いないが、その場にいるレイヤー同志が繋がるにはもってこいの場だろう。

特に夏は大体前の週にコスプレサミットが名古屋で開かれる。
ロングバケーションでコスプレサミットからコミケへハシゴ、というのも不可能ではない、というか現実的な話である。
一粒で二度美味しい、とはこのことだろう。
強いて問題があるとしたらコスプレエリアの問題くらいか。正面入り口エリアと今回は無かった庭園エリアの復活が望まれる

△1見解

あくまで個人的な感覚でしかないが、ここ数年1次創作、もっと言うと「商業指向」の強まりを非常に感じる。所謂「ウチの子」というものだ。
元々コミティアでは出版社が持込ブースを設けていたりするが、そんな中でも具体的な名前は伏せるが同人誌のシリーズであったものが商業化するケースが非常に多く見受けられる。
何なら同人誌で描いたものがそのまま商業誌に載るなんてケースもあるくらい。
単純に「面白い!」と思わせるものに留まるのではなく「クオリティ」が重視されつつある様に感じられる。
また、個人・企業所属問わずVTuberが増えたことによって所謂「親」にあたるイラストレーターさんが増えたのもこの流れに拍車をかけているのかもしれない。

コロナ禍をきっかけに高まった配信・通販需要から各社も営業が絶えない様子であったが、中には出版業界の営業も少なくはなかっただろう。
この機運が果たして良いか悪いかは正直何とも言い難い。
ただ、「好きなことで飯が食える」可能性が高まるかもしれないって思うと悪くはないのかも。

どのみち作り手にはそれ相応の知識・経験・技術は求められる傾向は強まりそう。

△2見解

△2番手での評価項目としたが、サクチケを目当てとしたダミーサークルが急増する可能性が高まってきている。
C103より欠席届が不要になったことが最大の要因だ。

これによりサークル入場後、受付をせずに会場内で行動しても準備会側は欠席したのかどうかの確認は非常に困難になったと言える。
一応サークルチケットにはサークル名と本名が記載されているが、紙券でこれを受付でリストバンドに交換する為、後々見本誌の提出で受付されたかチェックしようと思うと人海戦術で総当たりするしかない為非常に困難というより最早無理だろう。
こうなると過去の頒布や活動実績が無く尚且つ当日頒布の予定が無いサークルが申込み・当選し、一般より先に入場し会場内を動き回ることができてしまう。
更に次々回以降も弾かれる可能性は低くなり無限ループとなる可能性は高くなる。

この問題は何よりスペースが増える見込みが薄い中で「本気で出たいサークルが弾かれてしまう」という事態がより強まる可能性が高くなるというところ。
折角コミケに出たくて半年も前から準備していざダミーサークルによって席が奪われるとなったらたまったものではないだろう。
ここは準備会の正念場とも言え、対処の如何によってはサークルは他のイベントを求める様になり、本当に衰退に繋がりかねない

☆見解

個人的に潜在的な盛り上がりを見せられそうだと感じる分野がある。
評論、特に公営ギャンブル系である。

マンガや小説・イラストを描く人もコスプレイヤーも意外と第2・第3の趣味として競馬やボートレース、競輪を好む者は少なくない
特に昨今ではウマ娘を端とする空前の競馬ブームであったり、企業ブースではボートレースが毎度出展している等各所でかなりの力を入れている。

こういった背景もあり「欲しいお宝を手に入れつつ、第2・第3の趣味にまつわる隠れたお宝も入手できる」という一粒で二度美味しい状況が出来ているのが今の評論島の状況でないかと考えている。
これは伸びる余地がかなり大きいのではないだろうか。

…と綺麗ごとを書いたが、評論島は他に参加する同人イベントが大して無いという問題も抱えていたりする。
コミティアにも競馬等のジャンルは存在するにはするのだが、基本はエッセイであったりする為、どちらかと文豪と呼ばれる方向け
コミティア以外では文学フリマ等のイベントもあるが、こちらは尚更競馬サークルの数は少ない。(因みに直近の東京文学フリマに於いて競馬関連は2サークル、札幌文学フリマに至っては0である)
様々な視点で楽しめるのが競馬の良さなのに本等を作り語り合える場がコミケ以外に無い
恐らくこれは他に於いても同じと考えられる。誰か盛大に否定してくれ。

何にせよブームの最中である競馬を含めて第2・第3の趣味のオタクが多いであろう評論は清濁併せてコミケに於いて大きな可能性を秘めているということで特注印としておきたい。

編集後記・最終結論

120%主観、しかもかなり競馬の側から目線で書く中でふと思ったんですが、コミケって「よく現状を維持できているな」と思いました。
こうしてザっと書いた中でも良い起爆剤になりそうな点がありつつ、大問題になりかねない爆弾もありつつの中で次回104回目を迎える訳ですからシンプルに凄いと思います。
言うて過去には黒子のバスケ事件とかあったりしたんだけどね…
今やお盆と年末のニュースに必ずと言っていいくらい取り上げられるコミケ、良いものとして注目され続けて欲しいなと思います。
その為には準備会には頑張って欲しいし、自分もいち参加者として今後は色々と発信していけたらなと思う次第でございます。

結論:コミケは終わらん!

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