オニャンコポンの目指すべき番組選択の考察 ~グランアレグリアから考える距離適性とは何かを添えて~

良き競馬ライフを過ごされていますでしょうか。
筆者わたくしは先週の土曜中京11RアルデバランSを馬券的中させたのにクソコースだと喚いてはキレ散らかすというなんだかよく分からない競馬ライフを堪能しております。
展開だとか血統だとかをほとんど無視してとにかく内を通るか逃げ・先行する馬を狙い撃ちしたら的中にかなり近づくのはいくら周回コースとはいえ本当にどうなんだ…

さて、今回のお題ですが「オニャンコポンは本当にマイルが合っているのか?」です。
個人的には今年緒戦である京都金杯からマイルを2戦続けて使っているのは端的に言って間違っていると思っているのですが、その考えは果たして当たっているのかを今回は独自の集計ではありますが数値化して見通しだとかを含めてお届けできたらと思います。

1.グランアレグリアを参考例に距離適性とは何ぞや、距離延長・短縮とは何ぞやを考える

グランアレグリア桜花賞以降全レース

今回検証をするにあたり、一例としてマイル・スプリント・2000m戦のG1戦線で戦ってきたグランアレグリアをこのような表で集計をしてみました。
レース平均値は走破時計に対して1F平均何秒で走ったか、道中平均値はラスト3Fの時計を出す為に道中を1Fあたり平均何秒で走ったかを算出したものです。(算出式:走破時計-ラスト3F時計/総F-3F)

桜花賞とNHKマイルCの比較

例えば桜花賞とNHKマイルCを比較した際、同じ走破時計でもラスト3Fと道中平均値の差から大まかながらも「桜花賞と比較してNHKマイルCは掛かる等してオーバーペースで道中追走し、効率の悪いレースをした」という評価ができます。
他にも同距離・同斤量で劇的にタイムやラスト3F、道中平均値が変化していると「前より大きく成長している」とか「状態を悪くしていた」等々の評価をすることもできます。
※コース形態や馬場差が少なからずあるので単純比較は厳禁です!

安田記念とスプリンターズSの比較

ここからが本題で距離の異なる2020年安田記念と同年スプリンターズSでの比較です。
斤量こそ1kg違いますが、道中1Fあたりは安田記念もスプリンターズSも似たようなスピード感で追走し、最後は同等の末脚を繰り出しているものの、通過順位やレース平均値を見れば分かる通りでスプリンターズSは本来はスピードレンジが足りないところを能力の差で無理矢理ひっくり返したことが改めて伺えます。
距離が短くなるとより速い追走ペースが求めらる、というのがよく分かりますね。

安田記念と天皇賞秋の比較

今度は安田記念と天皇賞秋での比較。
道中ゆったりとしたペースで追走するとその分余力を持ってスパート出来る為ラスト3Fは速くなる、というのが基本にも関わらず道中の遅い天皇賞秋では自信で集計中3番目に遅い末脚になっています。
マイル戦で32秒台の末脚を繰り出せる程の馬が何故マイルより楽に追走できる2000m戦になった途端、こうなってしまったのか。
これはゆったり走るのが苦手で我慢を強いられる形になった結果消耗してしまった、というのが原因と見るのが妥当でしょう。
これはコントレイルが神戸新聞杯では圧勝だったのに本番の菊花賞で苦しんだのと同じ事象。
中団で進めていたマイル戦と比較して2番手で追走したあたりからも2000m戦のスピードレンジに対してグランアレグリアの追走スピードレンジの方が速いことも分かります。

以上の比較で考えるとグランアレグリアはスプリント・マイル・2000m戦ではマイルが一番バランス良く走れている、言い換えるとマイルに適性がある・マイルが適距離であると言えるでしょう。

2.オニャンコポンの適距離・適条件とは?

例として出したグランアレグリア同様の表をオニャンコポンでも作ってみました。
数値は以下の通り。

オニャンコポン百日草特別以降全レース

以前取り上げたとおり、やはり速い脚は使えずラスト3F最速は2歳時の百日草特別で掲示した33.7がベストのまま。
一線級が相手になり、追走ペースが上がると末脚が鈍っているのが顕著であるが、これは血統的には割と仕方のないところではあります。

※血統の考察はこちらをご覧ください

マイルの可能性

結論から言うとマイル戦は思っていたより適している、というか頑張れているなというのが正直な感想。
ダービーより速い道中平均値が求められたマイル戦でダービー時と同等以上の末脚を繰り出しているのは褒めるべきポイントです。むしろマイル戦は無謀とさえ思ってましたごめんなさい…
しかし、競馬は競争相手に勝ってナンボ、既に重賞勝ち馬であるオニャンコポンがもう1つ2つG3を勝つにはまだワンパンチ足りてないのが事実。

オニャンコポンマイル2戦及び直近1年のマイルG3勝ち馬の比較

京都金杯・洛陽S程度走ることができれば昨年の京成杯AHを制したファルコニアとはいい勝負ができるだろうが、他のG3に対しては追走力を上げられないと勝ち負けは苦しいところ
また、京成杯AHに関しても晩夏・初秋に行われる中山開催はとにかく高速馬場になりやすい為、やはりスピード勝負に屈するという場面は大いに考えられる。(2019年勝ち馬トロワゼトワルが記録した1:30.3は日本レコードでもある)

中距離(2000m)の可能性

では元々走っていた中距離、2000m戦を考えたい。

2022年福島記念上位3頭との比較
2022福島記念と同世代の制した2000mG3の比較

2022年福島記念の走破タイムをベースに同世代であるキラーアビリティが制した中日新聞杯やラーグルフが制した中山金杯と比較すると見劣りする感がある為、やはりこちらも基本的には一層のパワーアップが求められる。
しかし、福島記念でサトノセシルやアラタ相手に大差無い競馬をしたのも事実でハンデや相手関係・馬場状態次第ではこちらの方がチャンスが巡って来やすいのではないだろうか。
それこそ勝ち馬は休養明け以降大敗が続いていたとはいえ宝塚記念2着のあるユニコーンライオン、これはノーカンでもいいでしょう。

距離延長の可能性

距離延長についても考えておきたい。
セントライト記念の後には「距離が長いかも」なんてコメントが出たものの、ガイアフォースやアスクビクターモアのスイートスポットに近いレースで馬の行く気に任せてガンガン前に行っては最後はバテるのは当然。

流石に同じことをしていては距離延長したところで無意味なので一つの仮定でこんなものを用意してみました。

もしもの2023日経新春杯

もし今年の日経新春杯で2着となったキングオブドラゴンと同タイムで走破して、尚且つラスト3Fがキングオブドラゴンよりちょっと速い35.0でまとめることができたら、というのが上の表です。
この仮定でいくと道中の平均ラップは12.41で走ることが求められますがこれは京成杯とほぼ同じか気持ち遅いラップ、割と実現可能なラインではないでしょうか。
問題があるとしたらグランアレグリアよろしく気性的にゆったりと走るのがあまり得意ではなく、余計末脚を消耗してしまう可能性があることや今のマイル戦に馴染んでしまい遅く走れなくなってしまっている可能性があることでしょうがそこは調教師とジョッキーの腕の見せ所ではないでしょうか。頼んだよ、明良君。
余談ですが、昨年の菊花賞の上位5頭の数値は次の通り。

2022菊花賞上位5頭

3000mを走るには随分とハイラップでその分最後は各馬バテバテ。
流石にアスクビクターモアやボルドグフーシュに先着するというのは無理難題でしょうが結構いい着順で入線できたのではないのかな、というのが私の見立てです。

3.終わりに

以上で本記事は終わりになります。
普段であれば種の選定である競馬においては「こいつ強いな」という馬ばかり追いかけている身で、燻ぶっている馬に対しては余り見向きをしない人間ですが、どうにも気になって追いかけてみた結果ヤキモキしてここまで書き上げてしまいました。
迷走したまま終わってしまわず、早いうちに突破口を見つけて大きく飛躍して欲しいところです。

それでは。

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