マガジンのカバー画像

Poem

169
Arimの詩…風のなかを通り過ぎる時、今日はどんな風景が広がるだろう…。それは、林の中を吹く風とは限らない。街の中を吹く風、貴方との境界を渡る風。…詩と歩く。
運営しているクリエイター

2017年4月の記事一覧

Poem-) あまりにも強風が吹く日は…

Poem-) あまりにも強風が吹く日は…

あまりにも強風が吹く日は
雑踏に紛れ込む
風が強いですね、と
誰かに話しかけるために

本当は、
どんな言葉でもかまわないのだけれど。
風とか、雨とか
暑いとか、寒いと
ドアをノックするように
言葉を投げかけて
みたいだけ

本当は、もっと、
大事なことを話したいのだけれど。
店から流れてくる呼び込みや
溢れでる音楽、
車のクラクション
道路やビル工事の音に、
音に、
かき消されて

そうして、だ

もっとみる
Poem-) 名前

Poem-) 名前

名前は何というの?
小さな子どもに名前を聞くことは
残念な時代だから、
少しの戸惑いがあるけれど
教えてもらう
そこから始まるように

きみの名前を呼んでみる
鳥たちが羽をうち震わせる音が
聞こえてくる
鳥の羽ばたきの合間から
きみの光のような未来が
こぼれてきそう

Poem-) 空は水色とは限らない…

Poem-) 空は水色とは限らない…

毎夜、続く物音だが
今夜はもう遅い、
古いコイン集めもしないし
銅鐸の謎も
錆びた鉄の夢も砕かれつつ
星の下に眠る

スピーカーから流れてくる曲は
理由もなく今日の一部分となったが
自分を形成する記憶とは異なる音であればあるほど、
そのすぐ横に
すでに、私のもう一つの萌芽が始まり
加速させた

水道の蛇口へ向かう
1日の目的は集約される
本当は今日も1日、水のことを
考え続けていたかったのだ
屋根

もっとみる