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わたしだって 上瀬谷を追うよ!(上瀬谷再開発事業について)

11月5日(日) 瀬谷区文化センターあじさいプラザで「上瀬谷の自然を学ぼう」勉強会が行われました
講師 瀬谷環境ネット代表 宮島行壽さん
わたしは パネリストで参加しました
記録のため 原稿をupします

上瀬谷の自然を学ぼう 実行委員会によるチラシ

亜梨子と申します
住まいは旭区です
瀬谷高校に通っていましたので
特に海軍道路の桜については思い入れがあり
今回の旧上瀬谷通信施設地区の再開発計画に興味を持って説明会に通ったり 自分なりに調べてまとめた事をSNSに発表しています
今日は 瀬谷環境ネットの宮島さんが 旧上瀬谷通信施設地区の素晴らしい自然環境について
説明してくださいましたので
わたしは この地区でどのように事業が行われ
この自然環境がどう変えられようとしているのかを簡単に説明いたします

2027年国際園芸博覧会協会による環境影響評価準備書説明会の案内(HPより)

まず この中に10月27・28・29・30日に瀬谷区と旭区でおこなわれた 国際園芸博覧会環境影響評価準備書 の説明会に行った、という方
どのくらいいらっしゃいますか?
国際園芸博覧会協会の方に聞いてみたところ 4日間でのべ150名ほどの方が参加したようです… って少なくないですか?

説明会の案内がポスティングされた範囲

図②を見てください
この環境影響評価準備書説明会のお知らせは
事前にこの黄色に塗られた対象地域のお宅に
約2万枚配られました
国際園芸博覧会の工事や開催時の事業が自然環境や皆さんの暮らしにどれだけ影響を及ぼすか?
という説明会に参加したのが約150/20000名
これで「住民に周知を徹底した」と言って良いのでしょうか?

そもそも再開発事業の影響を受けるのはこの地域の住民だけではありません
海軍道路や八王子街道などの周辺道路を日常的に使う人達
北側にある緑区・青葉区・町田市
おとなりの大和市 また戸塚区・泉区・藤沢市の住民にも影響は必ずあるはずですし
なんと言っても「国家事業」である「首都圏初の万博」です
環境への影響に懸念を持つのは 全国民でもおかしくないはずです

順番が逆になりましたが図①を見てください

旧上瀬谷通信施設地区再開発事業の見取り図


旧上瀬谷通信施設全体の広さは約242ha (横浜スタジアム63個分) そのうち公園用地が約45ha
公園用地の一部と 観光にぎわいゾーンの一部を使って行われる 国際園芸博覧会が約100haです

続いて図③をご覧ください

旧上瀬谷通信施設地区再開発事業は3層構造になっている


ややこしいのはここからです
旧上瀬谷通信施設地区の再開発事業は
今のところ3層に分かれています
まず1層目が
「土地区画整理事業」
242haの旧上瀬谷通信施設をほぼ平らに均し
基礎的なインフラを造り
大門川と相沢川を切り回して暗渠にし 海軍道路と八王子街道の一部を拡幅し 瀬谷地内線という道路を造る基礎工事です
これは 「横浜市都市整備局上瀬谷整備推進部上瀬谷整備推進課」が行います

そしてその上に乗っかる2層目が
「公園整備事業」
(土地区画整理事業で基礎工事した242haのうち)約45haの公園予定地に 木を植えたり園路を造ったり公園のために必要なインフラを整えます
これは「横浜市環境創造局公園緑地部公園緑地整備課上瀬谷担当」が行います

更にその上で行われるのが
3層目の国際園芸博覧会
公園用地と観光にぎわいゾーンの一部を使って
国際園芸博覧会のための パビリオンを建てたり植物を植えて庭園を造ったりします
これを行うのが 「国際園芸博覧会協会」です

つまり 旧上瀬谷通信施設地区の再開発には三種類の事業が関わっているんです
10月の27日から4日間おこなわれた
環境影響評価準備書説明会は この国際園芸博覧会協会主催の説明会でした

説明会に出席した方 これ理解していらっしゃいましたか?
ややこしくてわからないですよね?

環境影響評価っていうのはその事業が環境に及ぼす影響について 事前に・調査・予測・評価した結果を示したものなんですが
今あげた三つの事業がそれぞれ別々に行っています  当然説明会も別々に3回行われます
→ これをまず最初にするべきなのにそれをちゃんとしないんですよね

たとえば 河川について
図④を見てください

旧上瀬谷通信施設地区内の河川切り回し図


これは川の切り回しの図なんですが
旧上瀬谷通信施設の敷地内をほぼ真っ直ぐに流れる相沢川(真ん中より上の辺りが先ほど宮島さんのお話に出てきた大谷戸です)これを埋めて暗渠にしてほぼ東側スレスレのところをぐるっと迂回してもう一度真ん中に戻した○印の辺り
ここに 土地区画整理事業で多自然水路(水辺と草地が互い違いに配置された 言うなれば小学校の校庭のコンクリートで囲まれた田んぼと水路のちょっと大掛かりなもの)がちょろっとだけ造られます
川の流れを大幅に切り回して暗渠にするわけですから そんなパッチワーク自然みたいなものを造っても そこに生息していた生物や植物は都合良く工事が終わるまで方違えして 戻ってくれるはずない って普通は思うんですが
土地区画整理事業では
「多自然水路を作ったから環境は護りました そこに生物が戻るかどうかは生物の勝手です 維持管理は別事業なので知りません」と説明します
(これが土地区画整理事業の環境影響評価)

そして 次に公園整備事業で
「ここに 水辺の植物などを植え 生物の生育環境を造ってそれを保全していくので環境はしっかり護ってます」と説明します
(これが公園整備事業の環境影響評価)

最後に 国際園芸博覧会では
「横浜市の二事業で造った場所をお借りするだけです 大切に使いますので環境は破壊しません」と説明します
(これが国際園芸博覧会の環境影響評価)

それぞれが自分以外の事業にはノータッチなので 公園整備事業や園芸博覧会事業の環境影響評価説明会で
「何故川を暗渠にするのですか?暗渠にするのは止めて!」と言っても
「それは土地区画整理事業で行う工事なので
お答えできません」としか答えが返ってこないわけです
そして繰り返しになりますが
2層目の公園整備事業と
3層目の国際園芸博覧会事業では
「前の工事で変えられた時点での環境を護る」のが基本なので
1層目で基礎を造る土地区画整理事業で
「その場の生物や植物がたとえ全滅してしまっていても新しく手を加えないので環境に影響無し」ということになります

別の例を挙げると
公園整備事業と国際園芸博覧会事業では(自分たちの事業では)「夜間工事は行なわないので 動植物の生息に影響は無い」と説明しています
ところが今 まさに進んでいる
土地区画整理事業の
「敷地への仮囲い設置と工事用の仮設道路設置」は夜間も行なわれています
この段階で 住めなくなった生物や植物は
後の二事業の環境影響評価には関係無いことになるのです

更に図⑤を見てください

三事業の施行計画

令和6年度から8年度までは
土地区画整理事業と公園整備事業 国際園芸博覧会の工事が「重なります」
しつこいですが
「環境影響評価」については三つの事業それぞれ別々に行う ということになっているので
騒音・振動・混雑・大気汚染などの基準はそれぞれクリアされています
けれども「工事が重なる期間」についてはそれぞれの要素が3倍になるのでは?
という質問に対して 10/28園芸博覧会協会の
カイ整備課長は
「複合的要因は 他の事業を考慮した場合という但し書き付きで書いてある
しかしながら それぞれの工事の進捗状況に併せて問題が明らかになった所はごにょごにょ(多分検討)していく」
と 極めて歯切れの悪い答えしかしていません

図⑥を見てください

国際園芸博覧会駐車場配置図


国際園芸博覧会の広大な駐車場の配置図です

この駐車場について  
10/30の説明会で同じく国際園芸博覧会協会のカイ整備課長は
「地下水脈に影響が出ないよう透水性に配慮する舗装をし 国際園芸博覧会後には撤去して横浜市にお返しする」と答えています

続いて図⑦を見てください

愛・地球博での駐車場「撤去のアセスメント」

2005年に行なわれた「愛・地球博」では
(比較的自然環境に影響しない)
農耕地に設置された駐車場を 会期後に撤去して元の畑の形に戻す試みが行われました
上のカイ整備課長のコメントを聞いて
国際園芸博覧会でも環境復元か!と一瞬期待しましたが 大駐車場は

大駐車場の位置

「観光にぎわいゾーン」の一部でした
つまり 農地に戻る事無く花博後造られるテーマパークの土台になると思われます

最後に観光にぎわいゾーンのテーマパークについてお話しておきたいと思います
図⑧を見てください

KAMISEYAPARK

なんか凄いですね
野外ステージでレーザーみたいな照明がビュンビュン飛び交ってて 遠くの方では花火も上がってる
今までせっかく護って来た環境にはどう影響するんでしょうね?心配になります

仮称KAMISEYAPARK は
三菱地所が 2028年(国際園芸博覧会の翌年)着工し 2031年のオープンを目指しています

最先端のテクノロジーを活用したパーク内は、「最先端のエンターテインメントが集まるエリア」「子供から大人まで楽しめるエリア」「スリルあふれるエリア」といった特徴的なエリアにゾーニングされています。各エリアで、老若男女問わず楽しめ、世界観に没入できるような空間を創出いたします。
とありますが テーマも 没入出来るはずの世界観もまだ決まっておらず

鉄道の計画が無いのに「駅前商業施設」が…

年間1500万人の入場者を見込んでいるのに
交通渋滞解消に必要不可欠な 上瀬谷ライン(新交通システム)や東名高速のスマートICの計画さえもまだ具体化していません
テーマが決まっていないテーマパーク
しかもアクセスがめちゃくちゃ悪いテーマパークに横浜市は「年間1500万人が来る」と自信満々で言っちゃってるワケです

ちなみに 上瀬谷よりはるかにアクセスの良い 練馬区のとしまえん跡に造られた
ハリーポッターの世界観を再現して大人気の
ワーナーブラザーズスタジオツアー東京の
年間目標入場者数は200万人だそうです
横浜市と 三菱地所の強気さに身体が震えます

他にも色々お話したいことはありますが
今日はこの辺で終わりにします
ひとことだけ言っておきたいのは
この再開発事業は 瀬谷区・旭区のみならず
横浜市ひいては日本にとって百害あって一利なし
です
人が集まったら大渋滞
集まらなかったら Y150の大借金再び(不安定な世界情勢で大阪万博のようにまだまだ費用は嵩みそうです)
どちらにしても地獄
さらに「首都圏最後の貴重な空白」は失われます
横浜市はもう一度 基本から計画を練り直すべきです
みすみす「失敗する」と分かっている無謀な計画を わたしは横浜市民として許すわけにはいきません

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