大変と言うけど
一年ほど前、通り道のお寺の前に掲げられていた手書きのポスター。なんか心に止まって、写真に収めていた。
大変と言うけど
大変は
大きく変ると書く
かならず変る
その時は、へーうまいこと言うなぁ、なるほどねーくらいに思っただけだった。手書きのイラストの杖が随分か細くて折れそうだけど大丈夫か(笑)とか、「変る」と「変」も同じ漢字だ。変人でもいいですか?などと1人でツッコミを入れたりして、妙に食いついたけど、面白半分だった。
だけど、案外、その言葉が残ってる。
「かならず変る」
事あるごとにふっとこの力強い言葉を思い出し、折れそうな心が軽くなっていることに気づいた。
こんな風に、聞いた時はそこまでじゃなかったのに、案外残っている言葉というのは他にもある。
もうずっと前、電車の中でそんなに仲良くない職場の人と同乗することになり、何かしら話さなきゃと思いながら話していた時のこと。
「私って流されやすいんですよね〜。。」というようなことを言うと、その人はさらっと「あー、淀むよりはいいじゃないですか」と言ったのだった。その時は、「うーん、そうですかね〜」くらいに返しただけだったのに、その言葉が、案外、今の今まで残ってる。
「淀むよりはいいじゃないですか」か。
私の気の弱さも、浮き草のようなフラフラした生き様も、それはそれで良いんだと肯定された気がして、思い出すたびスウッと心が楽になるのだった。
「がんばれ」とか「すごいね」とかそういう月並みな言葉じゃなくて、シンプルだけど人の心をふっと軽くしたり、明かりを灯すような言葉。すぐ消えちゃうんじゃなくて、時が経ってもじんわり残り続けるような言葉。そんな言葉を、私もごく自然に、ふわりと言っていけたらいいのになぁ。
今、殊更にそう思う。
ありがたく使わせていただきます。