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渦巻く身体の不安

ここ2、3週間くらい、指に違和感がある。

特に起き抜け、両手が痺れていたり、手を握ろうとするとこわばる感覚がある。痛みはないのだけど、手の皮膚が突っ張っているようで、関節を曲げるとジーンとする。曲げた関節にドクドクと脈打つ感じもある。

前に高野山に来た時も素手でたくさん洗い物をするから指の皮膚が荒れてザラザラになってしまったし、始めはそのせいかなと思った。特に今回はゴム手袋もしてなくて洗剤と直接触れ合っている時間が長かったから。でも、こんな関節にまで支障はなかった。

自分の手が自分のものじゃないみたいな感覚。

さすがにちょっと変だなと思い調べてみると、関節リウマチの初期症状に、朝の指のこわばりが顕著だという。

リウマチ。。それで思い出したのが、高野山を去っていった同僚の方。原因がリウマチだったそうだ。先月その人から半年ぶりくらいに連絡があって、しばらくのやり取りの後、家族の介護なども重なりとても困っていてすぐ返すから5万くらいお金を貸してほしいと言われたのだけど断ってしまっていた。お金を貸すと、貸した方も借りた方も運気が悪くなる、正当な理由があるので生活保護を申請したらいいと思いますとかなんとか言って断った。それに対して「そうだよね、ありがとう」というような返信だったけど、それきり音信不通になった。そのことがまず頭をかすめた。やっぱりお金を貸すべきだったのかな。病気になったら、働けなくなったら、困るよなぁ。

「無念の思い」というワードが、ふっと現れては、遠ざかる。

ピアノを弾いたり絵を描いたり果物の皮を剥いたりキーボードを叩いたり。この10本の手の指を使ってやりたいことがたくさんあるから、支障をきたしたら困るんだけどなぁ。でもそう思いながらも、意外と人事みたい。怖がるのも怖いので、不安はまだふわふわと頼りなく浮かばせておく。

道路のアスファルトに落ちていた渦巻き。もぬけの殻だった。

じいっとしゃがみこんで、しばらく渦巻きを見つめていた。日本の夏らしくなく、朝晩は薄ら寒い高野山です。

ありがたく使わせていただきます。