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スタッフ合宿レポート

はじめに

エンジニアの登壇を応援する会』のadmins(コアスタッフ)計9名で合宿を開催しましたので、私個人が学んだことをレポートとしてまとめます。
この合宿は、ITエンジニアの成長を支援するための方策を検討することが主な目的です。私たちが支援するべきITエンジニアが現在どんな課題を抱えており、どのような支援をすることがコミュニティ全体の発展に寄与するのかを、深夜まで渡りアツく語り合いました。この議論は、私たちのコミュニティ内だけでなく、エンジニア全体への貢献につながるように視座をあげるように行われていますので、この内容が皆さまにとっても気づきになるものになれば幸いです。

合宿では3名×3チームに分かれてワークショップを行いました。
この記事は、合宿の総括として、私たちのチームが行ったワークの内容、及び、思考プロセスと結果をご紹介します。

合宿の概要

合宿の開催概要は以下の通りです。

• 開催日時:3月9日~10日(1泊2日)
• 開催場所:ペンションはじめのいっぽ(栃木県日光市)
• 参加人数:9名
• タイムテーブル:
 【1日目】
  13:00~14:30 自己紹介LT大会
  14:30~15:00 アイスブレイク
  15:00~18:00 ワークショップ①
  18:00~21:00 夕食/休憩
  21:00~00:00 ワークショップ②
 【2日目】
  08:30~09:30 朝食
  09:30~11:30 総括
  12:00 チェックアウト・観光

この合宿は、株式会社メルカリ様によってスポンサーいただきました。
貴重な機会をご提供くださり、誠にありがとうございました。

自己紹介LT大会

ここでは、私たちのコミュニティらしく、参加者ひとりひとりが5分間のLTという形で「自己紹介」を行いました。
単なる自己紹介ではありません。私たちがなぜここにいるのか、それぞれの思いを伝えあい、互いを再認識することが目的になります。
私たちの「エンジニアを支援する」という活動に対して、誰を・なぜ・どうして・どのように、といったことを伝えあう事で、互いの存在意義を知り、今後の活動(とこれから続く議論)につなげる事が目的です。

私からみなさんにお伝えしたものは以下の通りです。

1. 自分を見つめなおす4つのキーワード
 • 人生における幸せとはなんでしょうか?
 • 心を豊かにするものはなんでしょうか?
 • 未来への道には何が待ち受けているでしょうか?
 • 人生を形作る岐路における選択基準は何でしょうか?
2. あなたの存在意義は何?
 • 人間の存在意義とは「可能性」です
 • 具体的には、現在と未来における成長の可能性です
 • あなたは今、自身に可能性を感じていますか?
3. 私は過去、感じられなかった事があります
 • とても深い絶望を感じたことがあります
 • それは、多くの挫折によって成り立ったものです
 • 道に迷った状態では、可能性は見えません
4.  「全てを終わらせたい」とまで考える状況に追い詰められた
 • あなたは、そんな状況になったとき、何ができますか?
 • その行動の源泉となるものを持っていますか?
 • 私は、その源泉が「幸せへの渇望」でした。
5. だからこそ、世界中を幸せで満たし、絶望をなくしたい。
 • 私の最も得意とする武器は「IMAGINE」です。
 • いわば「IMAGINEER」であるといえます。
 • 想像から創造へ繋げる未来へと成長していきたい。
6. みなさんの未来は、何をする人ですか?

いかがでしょうか。
自己紹介というより、自分の信念をみなさんに伝えるような内容でした。

また、他のLTで印象に残った言葉を併せてお伝えします。

• 「個」にこだわりを持ち、身近な人を1人でも支援したい。
• 1つ1つを積み重ねていく。
• このコミュニティは、背中を押されたい人が集まる場所。
• どんなときも、1人1人に寄り添って背中を押したい。
• 仕事が幸せになれば人生が幸せになる。
• 継続的な開発、継続的な情報の取得と発信によって自己成長する。
• 活動を通じて、エンジニアと家族・仲間が幸せになれる。
• 成長を支えること、今までにない体験をすることがモチベーション。
• 楽しめるコミュニテイにしたい。
• ハードルを下げること、働きやすい環境を作ること。
• 参加者に寄り添った運営を目指し、参加者と共に作っていく。
• 恩返しは無理だけど恩送りならできる。
• 自分の目標は「自分を成長させたい」

それぞれの想いを開示することは、すごく貴重な体験でした。
オンラインでのやり取りが増えると互いの姿が見えなくなってきます。
このLTをすることで、互いの想いを知り、改めて尊重しあえる存在になれたように感じます。

チーム分け

ここからは3名 ✕ 3チームにわかれました。
私が参加したチームのメンバーは、 もっとさん と かめねこさん です。

チームでの議論内容については、こちらに議事録をまとめていますので、併せてご覧ください。

アイスブレイク

チームのアイスブレイクとして「実は自己紹介」をしました。
マニアックな自己紹介によって、普段の会話ではわからないような面白い内容で場の雰囲気がなごみ、また各メンバーの知らなかった一面を知る事ができました。
いきなり具体的なワークに入るのではなく、30分ほどの雑談を通じて話やすい雰囲気が作られることで、続くワークショップで積極的に会話できるようになりました。

ペルソナ設計

まず最初に行ったワークショップはペルソナ設計です。
事前にTwitter等で呼びかけたアンケートを取得していました。
※アンケート結果(計86件)については、近日公開予定です。

回答をもとに議論を重ねながら、支援が必要であろうエンジニア像を1人、ペルソナとして作成しました。

• 名前:なかもとさん
• 属性:男性、26歳、7月7日生まれ
• 職業:バックエンドソフトウェアエンジニア
• 職歴:大卒、新卒入社4年目

なかもとさんは、レガシーな言語であるJava 6を扱いながらも、自身で最新情報をキャッチアップしています。しかし、それを会社にうまく提案・導入することができず、独習した内容が業務に結びつかないことから、将来への不安を感じています。社外との接点もなく、自身を客観評価できないことから、目指すべき道も描けていません。

このようなエンジニアは、おそらく皆さんの近くにもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

ここで浮かび上がってきた かなりリアルなペルソナ をもとに、次のワークショップに繋げます。

成長支援方法の検討

次のワークショップでは、ペルソナに対して具体的な成長支援方法を見つけることがゴールでした。ここでは以下のように議論を進めています。

To-Be
まず最初に、仮の情報として「なりたい姿」を描きました。
この時点では、現状のペルソナが持つ不満を解消することが主眼になり、情報の精度はかなり低いものでした。

• 必要な最新技術を社内で利用できる
• 自身の学習内容について評価されている
• 正しい技術的な判断ができる仲間と仕事をできる
• 社外(外部コミュニテイや企業)との接点をもち交流している
• 収入の問題がなくなり結婚を決断
• 大学時代の同期に対する劣等感から開放。
• 技術について話す仲間から、客観的な評価を得られる。
• 相談できる人が身近にいる
• 自己を客観的に評価できる

一見正しい事ばかり並んでいるように見えるのですが、ここから議論を重ねるなかでかなりの違和感が出てきます。

シックスハット法
次に、普段は考えつかないようなアイデアを発想するための手法として、「シックスハット法」を使用しました。※実際に帽子は被ってません。
異なる6つの視点をそれぞれ色で表し、指定された色の性格だと仮定して発言をすることで、議論を進めます。

1. 緑
まず、自由な意見を出し合います。
この時点では、直前で議論したTo-Beの内容が元になっているため、その内容を補足するような意見が目立ちます。

2. 白
次に、データに基づく意見です。
平均年収や言語別の人気ランキングなど、議論に必要と思われるデータを収集し、さして重要な要素ではないという気づきになります。

3. 赤
感情に基づく意見です。
ポジティブ/ネガティブいずれも本人になりきって感情を表現しました。
これによって「本人が感じているものと、本当にやるべきことのギャップ」を少しずつ感じます。

4. 黄
積極的な意見です。
なかもとさんが既に起こした行動のなかから、どこがGoodなのかをひとつずつ挙げ、優先順位をつけました。その中でも上位3点が印象的です。
• 自分がやってることがレガシーと認識してるのはGood
• 正しいことを上司に伝えようとしてるのはGood
• 世間の潮流と上司からの評価が違うのがわかってるのはGood

5. 青
ここでいったん客観的な視点になります。
「現在の議論は正しいのか?進んでいるのか?」ということを振り返り、この議論が終着点に向かっていることを簡単に再認識しました。

6. 黒
最後の色は否定的な意見です。
これにより、話してきた内容の妥当性が検証されていきます。私たちのチームでは、議論が進んでいるなかで "根本的な問題" が話し合わせていないのではないかという問題提起がなされました。

問題の根本原因は、社内全体が忙しいからではないのか?
• 業務の改善や新しいことをやる余裕がないのでは
• マネジメントの問題に自分は踏み込めないために改善できないのでは

青までの議論では、本人に終始フォーカスしていましたが、環境が根本原因であることが再認識されます。

7. 緑
ここで、再び緑に切り替わります。
議論が終盤に差し掛かる中で、自由な意見を言えるようになったのですから、あふれるようにたくさんの言葉がでてきます。特に、多くの議論を交わす中で感情移入が進んだことから、どこからともなくロールプレイが開始されました。かめねこさんが実際のペルソナ(なかもとさん)になりきり、指導役のariakiと1on1をすることで、たくさんの課題が浮き彫りになります。
ここで出た会話をまとめたものが "As-is" になりました。

8. 青
最後に、再び青になり、まとめの時間です。
ここまで議論していた中で不足していた点がないかを振り返り、前段の "As-is" を見直すことで "To-be" を導きました。また、両者を比較することで自然と "Solution" が浮かび上がります。
最初に仮設定した "To-be" とは全くことなる結果になりました。
しかし、私たち3人の意見はこの段階で一致し、全員が納得する結論に至れたのではないかと考えます。

ワークショップの結果

まずは、"As-is" から見ていきましょう。

• 不満の本質を認識できていない
• 自分の周囲をきちんと変えようとしていない
• キャリアプランが描けていない
• 新しい技術を学んでいるのに、キャッチアップする方法を模索していない
• 自分に甘えている
• 自分の軸と世の中の軸がずれているのを認識できていない
• 「自分なんか」って言葉でごまかしている

どれも、周囲からよく聞く、もしくは自分にも当てはまる内容です。
言葉を紡ぐたびに自分たちのことのように胸を痛めながら、課題点を7つ導き出します。私は、この中でも特に「自己理解」ができていないことに大きな原因があるのではないかと考えます。なかもとさんは、自己の正しさを測れず、未来どころか現実を直視できていません。口だけで行動に起こせていないことが原因です。これは、本人の性格の問題もあるかもしれませんが、「やり方がわからない」事にも起因するのであろうと推測されます。
世間とのギャップを見る方法がわからない、周囲を変える方法がわからない、成長する方法がわからない、目標を設定する方法がわかららない…というように、わからないことだらけです。そもそも、若手エンジニアにとって、それらをきちんと見直すほどの能力は身についているのでしょうか。

次に、"To-be" を見ていきましょう。

• 自分のなりたい姿が描けている
• 変えるための行動をしている
• 会社以外の評価軸を持っている
• 楽しい環境に身を置いている

私たちが描いた理想像は「ビジョンを持ち、行動をしている姿」でした。
また、行動に対するフィードバックを受ける方法を知り、定期的に振り返ることも成長には必要であると言えます。
そのためには、成長できる状況を「楽しい」と思えることが何よりも重要であり、これには個人の努力だけではなく、エンジニアコミュニティ全体として環境を創り出していく必要があります。

最後に、私たちが導き出した "Solution" です。

• 成長に対する具体的な目標設定方法を伝え、成功体験を例示する
• 成長の楽しさを感じられる環境を作り出す
• 次のことを自身に問いかけ、結論を導く支援をする
 1. 自分は、どうなりたいか
 2. 自分は、何を大切にしているか
• 未来の可能性を提示する場所を提供する

最も必要なのは、自身が変わるためのきっかけです。
成長がすばらしいものだと理解することは容易ではありません。頭で理解していても、具体的な行動を起こす為には膨大なエネルギーを要します。
なかもとさんが走りだすには、現状を認識し、課題を考え、目標を設定したうえで、行動に移すという4つの段階が必要です。
私たちは、上記で挙げた4つの段階に対して、それぞれ丁寧な支援を行うことが最も最適な解決法だと結論づけます。

ワークショップまとめ

ワークショップを通じて、多くのことを学べました。
これまでは「エンジニアの成長を支援したい」という気持ちを原動力にして、ひとつひとつの施策を積み重ねてきました。ワークショップを通じて、活動の中でおぼろげに見えていた具体的な支援像を描くことができ、私たちがコミュニティ続ける意味や理由が明確になったように感じます。

私がこれまでの活動を通じて大切にしていた内容について、山本五十六の名言から引用して解説します。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。

人が動くためには、これら4つの要素から支援する必要があります。
1. 成長の必要性を、先達の体験を通じて提示すること
2. 成長に必要な項目や手法を伝えること
3. 行動を後押しし、支え続けること
4. 行動に対して、正しくコミュニテイとして評価・フィードバックすること

初心として抱いていたこれらが言語化されることで、改めて重要性に気づかされました。これは、私にとって、今後の活動に対する原動力となります。

食事

やはり合宿といえば "旅メシ" も気になる所ですよね。
ということで、ここからは2日間の食事に始まり、合宿コンテンツ以外についても簡単にまとめていきます。

1日目 昼食
湯波こまち / 元祖ゆば丼 890円
ふわふわの湯波をしっかり濃いめの味がつけられた餡でとじていて、すごくおいしい丼でした。

1日目 夕食
ペンションはじめのいっぽ / 囲炉裏料理
今回の宿泊は夕食付プランでした。個室の囲炉裏部屋を借り切り、肉・魚・エビ・野菜を焼いておいしく頂きました。

囲炉裏で焼いた魚(ニジマス)も最高でした。

2日目 朝食
ペンションはじめのいっぽ / 囲炉裏料理
朝食も同じくプランに含まれていました。あっさりとした和食でした。
こういうところで食べるご飯って、親戚の家で食べるようなほっこり感がありますよね。

2日目 昼食
さんフィールド / 湯波の御膳 1,800円
日光といえば湯波ですよね!ランチは豪華に湯波づくしでした。メインの巻き湯波がおいしすぎて感動しました。ご飯の上にのっている「志そまきとうがらし」も最高で、これがあれば何杯でも食べられる感じです。

そして、もう1品「湯波の御刺身 960円」も追加です。
湯波といえば刺身ですよね!もう最高すぎます。まさにパラダイス!「エンジニアの幸せはここにある by ariaki」という名言が誕生しました。

2日目 夕食
補陀洛(ふだらく)本舗 / ゆばむすび 400円
日光に来る際の締めくくりといえば、ゆばむすびです!それ以外には考えられないという位ほんとにおいしいゆばむすび、立ち寄った際には是非ご賞味ください。おこわを湯波で巻いたシンプルなおにぎりなんですが、優しい味で何個でもいけちゃいますよ。

日本酒

私たちの合宿といえば、日本酒レビューも欠かせないですよね。
お土産に日本酒を大量購入したのは言うまでもありません。全員あわせると4合瓶12本、300ml小瓶4本と酒屋で買い込むのはもはや様式美です。それでは、日光旅行の際には買わざるを得ない地酒をご紹介したいと思います。

霧降 純米大吟醸しぼりたて生原酒
こちらは「仙禽(せんきん)」で有名なせんきんさんが新しく作られたブランドの日本酒です。栃木県で作られた米を使い、芳醇で濃厚な味わいに仕上がっています。吟醸香が豊かで、シャープで酸味もかんじられる微発泡の生原酒です。このクオリティの純大が4合瓶2,000円以内で購入できるのは素晴らしいです。限定酒らしいので、購入はお早めに!

惣誉 純米大吟醸 五百万石 生酒
「メロンのような香り」と表現されるように。強く豊かな香りと旨味が感じられます。優しい甘味と辛味のバランスが素晴らしく、何杯でも飲み進めることができる危険なお酒でした。こちらも微発泡の生酒で、濃厚かつさわやかさな印象を受けます。3月までの季節限定酒らしいので、気になった方は今すぐ購入するのをオススメします。

観光

2日目の午後は時間にゆとりがありましたので、定番の日光二社一寺を散策しました。有名な「見ざる、言わざる、聞かざる」ですが、我々流に言い換えるなら「(登壇を)見よう、聞こう、応援しよう」ですよね。そんな記念写真を撮ったのですが、掲載するのは恥ずかしすぎるのでここでは割愛したいと思います。
思えばこうやって全員でスタッフ業以外のことをやるのは(打ち上げ以外では)はじめてです。色々な話をしながら回ることができて、楽しい時間を過ごすことができました。

最後に

私たちに支援のお声がけをくださった後藤様、本合宿をご支援いたいたメルカリ様、合宿場所をご提供くださったペンションはじめのいっぽ様に、改めてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

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