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若者のすべて-フジファブリック

私は夏が嫌いだ。
暑いし朝は気持ち悪いし寝苦しい。

けれど、夏の夜は好きだ。
昼の動と夜の静のギャップの大きさに惹かれるのだと思う。

そして、夏の終わりも好きだ。
夜方、少し冷たい風が髪をさらう時、秋の訪れを感じる。





夏の風物詩といえば、海にスイカにアイス。
でも冬の寒い日に暖房ガンガンの部屋のコタツでアイスを食べる方が美味しく感じたりしない?
食べ物は旬が一番だけれど、みんなが食べていない時にちょっとお金出して食べる時の方が優越感も相まって美味しい。久しぶりの美味しさがさらに美味しく感じさせる。

花火も同じように思ってる。
季節外れって、ちょっと美味しい。



去年の秋、上着を着て花火大会に行った。その日は半袖で過ごせないほど寒くて、焼きそばがすぐに冷めた。
けれど、乾燥し始めた夜空は花火の魅力を存分に引き立て、夏のような盛り上がりよりもその美しさに浸るような、そんな雰囲気がとても素敵だった。




花火、と聞くと思い出す曲が1つ。
ちょうどMステから流れてきたから今日のタイトルに選んだ。

フジファブリック「若者のすべて」
言わずもがなの名曲、そして亡き志村の声が今も人々の中で流れる理由だろう。


最後の花火に 今年もなったな
何年たっても 思い出してしまうな
ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

その年最後の花火を一緒に見た人がいるのだろう。きっと「来年もまた一緒に見ようね。」なんて約束を交わしたのかもしれない。それが果たされないことを知る由もなく。

口約束なんて儚きもので、大体が叶わない。
ましてや彼氏彼女なんて定義でしかなくて、言ってしまえばただの口約束。


「好きです、付き合ってください。」
「お願いします。」

この一言ずつだけで人々は縛られ、モラルがなんだ、熱愛だ、浮気だ、世間は騒ぐ。
別に約束の時間を1時間遅れたとしても世の中のニュースにはならないのに。人間という生き物は愛と金が絡むと途端に狂気的になる。つくづく面白い生物だと思う。



曲中の主人公の僕も、いるはずもないと思いながらも人混みの中どこかで彼女の影を探しているんだろう。最後の花火が毎年打たれる毎に、思い出すのだろう。

「男は名前をつけて保存、女は上書き保存」
なんて、よく言ったものだ。本当にその通りだと思う。多分探されている彼女は新しい彼氏と彼好みの見た目で生きている。女は小さい頃から、今を生きることで必死なのだ。



Mステの演出は、本当に良かった。
フジファブリック=志村というイメージは、正直今も拭えていない。そのイメージに抗うことなく、山内さんは志村さんの声と映像が流れてきたとき、歌わないという選択をした。
今のボーカルは俺だ、と言ってもいいはずなのに、身を引いて私たちと一緒にその歌声に聴き入っていたようにも見えた。
その姿に私は、メンバーそして志村への、尊敬と愛を強く感じた。




私も毎年、元彼と行った花火大会を思い出す。
女は上書き保存なんて言うけれど、楽しかった記憶は消したくないなというのが女の本音である。










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海と花束

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