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ロックマンのゲームと自分の関わり方みたいなもの

 X(元Twitter)にてこんな質問がありました。

 厄介な質問ですね…
何本クリアしてるかは正直わかりません。
ロックマン11含めそれ以前のソフトは発売リアタイ時に大体クリアしてきたはずです。

 2バージョン以上あるソフト(エグゼや流星など)のバージョン違いも遊びました (流星1は3本めを遊んでる時、デバックしてる気分になって本当に自分が全部遊ぶことに意味があるのか?と心が折れそうになりました)

画像は任天堂DS紹介ページより
エグゼのバージョン違いは遊んでて違いを比較するのが楽しかったのですが
流星1はそれに比べると変更点が少なかったと記憶しています。
それが3本…
流星のロックマン1自体は面白いゲームなので誤解なきよう。

 R20の編集作業でカプコンさんに打ち合わせに行った時に
「ありがさん程ロックマンシリーズを遊んでる人は社内でも中々いないかもしれない」
と言われたのですが、遊ぶのに長くかかるタイトルは一回クリアしておしまいにすることが多いので
「もっとディープなロックマンファンの人はクリアした上でやり込んでるので私はまだまだです」
と答えた記憶があります。

インタビュー、全体構成、誌面レイアウトなどの編集作業、
最終的な監修をしました。自分の中でも総決算的な一冊。
現在は増補改訂版「R20+5」が電書版で流通しています。

 リアタイ時にクリアしてそれっきりなタイトルは、楽しかったとか朧げな思い出があるものの正直なところ記憶も薄くなってきています。

 今でも繰り返し遊ぶのは手癖で遊べる昔のタイトルが多いです。 これはだいたい一周1時間くらいでエンディングまでいけるものに多く(無印や初期Xシリーズなど)、時間的に気晴らしにちょうど良いのです。

 そもそもなんでそんなにロックマンシリーズを遊んできたかと言えば、自分は漫画を描く前にロックマン大百科を作成していたおり、 公式コミカライズ連載漫画家である池原先生や岩本さん、出月さん達との立ち位置の差別化を意識し、自分の立場はより詳しくマニアックな専門家であるべきという考えでした。

構成やレイアウト、巻末付録のロボット入門などを担当しました。
誌面の画面写真も編集部内の機材を使い
自分でプレイしたゲーム画面を撮影しています。
同じ内容を繰り返しても仕方ないので大百科とは違うアプローチで作った本。
当時のシリーズやコミカライズにまつわる歴史的な証言として、カプコン側から稲船さん
ボンボン側から池原先生、岩本先生、ありがで対談を残せたのが良かったと思います。
余談ですがこの本で大崎悌造さんと一緒にお仕事させていただいており
今に続く「ようかいとりものちょう」に繋がっているという運命の本でもあります。

 あとはロックマンメガミックス執筆当時のロックマン開発スタッフさん達とのやり取りで感じていた友情に近い彼らに対してのリスペクト、 それと自分がゲーム業界へ片足を残したままだったので単純に開発者としてあれほど多岐に渡ったシリーズがどう進化してどう工夫してどう展開していくのかという興味、実際にそれを触って研究分析したいという想いでした。

 MEGAMAN(海外版)に関しては難易度調整が入っている2や、英語ボイス収録の8など日本語版に入っていない要素があるものを選んで購入してクリアしています。 (MEGAMAN X4は海外店頭で触ったときに声を聴いて遊びたかった海外版はコレジャナイ…と思って見送り)

Megaman2にはロックマン2には入っていない
難易度選択がありました。
それにしても箱絵が味わい深すぎる。
海外版PSゲームは海外版PS本体じゃないと動かないので
PS本体とセットで購入しました。
今じゃもう同内容(英語版)をクラコレ2で遊べちゃうんですけどね。

 そんな話をカプコンさんにしてたらMega Man Powered Up(ロックマンロックマン海外版)をいただき、これも全キャラ完走しました。(※きつきつまではやってないです) これが英語版ロックマンなんだなと納得できる吹き替えが非常に良かったです。

カプコンさんに当時いただいた現物
現行機種に全語収録で移植してほしいですね。

 あとは日本未発売ゲームギア版MEGAMANも当時がんばって購入しました。(ロックマン4と5のコンパチ) GGのハード的な都合もあってかBGMアレンジが独特ですがドット絵がファミコンまんまなのが好きです(ただしドット比の都合で画面が狭く、そのせいでロックマンに合わせたスクロールがわんぱくすぎる) ゲーム内ではステージを城の外壁に見立てたトードマンステージや最終面道中がクイックマンステージになっている構成が面白味を感じて好きです。

 DOS版MEGAMANⅢは画面写真を見て嫌な予感がして購入しませんでしたが、MEGAMAN3の液晶ゲーム(昔のゲームウォッチみたいな白黒のやつ)は箱とゲーム本体に印刷された絵が味わい深くて購入し、ゲーム自体も古のゲームウォッチ感が好きで遊んでいました。 ボスは制限内で工夫されているのが面白かったのですが随分昔に遊んだのと、電池が切れてから放置しているので細かいとこの記憶は曖昧です。

 移植版の中で思い出深いのはモバイル版(ガラケー)ロックマン
 ドットの打ち直しをしてたり電話キーでのコントロールの都合で一部ゲーム性を変えてたりするのをどう処理するのか確認したくて遊んでました

 近年はオリジナルゲームのベタ移植が多いのでこういう「ハードに合わせて工夫した移植」が無くなって寂しいですね。

 移植ではありませんがモバイル版だとロックマンテニスなどがあり、この辺も今は遊べなくなってるのでできたらクラコレ3などでロックボードやサッカー、バトチェなどの番外編とまとめてほしいなあと昔から思っています。

 あとは大昔アーケードで出ていたカプコンのクイズゲーム(アドベンチャークイズ カプコンワールド)にワイリーが出ていてドット絵が味わい深かったのと、その頃は基盤をテレビに繋げて出力できる環境だったので基盤を探し購入しました。
 その流れでパワーバトル、パワーファイターズも基盤で購入してるのですが、基盤は手入れが大変なので現在は人に譲ったりして手放しています。

 クイズだとゲームボーイのカプコンクイズ ハテナ?の大冒険にロックマンモチーフのワールドがあるのでそれ目当てに購入してるのですが、あの頃はとにかくゲスト出演でもなんでもロックマンが出るなら記録として持ってなきゃいけないという気分でした。

 店頭やゲームショーなどで配布されてたチラシなどもファイリングしてたんですが、捨ててないので多分仕事場の押し入れの奥を探せばまだあると思います。

 収集に関しては、ロックマン大百科を作った流れでいずれ自分が将来的にロックマン大全みたいな本を作る機会があればそこに…という考えもあったのですが、そういう想いはR20である程度の達成ができつつ
 手元にあっても出力できなかったり、長い年月の中で紛失してたり、カプコンさんに問い合わせても資料が現存してなかったりして自分が把握している全てを収録できなかったのが心残りではあります。

 R20はあの時に与えられた時間内にできる全てをつぎ込んでますが、どう頑張っても気持ちだけでは無理なものがあるというのも学びました。

 ちょっと話がズレますがボスキャラ公募ハガキは個人情報保護で保管されておらず、現存してないとかですね……
 仕方ないとはいえ、ロックマンの歴史としてボスキャラ採用された全ハガキや佳作ハガキを小さくでもR20に収録したかったので、今思い出してもそれができなかったのが凄い悔しいんですよ。ちくしょう。
どんまい。

R20は原画が現存してないものは印刷物をスキャンし一枚一枚リタッチ、
塗り直しデジタルリマスターを行っています。
ですがボスキャラ公募ハガキは収録できませんでした…

ボスキャラ公募ハガキに関してはリアタイ当時のカプコンファンクラブ会報や
攻略本、雑誌などでも掲載されていたものの、解像度が低いこと、
年代も出版も分かれていて印刷も統一されておらず(白黒印刷しかないものもある)
ボスキャラ公募ハガキの収録は泣く泣く諦めた苦い思い出が心に根深く残っています。
ロックマンにとってボスキャラ公募は大事な歴史なので補完できなかったのが悔しく
このことは思い出すと行き場のない怒りで暴れたくなります。

 時が経ち、ロックマンギガミックスの執筆が終了して自分のコミカライズの役目を果たしたことで 現行でロックマンのコミカライズやコラボの仕事をしている人たちの邪魔になることをしてはいけないと考えています。

 R20を無事に出版できたこと、想定していた最後までコミカライズを完走できたこと、交流のあったロックマン関係者の多くがカプコンさんから退社していること等々もあって(まだ残られてる方もいらっしゃるので、またどこかでお食事など行ってお話できたら嬉しいです) 今の自分はロックマン卒業生として気持ちや立場を線引きした気分ですね。

やりました!やったんですよ!必死に!

 現在は期間限定コラボなど追いきれてないですし、仕事としてもロックマンから離れてるのでそこまで一生懸命に探したり遊んだり集めたり参加したりはしていません。Vの方々の配信観に行くくらいかな。

 ロックマンX DiVEに関してはファンの皆さんが遊んでるのが流れてくるのを眺めるくらいで積極的には遊んでいません。

 ロックマンというタイトルは学生~若手だった頃の青春時代の思い出であり、キャリア初期~中期にかけて沢山の経験をさせてもらいました。
 公式絡みで何かあれば応えますし、何も声がかからなければ思い出話や応援はしても、ロックマンというタイトルに対して邪魔になりそうな行動をしたくないというスタンスです。

 あと電書版、翻訳版などでメガミックス、ギガミックスが流通するときは新規読者に向けて過去話や昔の絵を出そうとたまに思います。
 現在はOBのような気分で少し離れたところからロックマンシリーズを応援しています。 (何か公式経由でご依頼がある時は筆をとります)

 この先の歴史の記録は広い世界のどこかに確実にいるであろう、私よりも濃いロックマンマニアに託します。

 元post


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