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そこにあるもの。


誰もいないのに、いる。




そんなときは、
そっと耳をすます。






気づかれないように。



誰もいないのに?




そんな感覚が、子どものときはとても怖くて、
押入れの布団に潜り込んで丸まっていた。



今はちょっと違う。



そこにいるものは、
ただ優しく在るの、と分かったから。
守ってくれている、と感じるから。





さらに耳をすます。
少しでも分かりたくて、そっと身体を開く。




そんな秋の昼下がり。






おしまい。



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