このたびMicrosoft様より「Pro IntelliMouse」をご提供頂きましたのでレビューを投稿します。

「Pro IntelliMouse」はかつて多くのプロゲーマーが愛用した名機「IntelliMouseExplorer3.0」を現代の技術力でゲーミンググレードとして復刻したマウスです。
ベースは2017年に発売された「Classic IntelliMouse」ですが、これは形状は素晴らしいものの、ゲーム用途としてはセンサー性能が今一歩足りない製品でした。
今回レビューする「Pro IntelliMouse」は2017年モデルの形状を踏襲しつつ、ゲーム用途に十二分に対応しうるセンサーを搭載し、名実ともにゲーミングマウスとして復活した製品です。

形状は「IntelliMouse Explorer3.0」を踏襲しつつも、プラスチック部分がマット塗装になりより滑りにくく手に馴染む印象です。
更に、サイドボタンがラバー素材に変更され、滑り止めの溝が追加されてより正確な操作が可能となりました。

昨今のゲーミングマウスらしく、後部には色がカスタマイズ可能なLEDを搭載。間接照明のような控えめな光り方で、主張しすぎないオシャレな印象を受けるライティングです。
「Classic IntelliMouse」ではLEDが白のみだったので、色がカスタマイズ可能になったのは嬉しい変更点です。

ちなみに今回頂いたカラーはブラックですが、ホワイトモデルも用意されているようです。ゲーミングマウスにはカラーバリエーションがないことも多いので、カラーが選べるのも嬉しいポイントですね。

続いては各種ボタンについて。ボタン数は「IntelliMouseExplorer3.0」から変更なしの計5ボタン。左右クリックとスクロールボタン、サイドボタン*2という構成です。

左右クリックは昨今のマウスとしては若干硬め。しかしながら、明瞭なクリック感で誤クリックが発生しずらい印象でした。
逆にホイールボタンは若干柔らかめ。昨今のゲーミングマウスではホイールクリックが硬めなマウスも多いので、この点は嬉しいですね。
ホイールスクロールも柔らかいながらも、明瞭なクリック感と回りすぎない軽めの操作感で非常に使いやすいです。
左右ボタンは固くもなく柔らかくもなく、現代のスタンダードといった印象。「IntelliMouseExplorer3.0」よりもクリック感が増して操作性が向上しているような感覚があります。

続いてはケーブル。「IntelliMouseExplorer3.0」や「Classic IntelliMouse」は通常のビニール巻きでしたが、ゲーミングマウスらしく布巻きに変更されました。
ケーブルそのものの硬さも過去の2製品より柔らかくなっている気がします。個人的な感想としてはマウスバンジーを使用しなくても十二分に快適、使用すると更に快適といった印象です。少なくともマウスバンジーが必須な硬さではありません。

最後に紹介するのは目玉のセンサー。本製品ではゲーム用センサーとしては最高峰のPixArt「PAW3389PRO」が搭載されました。「PAW3389PRO」は多くのゲーミングマウスに採用される高性能センサー「PMW3389」のカスタム品のようです。
センサー性能としては解像度が16000dpiまで対応、ポーリングレートは1000Hz、トラッキング速度は400IPSとゲーミンググレードとして相応しい性能となっています。

また、「ClassicIntelliMouse」とは異なり直線補正を解除することができるようになりました。一般にゲーム用途では直線補正が好まれないので、この変更は嬉しいですね。

個人的に一番評価しているのはLOD(リフトオフディスタンス、マウスを持ち上げた時にセンサーが反応しなくなる距離)を最適化できるカスタムキャリブレーション機能が搭載されたことです。
素早い操作が求められるゲーミングマウスではLODが短いに越したことはありません。LODが短ければ、マウスを持ち上げた際に意図しないカーソルの動きを抑制してくれます。しかしながら、LODが短すぎると通常のマウス移動でもカーソルが反応しない等、調整が難しくメーカーの技術力が試される部分です。
「Pro IntelliMouse」ではカスタムキャリブレーションを使用することで、私の環境ではLODを約0.9mm程度まで短くすることができました。これはゲーミングマウスとしてはトップクラスの短さで、意図しないカーソルの動きはまず間違いなく発生しません。にも関わらず、カーソルの飛びや反応しないといった現象が発生することはなく、非常に快適な操作性と正確なトラッキングを提供してくれました。

今回のレビューはいかがでしたでしょうか？
個人的な感想としては特にセンサー性能が素晴らしく、トップクラスのゲーミンググレードと自信を持って言えるマウスに仕上がっていると感じました。
形状も多くの「IEクローン」と呼ばれるマウスを生み出した「IntelliMouseExplorer3.0」を踏襲していることから、万人に使いやすいゲーミングマウスの新たなデファクトスタンダードとなり得る力を秘めているマウスだと思います。