川内有緒(かわうちありお)

生まれ変わったら冒険家になりたいと思いつつ、フランスとアメリカ、日本で計12年働いたあと、今は本やエッセイを書いて暮らす。趣味は旅と本とDIY小屋づくり。知らない場所、知らない人々を求めてずっと旅を続けたい。1児の母。著作いくつか。「空をゆく巨人」で開高健賞受賞。

沖縄の「くじらブックス & zoo cafe」にて

一週間ほど沖縄にいっていた。
この時期の沖縄は毎年恒例で、今回で8回目。
いつもはただ泳いだり、遊んでいるだけなんだけど、今回はちょっとお仕事も。去年ふらりと立ち寄った素敵な本屋さん、くじらブックスさんでトークイベントもしたのだ。てへへ。

急遽、私の大学時代からの友人ツチヤ・ヨースケも「俺も沖縄にいきたい」と軽すぎるフットワークでは岡山からきてくれたので、二人で話すことになった。みなさんもうご存

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偏頭痛とヨガとわたし

急に暑くなった五月の午後、外で作業をしていたら頭の中でがーん、がーんと鐘がなりだし、ぐおおおーと急激な偏頭痛が始まった。それからは、もうご飯も喉を通らず、身動きもとれない。できることは、ただ寝てることだけ。

左側の奥がじんじんと痛み、痛みが体全体を麻痺させていく。

ごーん、ごーん、ぐわーん、ぐわーん。

「ママ、冷えピタだよ」

 そんなとき、四歳の娘が「冷えピタ」を渡してくれる。

「ありが

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私のパスポート、どこ?(今日の娘との会話)

ママ、パスポートはどこ?と4歳の娘は聞いた。
「パスポートってなんのこと?」
「ほらポテトとかアイスとかもらえるのだよ」
娘は秘密の話でもするように小さな声でそういった。

ああ、あれのことか。
「ええと、どこだろう?」

さかるのぼること1ヶ月、5月の半ばごろ、娘と私の二人で、保育園の帰りにファミレスの「ジョナサン」に行った。夫が遅くなる時、私たちは時々ジョナサンに行く。娘が頼むものはいつも同じ

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『牙 アフリカゾウの密猟組織を追って』

先日、小学館ノンフィクション賞の授賞式にいってきた。

授賞作品は、三浦英之さんの『牙 アフリカゾウの密猟組織を追って』。以前、『五色の虹』で開高健賞も受賞されている現役の朝日新聞の記者の方である。

私は、三浦さんと雑誌の対談させていただいたご縁で、今回、授賞式にお招きいただいた。審査員は高野秀行さん、三浦しおんさん、古市憲寿さん。

三浦さんは、「スーツがなかったので、ジャケットを買って着てき

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目の見えない白鳥さんとアートを見にいった vol. 2

この間、また白鳥さんとアートを見にいった。
前にも書いたけれど、白鳥さんは目が見えない。
だから、みんなでいろいろとおしゃべりをしながら一緒に鑑賞をするのだ。

今回訪ねたのは、リニューアルされたばかりの東京都現代美術館の開催さ『100年の編み手たち』。都現美に行くのは、なんと『木を植えた男 フレデリック・バック展』できたのが最後なので、もう8年ぶり。(ちなみに『フレデリック・バック展』は、心から

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波間に泳ぎだすように。

テープおこしを始めた。
70分のインタビューをちょっとずつ。
テープおこしは好きでも嫌いでもない。

パソコンのなかに新しいフォルターを作り、ファイル名をつけてテープおこしをはじめる。そのとき、なにかスイッチのようなものが押された感覚があって、ああ、いまこの瞬間に始まったんだなって感じる。

それでも、まだ「正式に企画が始まりました」とまでは言えない。企画が始まる前の、さらに前の段階が始まったとい

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