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『空をゆく巨人』の全文公開終了(3月31日)と99の感想のお願い

『空をゆく巨人』の全文公開を3月31日をもって終了します。

え、どうして? 急に? という方もいるかと思いますが、もともと、いつまでかは決めずに、えいっと見切り発車で始めた挑戦でした。いま、11月16日の公開スタートから時間が経ち、そろそろいいかな、うん、4月になったら次のチャレンジに進もう、という気持ちになりました。

えー!まだ、これから読む機会を温めていたのに、という方がいらっしゃいましたら、まだ一ヶ月半以上の公開期間がありますので、その間に読んでいただければと思います。ぜひとも。(また4月以降も、一部は公開を続けます)

ちょっと話が変わります。
先日、代官山蔦屋書店で、『一緒に冒険をする』を出版した西村佳哲さんと対談しました。そのなかで私は、著者と読者というのは、一緒に冒険をする仲間だと思っています、と話しました。

というのも、本というのは、誰かに読まれない限り、ただの活字の集合体にすぎません。現像されていない写真フィルムみたいなものです。本とは、誰かが手に取り、頭のなかで活字が再生され、その人の経験や感性ともに鮮やかに想像されることにより、初めて「物語」になるのです。だから、本を読んでくれる人というのは、一緒に冒険をする仲間。読まれたその数だけ、ひとつひとつ違う物語がある、そう思うとワクワクするのです。

そんな冒険仲間を少しでも増やしたい、欲を言えば、人々の冒険を綴ったここの本が、誰かの新しい一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しい、という気持ちで全文公開に踏み切りました。あれから、ウェブで読んだ方、本で読んだ方の両方から、たくさんの感想をいただきました。本当に、日々勇気づけられます。

いや、これが大げさではなく、本当なのです。ここのところ、私は、ちょっと悩んでいます。このままモノを書いていってもいいのかな、という気持ちが芽生えています。いや、書くこと自体は、自分の表現活動だから一生涯ずっと続けていくと思います。でも、こうして急激に時代やメディアが移り変わるなかで、本当に「本」という形態にこだわる必要があるのだろうか、という気持ちにもさせられます。本以外の方法でも、自分を表現する手段はあるのかもしれないから、それを模索してみようかなとも。それでも、私は一読書ファンとしてやっぱり本が大好きで、no book no lifeだから、今日も、いや、やっぱり本は自分の人生なんだよなあ、などとうだうだ考え続けています。

そんなことを友人に話したら、「なにを言ってるんだか、贅沢な悩みだね。悩む暇があったら行動しな!」と檄を飛ばされました。そうかもしれません。普段の自分は、まさに考えるより行動が先に立つタイプで、逆にアクションの勢いが良すぎるくらいなのです。しかし、ふと立ち止まりたいときというのは、それはそれで意味があるのだと思います。自分の悩みは、自分だけのもので、何かに気づかせようとしてくれる瞬間でもあります。そうだ、むしろ、もっと大切にしていこうと思いました。

思えば、国連を辞めて、ものを書き始めて8年。自分はまた別のものに進化しようとしているのかもしれません。本というものが私に与えてくれた、たくさんの素晴らしい出会いに感謝しながら。

いま改めてお願いがあります。

今日から3月25日までの間に、ツイッター(#空をゆく巨人)で本の感想を呟いてもらえませんか? 

ずっと前に読んだ方も、一度すでに感想を呟いていただいた方も大歓迎です。読みおわったよー、○○だった!だけでもかまいません。

その一言は、みなさんが想像する以上に、私や出版チーム、さらには「いわき万本桜」に関わる人々を勇気付ける力があります。本当に。こうして、せっかく本を通じて、普段ならば出会うことのない大勢の人と出会えたのだから、なにかまとまった形で残せたらと思うのです。

もしできれば、3月25日までに「99の感想」を集めたいと思っています。本にも出て来る通り、「9」は中国で「無限」を表す数字です。

福島県いわき市に遠い春の声が聞こえる3月の終わり、「いわき万本桜 春祭」が行われます。そこに、私は「99の感想」を持っていきたいのです。「春祭」は一年に一度のお祭り。そこで、志賀さんや、関係者のみなさん、いずれは蔡さんなどにも渡します(春祭に行ける人は一緒に行きましょう!)

同時に、呟いていただい感想は、出版チームが運営する『空をゆく巨人』応援アカウントでもRTし、99までカウントしていきます。

約8年前、原発事故の怒りを鎮めることを起点に始まったいわき万本桜は、飛行機からピンク色の大地が見える日まで続きます。みなさんの感想から頂いた感想が力となり、新たな本の章が生まれる、それはノンフィクションだからできること。
ぜひ、お待ちしています。

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