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沖縄の「くじらブックス & zoo cafe」にて

一週間ほど沖縄にいっていた。
この時期の沖縄は毎年恒例で、今回で8回目。
いつもはただ泳いだり、遊んでいるだけなんだけど、今回はちょっとお仕事も。去年ふらりと立ち寄った素敵な本屋さん、くじらブックスさんでトークイベントもしたのだ。てへへ。

急遽、私の大学時代からの友人ツチヤ・ヨースケも「俺も沖縄にいきたい」と軽すぎるフットワークでは岡山からきてくれたので、二人で話すことになった。みなさんもうご存知かとは思うけれど、ヨースケは、パリの59リヴォリを私に紹介してくれ、『パリでメシを食う。」の装画を描いてくれ、山小屋を作ってくれ・・・といまや友人を超越し、家族のような存在である。考えてみると、国連職員だったあの頃、「ねえ、59リヴォリのことを書きなよ」と度々行ってくれたのは彼なので、私を作家にしてくれた人は実は彼なのかもしれない。というわけで、ヨースケがいれば百人力、『パリでメシを食う』から『空をゆく巨人』までゆるゆると肩の力が抜けたトークになった。終わったあとは、みんなで「ゆんたく」タイム。オーナーの渡慶次さんファミリーの手作りのお料理や三線の演奏とともに、トークにきてくれた人もふくめて、みんなご一緒に。なんともほんわかした時間でした。

クジラブックスさんとの出会いもなかなかなもんなんです。
遡ること1年前、去年の沖縄は連日土砂降りの大雨モードだった。川内家の三人は、暇で暇で、寝っ転がって天井を見るのも、ハブとマングースの対決ショーを見るのも、雨の中で無理やり泳ぐのも全部が飽き飽きだった。そんなある日、見かけたのがこの本屋さん。私たちは、とにかく本屋さんを見かけると立ち寄らずにはいられない性分である。すぐに「行ってみよう」とそのドアをくぐった。これが、なんともいいセレクションなのだ。普段私は家の近所の「Tブックス」に行くのだが、こちらはベストセラーと雑誌ばっかりで全く欲しい本がない。しかし、くじらブックスさんの棚はまさに自分にど真ん中!

家族三人で本を買いまくり、夕飯にカレーを食べ、ゆっくりとお茶を飲んだ。最後に思ったことは、ただひとつ。ああ、いつかこういう小さいこだわりの本屋さんにも自分の本が置かれるようになったらなあ。ああ、私も頑張ろう! と思いつつホテルに戻った。

その翌日、私たちは久高島に遊びにいった。そして、その夜に『空をゆく巨人』は第16回開高健賞を受賞した。

こうして縁あって1年後には、同じ本屋さんでトークショーができ、みんなでゆんたくしているなんて、ちょっと感無量だ。そうだ、くじらブックスさんの近所には「ヤンキーと地元」の打越正行さんも住んでいらっしゃるとか。「打越さん、ふっと現れないかな」ってみんなで念を飛ばしたけど、残念ながら現れなかった。「暴走族が走っていると、打越さんがいないか見ちゃうんですよねー」(地元のかた談)(著者がヤンキーのパシリをしながら取材した「ヤンキーと地元」は衝撃的な本だった!)

思いがけない出会いがあるから旅は最高だ。

美しい沖縄。優しい沖縄。私は沖縄が大好きだ。


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