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本をめぐる9つのキャンペーン バタバタとした不器用な泳ぎでも、岸辺ににたどりつくのかな

この時代、本当に一冊の本を売っていくのは、大変なチャレンジ、とヒシヒシと感じている今日このごろ。とにかく、バタバタとした不器用な泳ぎで、日々どこかにたどり着こうとしている。

おかげさまで、「空をゆく巨人」は、新聞や雑誌、ラジオ、ネット媒体、書評など、たくさんのメディアに取り上げてもらえた。朝日新聞、東京新聞、毎日新聞、共同通信、週間文春、週刊新潮、AERA、東洋経済、週間プレイボーイ、夕刊フジ、熱風、Forbes、ニューヨークタイムス日本版などなど。。。ただ、それがそのまま本の販売に繋がるわけでもないようだ、ということも改めて実感中。でもどうなるか予想がつかなからこそ、生きるのは面白いのかもしれない。

まあ、ノンフィクションって、ビジネス書とか自己啓発本のように人生に直接的に役に立つわけでもないし、本自体もやたらと分厚いし、となんか実際に買ってもらうのは難しいのだ。しかし、苦労してせっかく生み出した一冊の本。一人でも多くの方に読んでもらいたい。

何事も続けていかないと何も変わらないぞ、地味に日々やるべきことをやる、それだけだな。(というわけで、今週・水曜日は大竹まことさんのゴールデンラジオに出演! 壇蜜さんともお会いできるそうです)

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せっかくなので、今まで、やってきたこと、これから始まることを、ちょっと書いてみようと思う。正直、作家になって8年、こんなに全力で(売ることに)トライしたのは初めてだ。他の人に参考になるかはわからないけど、せっかくなのでシェアしてみたい。

<その1 全文公開>
発売前からnoteで全文公開チャレンジ。出版の10日前から、毎日1章ずつ公開していった(続行中)。その理由や背景はこちらでも。https://dot.asahi.com/aera/2018122000018.html


<その2 出版直前プレイベント (アリオのティーパーティ)>
出版直前にお茶の会と3日連続のトークイベント。パネル展示、インスタレーションや合唱ともりだくさんだったし、たくさんの読者の方や友人にあえて本当に素晴らしい3日間だった!トークゲストは、志賀忠重さん、P3の芹澤高志さん、そしてエツツの三人。満員御礼で大いに盛り上がった。

<その3 各種トークイベント>
トークイベントは、今後も続けていく。いちばんの重点地区は、当然のことながら物語の舞台のいわきと福島県。そして、次は大場さんの故郷の山形。その二つのあとは、前から行きたくてもなかなか行けなかった関西にも。

1)いわきでのトークイベント(ヤマニ書房ほか)

おかげさまで100人近いお客さんに来てももらました。

2)山形キャンペーン (いよいよ今週末!)

今週末から、八文字屋(1/26)、東北芸工科大学(1/25)、シベールアリーナ(3/16)などで講演・サイン会。
山形に関しては、メインテーマは冒険。大場さんと志賀さんというWスペシャルゲストが駆けつけてくれます。これは、他の場所ではぜったいできない。
 ※山形県は、この本の第三の主人公、大場さんの故郷の故郷です。

3)関西ツアー (大阪、奈良、そのほか)
 2月、3月で大阪梅田の蔦屋書店さん他、いくつか周ります。また詳細お知らせします。

4)その他の書店さんでの対談イベント(主に東京近郊)

 ■ 2/1 (Fri) 代官山・蔦屋書店(西村佳哲さんと対談) 
 ■ 2/22 大船・ポルべニールブックストア(『本を贈る』『つなみ』などの版元、三輪舎の中岡さんと対談!)

 ■ 田原町 readin writin ※終了(佐久間裕美子さんと対談は、12月に終了したけど、今後、ハフィントンポストに掲載予定)

<その5 手売りキャンペーン>

面白いなあと思う動きは、手売り。この本は最初から手売りが不思議な勢いを見せ、積み重なるとけっこうすごい冊数に。

1)自分→「アリオのティーパーティ」などのイベントの時を含め、現在約600冊。

このうちの約100冊ほどは、友人・知人で「売ってみたい!」という人に卸売。自分がもはや取次になり、間借り本屋さんのTsugubooksさん(20冊)や、岡山美咲町友人のカフェ、「キッサコ」(15冊)などにおろした(サイン入り)。(10冊〜随時お引受け中!ただ発送までにやや時間の余裕ください)

600冊ってけっこうすごい数字だと思うのだが、本当のことを言えば、そのうち、実は100冊買ってくれた個人の人がふたりも。母の友人で、Hさんと、もうひとりもHさん。周囲の知り合いや友人などに配ってくれたという。

そのほか、福岡のSさん(20冊)、大学時代の友人で安曇野に住む友人の祐子(15冊)、近所に住むSさん(10冊)、クライアント企業のN(10冊)、カメラマンの市川勝弘さん、友人の高野美緒子さん、田中裕人さんなどもたくさん買って周囲に配ってくれた。(みなさま、本当にありがとうございました!)

2)物語の主人公である志賀忠重さん
→なんとあっという間に1000冊達成!

これは本当に信じがたいな。本屋さんではない個人が、たった二ヶ月で1000冊。本の第1章のタイトルが「生まれながらの商売人」だったけど、本当にそうだったことがちゃんと証明されて妙に嬉しい。

3)マレーシア在住の小倉なおよさん
去年、「ちゃんと応援したい!自分で本を売ってみたい」と言ってくれた小倉なおよさん。誰かの本をかわりに売るというのは、なかなかできることではないと思う。ためしに10冊わたしたところ、あっという間に「全部売れたよー!」との報告。その後も、海外に住んでいるとは思えないフットワークで「もう10冊ちょうだい」と現れ、基本的に日本にいないにも関わらず1ヶ月で30冊を達成! ちょうど昨日「99冊まで売ろうと決めた!」とメッセージをもらった。ありがたすぎる。

「手売り大使」認定なり。

<その6 対談>
対談もいろいろとさせていただいている。またインタビューとは違う話ができて自分にも刺激的なので、これからも積極的にやっていこうと思う。

■ 宮下洋一さん(去年講談社ノンフィクション賞を受賞)、
■ 高野秀行さん(「辺境メシ」をめぐって文春オンラインで)http://bunshun.jp/articles/-/9771
■ 角幡唯介さん(「週間読書人」)NEW! 
https://dokushojin.com/article.html?i=4884&p=3

今後もまだ続く。
■ 佐久間裕美子さん(「ハフィントンポスト」予定)
■ 今後、三浦英之さん(「五色の虹」で開高賞受賞。去年の小学館ノンフィクション賞を受賞)も予定中。

<その7 書店めぐり&ポップ>
時間があるときに書店さんの挨拶まわりも、ちょくちょくとやっているのだけれど(写真は荻窪のTitleさん)、これに関しては、さほどできていないというのが実感。書店さんによっては冷ややかな対応なので、行っても迷惑かなあーと思い躊躇してしまっているのだと思う。もちろん温かな対応のところもあって、その時はほんとにほんわかした気持ちになる。

備忘録がわりに、いまのところご挨拶できたのは、東京堂書店(神保町)、有隣堂(恵比寿、目黒)、Title(荻窪)、ヤマニ書房(いわき)、鹿島ブックセンター(いわき)、ブックエース(いわき)、八文字屋(山形市)、蔦屋書店(代官山)。ほか三省堂書店や紀伊国屋書店、ブックファースト、など、10店ほどは、それぞれお売り場の様子を見に行ってみた。(相変わらず近隣のTブックスにはない)

(写真は鹿島ブックセンターさん。主人公本人登場!)

その他、取り扱ってくれている地方の書店さんや福島のブックカフェに感謝の気持ちをこめて手書きPopを送ったりなども。おかげで、福島や沖縄にも「有緒コーナー」が。


<その8 パネル展示>

アリオのティーパーティの時の写真パネル(記録写真、A2サイズ、20枚ほど)がその後はほとんど使われておらず、もったいないなあ!とツイッターで呟いたところ、去年、大船にオープンしたばかりの新刊書店、ポルべニールブックストアさんが「展示したい」ということで2月いっぱい展示先が決定。

3月からはまた展示場所を募集中(本のキャンペーンなので、基本的には書店さん、もしくは本をお取り扱いできる場所でお願いします)

<その9 アートキャンペーン!>
これからしかけていきたいのは、アート・美術の世界でのキャンペーン。

アートディレクターの北川フラムさんが共同通信に書評を書いてくれたり、毎日メディアカフェで横浜美術館の館長・逢坂恵理子さんと対談したり、と、アート界でもじわじわとした動きはあるものの、正直に言って、まだアートファンに届いていない感がすごい。先日も、巨大なアート本コーナーがある某書店に行ったのだけど、一冊も置いていなくてがっくり。美術館などにもまだ一冊も置いてもらってないし。

というわけで、実はいま、「山小屋」で展示したばかりのアートディレクター、永井 裕明さんに、アートファンにグサグサと来そうなチラシをお願いします、という無茶な以来でデザインを作ってもらっている真っ最中。いま最終調整中なんだけど、モノとしてもすごく面白いチラシになりそうで、ワクワクしています。

まだ蔡さんの作品みたいにドッカーン!と爆発はしていないけど、自分なりにあちこちで小さな爆発を起こして行こうと思う。いずれそれがなにになるかはわからないけど、蔡さんだってわからない中で自宅でおもちゃの花火をバラしていたんだもんね。(写真は蔡さんと、最初に無名時代の蔡さんをいわきに連れていったギャラリーいわきの藤田忠平さん、NYのスタジオにて)

以上、これでもすべては書ききれないけれど、一度ざっくり自分がやっていることをまとめてみたかったので、この辺で。

きっと、まだまだやれることはあるね。
まあ、無理せず、楽しみながらやってゆきます。

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