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あまのじゃくなわたしは自分より熱意を持っている人をみるとひるんでしまう。でもそんなこと言っていたらこの先何にもできない、だから自分の気持ちのおとしどころみたいなところをなんとか、見つけたいのだ、など考えながらぐんぐん歩いた。

ひとりで考えるとどうしても暗い方向にいってしまうな、よくないな。ひととしゃべるのはこわいんだけれど、でも一方こうしてひとを求めているのだ、と気づく。



山内マリコ「選んだ孤独はよい孤独」を読み終わった。これは男性側の短編集で、いちばんなるほどしたのが「女性は結婚に逃げられる」ということだった。そうなのだ、結婚から逃げられることもあれば、結婚に逃げられることもある。(逃げの対象になる結婚ってなんだ)

社会的にどんなに立場を追われても、子どもを産むことのできる女性は家庭に入って子どもを産んで世の少子高齢化に貢献する、みたいな感じだろうか。産むって女性だけの問題なのか、腹を痛ませ産むのは女性だからか、みたいなことを考えた、夜はしんしんふけていく状態。何はともあれ山内さんはさくさく気軽に読めていい。



週末、時間ができて映画でも、とおもいようやく重い腰をあげて、「いちごの唄」をみる。なんだか好きな作品にことごとく、石橋静河と泉澤祐希が出ている気がしている。

「悲しいときにひとがどんなものに癒されるかなんてわからない」(意訳)というセリフがよかった。悲しいから癒してくれるようなやさしい音楽が必ずしも求められるわけではなく、ときにそれはロックだったりパンクだったりするということ。そして路上で弾き語りしているのがサニーデイの曽我部さんでうれしい。最後に流れてくる銀杏BOYZ「いちごの唄」がもちろんよかった、よかった。

そのあと、25分だけだし、ということでこれも重い腰をあげて「点」をみる。よかった。邦画のじっとりした夏の空気がとてもすきだとおもう。

「好きだった人に再会してうなじの産毛を剃ってもらう」、そのストーリーにまず、ぐっときてしまう。お互い思っていること、言いたいことをなかなか言えないもどかしさがたまらなかった。これが2時間も続くとつらいのかもしれないけれど、25分だからかよかった。最後に流れるyonige「ワンルーム」、そのエンディング映像の写真も、見逃してしまうわざわざ写真に残すようなこともない日常の瞬間をとらえていてかなり好みだった。

何も起こらない映画があいかわらず好きだね、夫にいわれる。何も起こらない、ドラマにも映画にもならないような日常こそ慈しむのだわたしは。

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