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[文字起こし]SHOWROOM前田さん×コルク佐渡島さんのラジオ対談(後半)

【いいコミュニティとは、「いい出会い」を提供する場である】


こんにちは。

出張買取で売れたSurface(一番初期)の買取金額が、BOOK-OFFで売ったプレステ3の値段より2倍も高くてやっちまったと思っている、西川恭平です。


さて、先週に引き続き、ラジオ番組・SHOWROOM主義で行われた、SHOWROOM前田さんとコルク佐渡島さんのトーク後半戦の書き起こしです。

今回もむちゃくちゃ面白い話が聞けました!

その中で、佐渡島さんがコミュニティについて語られているんですが、「いいコミュニティとは、いい出会いがある場」とおっしゃっていて、確かにそうだなと。出会いは人だけではなく、モノやコトとの出会いもありますが、人は常にいい出会いを探しながら生きている、と。

エンタメの仕事に携わっていますが、世の中にこういった場をエンタメのコンテンツを通していっぱい作っていきたい、と思っている身としては、すごく勉強になりました。


ほかにも、本のタイトルの実験の話(伝えられないと広がらない)とか、歴史上における個人のとらえ方の変遷(個人という概念の変遷)だとか、学びが多い濃密トークでした。漫画『風雲児たち』、メチャメチャ面白そう!

あと、前半後半通して思ったのが、前田さんの相槌とか話の聴き方、いいなと。簡潔に要約したり、色んな言葉と感情、トーンで聴いてもらえると、話している方もうれしいですよね。これは真似しよう。


ではでは、書き起こしは、下記からどうぞ。

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前田:こんばんは。SHOWROOM代表の前田裕二です。この番組は、「夢」をテーマに、毎週多彩なゲストを迎え、活動の原点や夢を実現することなどをうかがっています。また、ライブ配信サービスSHOWROOMとTokyo FMがタッグを組んで、夢を追いかける人をリスナーの皆さんと一緒に見守り、応援しています。今週のゲストは、先週に引き続き、編集者で株式会社コルク代表、佐渡島庸平さんです。こんばんは。

佐渡島:こんばんは。

前田:佐渡島さんのプロフィールを簡単に触れておきますと、もう超絶優秀な学歴って言うんですかね。高校どこでしたっけ?

佐渡島:高校は灘高です。

前田:灘高。灘高校で、東京大学で、講談社に入るっていう、本当にまぶしすぎる経歴の持ち主なんですけれども、そこから、『バカボンド』だったりとか、『宇宙兄弟』っていうヒット作を担当して、そのあと独立、と。コルク、という作家のエージェンシーを立ち上げて、その後もヒットを生み続けていらっしゃる、超スーパーカリスマ編集者のわけなんですけれども。直近その特に売れている本をみると、本の中身もさることながら、そのコミュニティをきちんと上手に作って、そこのコミュニティに届けるってことが上手な編集者がたくさんヒット作を出しているように見受けられるんだけど、佐渡島さんがご自身も本を書かれていて、そのコミュニティ論を語られていると思うんだけど、そこを聞きたいなと。佐渡島さんが思う素敵なコミュニティとか、理想のコミュニティとか、永続しやすいコミュニティとか、コミュニティ論を聞かせていただきたいなと思います。本のタイトル、『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~』という本を書かれていて、「みんな居場所ない」、と帯に書いていて、コミュニティ論をまとめていると思うんだけど。

佐渡島:これはね、僕もタイトル言いずらいっていう。(笑)

前田:なるほど。(笑)え、これを英語にしようと思った意図はなんだったの?

佐渡島:いや、これね、僕の中でちょっと実験があって。英語とか、言いにくい本って絶対売れないんですよ。もう本当に壊滅的に売れないんですね。

前田:へぇ。タイトル大事なんだなぁ。

佐渡島:うん。で、僕が、著者がそういうことを言ったとしたら、編集者だとしたら「絶対ダメ!」っていうんですね。で、今回は、コルクラボっていう僕がやっているコミュニティと、箕輪編集室っていうコミュニティがあって、そこ発で出すから、僕が絶対ダメって言ってるものでも売れるんじゃないかと。広まるんじゃないかなぁという風に思ってやってみたんですよ。

前田:面白い!

佐渡島:でもね、やっぱりね、タイトル言えないとダメっすね。(笑)

前田:そうなんだ!学びがあったんだ。

佐渡島:なんかね、コミュニティの中の人も、僕と会ったときに、「あの最近の本読みましたよ!」って言って誰もタイトル言わないわけよ。それで、やっぱり言えないと広まらない。だから箕輪さんがよくさ、「白紙の本でも売る。」って言ってるじゃん?白紙の本でも、言えないタイトルがついてたら売れないね。やっぱり人と人がコミュニケーションとれないと、コミュニケーションの媒介にならないと無理だなぁ、という風に思うっていうので。

前田:なるほど。だから、略せる、とかが大事なのか。

佐渡島:そう。

前田:なるほど。コミュニケーションの媒介になるもんね。

佐渡島:そう。これはね、タイトルはやっぱね、過信したね、コミュニティの力を。

前田:なるほど。でも、実験してるのが面白いなぁ。

佐渡島:で、これは昔って、雑誌だったりとかテレビだったりとかで、安定的に情報を伝えることができていたのが、今やっぱり情報が全然伝わらなくなってて、例えば、宇宙兄弟好きで「絶対最新刊あったら買って読むんです!」って言いながら、この2巻くらい読んだことない人とかに出会ったりするんですよ。絶対好きで、書店行ってあったら絶対買うって言いながらも、もはや見つけられなくなってて、とかっていうことが起きてて。それで、もはやもうメディアを通しての情報が伝わらなくなってきているな、っていう風に思ってて。完全に人を介してじゃないと無理だな、という風に思ってて。さらに、メディアを介してのおススメっていうものが、メディアの一発信の力がすごい弱くなっちゃってるから、メディアで2~3回触れたとしても人が買ったりしないな、と思っていて。で、知り合いが2~3回言うと買うな、っていう風に思って、でしっかりとコミュニティが無いと売れないというか、新しい情報が伝わっていかないな、っていう風に思って。雑誌みたいな形で、コミュニティを作る必要があるな、と思って。だから、1,000人くらいのリアルなコミュニティがいるのっていうのが、昔で言うと3万部~5万部くらいの雑誌で情報が伝わる感じ、っていうか。雑誌でも全ページ細かく読んでいる人なんて全然いないから、コミュニティがあっても全部伝わるわけじゃないけど、その雑誌の巻頭特集は、その雑誌読んでる人は全員すごくよく知ってるっていうのと同じで、そのコミュニティでみんながむっちゃ話題にしていることはみんな知ってるっていう感じになって、その1,000人がそのコミュニティにどっぷり入っていると、その周りに全員5人とか10人とかいると、さっき言った3万人から5万人が知っているという雰囲気になるなぁ、というのが僕が今考えていることで。で、新人作家をサポートするときに、やっぱりね、僕が新人作家だとやっぱりジャンプで連載取りたいって思うと思うんだよね。いきなり読んでくれる人の数がどれくらい多いかって、すごい重要だから。それとおんなじで、そういうファンコミュニティみたいなものが初めからあって、新人のを楽しみにしていると、新人の生活が安定しやすいだろなって思って。

前田:そっか。じゃあそれこそ、Newspicks Booksとか、箕輪さんがやってるみたいなことは、ジャンプみたいなことだね。

佐渡島:そうそう。

前田:それこそ変な話、白紙でも読んでくれるような人たちがもういて、そこに投げ込むから、一定のアトラクションは得られると。で、いい中身を作れば、バイラルを生むからどんどん広がっていく、っていうことだね。

佐渡島:そう。だから普通ビジネス本を出すってなると、3,000部とか5,000部からスタートするけど、Newspicksだったら、始めからその本だったら読みますよ、っていう人が1万人から2万人くらいいてくれるっていう状態が作れてるから、Newspicks Academiaをはじめとして、そのコミュニティを作ってるなって思うよね。

前田:なるほど。これ、本以外の領域になんか転用できないのかなぁ。

佐渡島:本以外でも、音楽でも絶対いくし、、、

前田:絶対いくよね。なんか、本のほうがたぶん機能としてというか、必要性の高さが訴求しやすい、っていうのがあるんだろね。たぶんなんか、音楽も絶対可能性があるんだけど、なんかいま音楽で考えたときに、次に、例えばSHOWROOMが毎月、定額でサブスクしてくれている人に対して、SHOWROOMの演者の中のおススメの演者の曲をレコーディングしてお届けしても、いいか悪いかの、、、いいか悪いかというか、そこから得られる効用が、自分が払っている対価を超える可能性っていうのを感じにくいっていうか、判断できない、っていう。

佐渡島:それは、いまSHOWROOMがブランドがないからだと思う。

前田:なるほどね。

佐渡島:うん。アイドル、っていうブランドになっちゃってて、、、

前田:そっか。なんかもっと一般的な音楽好きな人とかのブランドであれば、、、

佐渡島:そう。アイドルの人たちって、複数のアイドルを聞きたいって思わないもんね。

前田:確かに。

佐渡島:だから1人だけでいいんだけど、音楽好きな人たちだったら、その中のサブスクってありだと思う。それで、やっぱりネットの中だと無限に無いとダメだっていう話になったりするけれども、この前、中国の「クァイカン」っていう漫画アプリの人と話してたら、もうすっごいユーザー数と売り上げになっているんだけれども、有るタイトルはたった2,000作品しかない、と。で、まったく1万とか2万とかタイトル数があるアプリよりも、売り上げが立っているっていう話をしてて。結局、どういう風なタイミングでいつ渡されるかのほうが全然重要だから、恋人の誕生日プレゼントだって、いつどういう風に渡されるのかのほうが重要じゃない?だから、コンテンツもいつどういう風に誰から渡されるかのほうが全然重要だから、それがしっかり設計されていると、コンテンツの量がすっごい無くてもけっこう課金が走るはずなんだよね。

前田:なるほど。

佐渡島:日本だと、「ピッコマ」っていうのが、作品数は全然少ないんだけどすごい売り上げ立ててて、「LINEマンガ」が圧倒的だけど、「LINEマンガ」はすごい品揃えだけど、それみてるとやっぱり品揃えが絶対重要なのかなって思うんだけど、「ピッコマ」みてると、品揃えよりもどういう風にいつ出すのかのほうが重要だなって思う。

前田:なるほど。佐渡島さんが考えるいいコミュニティというのは、ずばりどういうものですか?

佐渡島:なんか、「出会いがいい」、っていうのかなって思ってて。僕、生きるってなんだろなってことをやっぱ、よく文学っていうか作品を創ってるとよく考えるんだよね。それで、いい人生って、いい出会いといい別れがあるっていうか。絶対人は別れるしね。で、人っていうのは常に、人ともモノともコトとも、全部いい出会いを探してるんだなっと思って。それで、情報が氾濫してくる中で、急にいい出会いが難しくなってるんだなって思ってて。それで、ファンコミュニティみたいなものって、好きなモノとか価値観とかが一緒だったりしてて、それが結構、「言語化しにくいタイプの好き」が似てたりするから、その人を経由するといい出会いが多いことが多くて、それが今僕とかが作っているファンコミュニティの大きい価値だなぁ、と思ってて。

前田:なるほど、うんうん。いい出会いの提供か。

佐渡島:なんかね、空気をそろえるというか、空気をそろえるのってすごい難しいんだけど、好きを中心に集まってるとそれがすごい起きやすくて。なんか、例えば、どういう行為がおせっかいで、どういう行為が優しさなのかって、議論してすり合わせようと思うとすごい難しいんだけど、『宇宙兄弟』好きな人たちがあつまると、ちょうどおせっかいの具合がちょうどよくなりやすい、とかいうことが起きるだろうなって思ってて。

前田:まだまだお話の途中ですが、ここでブレイクで一旦、一曲をお届けしたいなと思うんですが、今週は何を流しましょうか?

佐渡島:今週は、スガシカオさんの「前人未到のハイジャンプ」。

前田:なるほど。これを選んだのは?

佐渡島:これはスガシカオさんのデビューアルバムの1曲目なんですよ。

前田:へー!知らなった!そうなんだ!

佐渡島:それでね、誰よりもハイジャンプしたいっていうふうに願う、クリエイターとしてのスガさんの思いがすごい伝わってくる歌詞で、僕はやっぱりいっぱい新人を育ててる中で、やっぱりこの曲は何度も思い出すというか。

前田:すごいいい話。これをね、一番最初のアルバムの一番最初の曲にしてるっていうのが、すごいいいよね。じゃあ、聞いていただきましょう。

(間奏曲:前人未到のハイジャンプ/スガシカオ)

前田:お届けしたのは、スガシカオで、「前人未到のハイジャンプ」でした。SHOWROOM代表の前田裕二がお届けしているSHOWROOM主義。株式会社コルク代表・佐渡島庸平さんと、「夢」をテーマにお話ししていきます。えー、最後のパートせっかくなんで、本のプロの佐渡島さんから、おススメの本を教えていただきたいなと思ってるんですが、最近なんか、面白かったな!、っていう本ありますか?

佐渡島:ほんとこの収録の直前に、『メモの魔力』読んでましたけどね。それは、面白かったー!、っていうよりも、僕が普段考えていることが言語化されているから、むっちゃ確認できた!、って感じだったんだけど、うなずきながら読むって感じでしたね。

前田:なるほど!

佐渡島:やっぱり抽象化と言語化については、僕すごい考えているから、もう少しね、Twitterとかでみているのだと、どういう風にメモを取るかとか、どういう風にペンを分けるかとか、そっちが多いのかなと勝手に思ってて。

前田:意外とね、そうじゃないところが多いっていう。

佐渡島:うん。で、そのけっこう抽象的なことを語っているのに、その具体的なことに落とし込んで世にアピールするっていうバランスのうまさがすごいな、と思ってて。

前田:なるほど!すごい抽象化能力!

佐渡島:あともう1個は、面白いなと思ったのが、『FACTFULNESS』っていう本。

前田:へぇ!買お、いま。

佐渡島:『FACTFULNESS』っていう本が、今僕たちが持っている常識っていうのが、どれだけ間違っているのか、っていうことを教えてくれるんだけども。やっぱり、時代って今までって簡単に変わらなかったんだよね。だから、100年たってもそんなに変わらなかったから、僕らの持ってる前提条件とか意識とかって、変える必要なかったんだよね。で、たぶん人間の脳って変えなくていいようにできてるんだけど、例えば、人間が飢えないように変化するっていう、努力してくっていうので、3,000年とか4,000年とかかけて、全人口の75%が飢えない状態っていうのを作ったんだよね。なんだけど、そっからたった20年で、いま世界中で飢えてる人ってたった5%しかいないんだって。で、例えば、前田君とか僕らが子供のころの感覚だと、世界にはけっこう飢餓がまだまだあって、とかっていう話だったんだけど、それがもう一気になくなってる。

前田:あと20年で?

佐渡島:ううん、この20年で無くなってたの。

前田:あー、なるほど。

佐渡島:それで、あと5年、10年で、もしかしたらそれも全部なくなるかもしれない、っていう感じで、この10年、20年で社会がすごい勢いで変化してて、それで僕らの持ってる、世の中はこういうものだ、っていう前提条件がまったく実はアップデートされてなくて、それが知識人であればあるほど、一回その情報入れちゃってるから、間違ってるらしいの。

前田:面白い!

佐渡島:だからなんか、アフリカとかではまだ文字読めない人がいて、本とか売れなかったりするんだろなー、と思ってて、ビジネスの外だと思ってたんだけど、実は、アフリカの人たちが結構まだ文字が読めないっていうことは全然なかったりとか。識字率がむっちゃ高かったりとか、そういう風な情報がいっぱい出てくる。

前田:すごい面白い。これ放送日の今日は11月12日なので、ちょうど昨日発売してるってことなのかな。『FACTFULNESS』。

佐渡島:そうですね。買えます。

前田:ぜひ、あの気になった方は、すぐ読みたい人は今深夜だと思うんで、Kindleでパッと買って読んでもいいし、本で買ってもいいし、読んでみてください。もう1つ聞いてもいいですか?

佐渡島:はい。10代に勧めるんだったら、『風雲児たち』っていう漫画があるんですよ。これ、江戸の歴史と幕末についての漫画で、すーごい長くて、一見かっこいい画じゃないから敬遠しちゃうんですけど、むちゃくちゃ面白いんですよ。

前田:買お。どう面白いの?

佐渡島:どういう風に人が歴史を動かしていったか、っていうのがわかる。で、やっぱり今ってホントに歴史を僕らも動かせる時代だし、ルールを作れる時代で、そのルールを昔作った人間たちがどういう風にふるまったか、早すぎて失敗したりだとか、そういうのも分かるし、あと僕がむちゃくちゃ面白いなって思うのが、歴史的にみるとすっごい重要な事件とかあるじゃないですか。

前田:あるね。

佐渡島:でも、それに参加している人間って、それが重要な事件だとか思えてなかったりするんですよ。

前田:あー!なるほど!

佐渡島:頑張ったりしてるけれども。そこまで重要だと分かってないと、結構その、例えば、ある暗殺を行う重要な人間が寝坊してこなかったりとか。(笑)1人だけ。(笑)なんか、寝坊とか遅刻とか忘れるとかが起きまくってるんですよ、歴史の中で。(笑)

前田:へぇーー!

佐渡島:なんか、人って重大な出来事があったら、ビシッと気合い入れてやってそうじゃないですか。でも、すごいそういう人間味のあふれる出来事で歴史って動いていってて。

前田:へぇーオモシロ!

佐渡島:だから、なんか構えすぎちゃダメだなって思って。淡々と歴史って変えていかなきゃな、ってすごい思うんですよね。

前田:なるほどー。確かに、その最中にいるときはまさかね、歴史を作っていってるって感覚ないもんな。

佐渡島:ホントにそう。

前田:早速買って入れてみた。

佐渡島:くっそ長いけどね。(笑)

前田:(笑)え、何巻まであるのこれ?

佐渡島:いや、なんかね、明治について話そうと思って江戸について話したら、それだけで30巻くらいになっちゃって、また話してて50巻くらいあって、で、文字も多くて内容も濃いから、1冊30~40分かかるんだよね。(笑)

前田:(笑)なんか、生配信ていうと、いつもゲストの方に、動画配信とかって興味ありますか、とか、やってますか、って聞いてるんだけど、ある?生配信やってたっけ?あ、でも作家の生配信1回トライしたけどね。自分自身ってなんか、、、

佐渡島:僕自身はやってないんだけども、生でつながっていくっていうのはすごい重要だなって思ってて。それで、うちではね、『ドラゴン桜』っていう作品をエージェントしてるんだけども。そこに出てくる桜木健二っていうキャラクターが、Vtuberとしてデビューするんだよね。

前田:なるほど。

佐渡島:それとかは、うちでプロデュースしているっていう状態ですね。

前田:中の人は明かさない?

佐渡島:中の人は、誰か不明。

前田:なるほど~。それは気になるなー。えー見に行きたい。もうコンテンツは出してるんだよね?

佐渡島:そう、どんどん出してってる。

前田:なるほど。わかりました。それは見に行きたい。まぁSHOWROOMは、確かにSHOWROOMもVtuberとかVRライブとかすごいやってるから、もしかしたらその桜木健二くんは、Youtubeだけじゃなくて、1つの出目として登場しても面白いかもしれない。

佐渡島:ね!生で一緒にやるときにコラボしてもいいし。

前田:ね!面白い。なんか、去年の暮れくらいに、前田裕子ちゃんっていうのが鮮烈デビューして、意外と女の子キャラの自分の人格を切り出したら、めっちゃアトラクションというか、意外とみんな楽しんでくれて、面白いなぁと思ったんだよね。これだけちょっと語って最後終えたいんだけど。結構このコンテンツの作り方って結構革命的だなって思ってるのは、僕とか箕輪さんは、例えばTwitterのフォロワーが8万人くらいですと。でもたぶん、この8万人って、普通にTwitterフォロワーが200万人とか300万人とか付いている人よりも、実働ベースっていうか人を動かすっていうベースでは影響力結構あったりして、だから、エンゲージメントめっちゃ高いっていう話なんだけど。でも、人が評価するのは、基本的にフォロワーの数っていう幅ですよねと。そのフォロワー1っていうのはあくまで1でしかなくて、その深さってあまりみんな評価しないよね、と。で、本来的には深さがあるから価値があるんだけど、それが幅に転換されていないからあまり価値が感じられていないっていうものを、CDていう媒介を通じて、深さを幅に転換したものがAKBだと思ってて。で、そのCDっていう、分かりやすく皆が売れたら、幅が出たらすごいって思うものだから、急にマス化っていうか、メジャー化したっていう分析があるんだけど。それでいうと、僕らみたいな、ある種インフルエンサーみたいな人たちの深さを幅に転換するための仕掛けとして、多重人格にするっていうのが面白いと思ってて。

佐渡島:なるほどね。

前田:要は、めっちゃ読書する要素を切り出してみたりとか、前田読み太郎みたいなものを作って、読み太郎君に10万人のフォロワーが付いて、僕に10万人のフォロワーがいて、それを10人格作ったらそれだけで100万人なわけで、それで合わせて100万人ってことができると、ただ単に幅を100万人持っている人とほんとにこう、世の中が分かりやすい形で肩を並べることができるな、ってことにさっきここに来る途中に気づいて。

佐渡島:うんうん。僕もね、それすごい感じてて。で、この複数人格の流れって、別にインフルエンサーだけじゃなくて全員に起きていくだろうなぁって思ってて。でさっきのね、『風雲児たち』が面白いのが、明治の時代って何なのかっていうと、江戸のタイミングの時って、個人っていう概念があんまりなかったらしいんだよね。で、明治時代に西洋文化の中で個人って言葉とともに生まれてきたんだよね。だから、それまでは、自分が何をしたいとか、自分とは何なのか、っていうことはあんまり考えてなかったんだよね。

前田:そっか。仕える人がいて、、、

佐渡島:そうそう。自分の役割とはなんなのかとかを考えてたんだけど。それが、今の時代になってもう1回個人が複数のある種、分人へと別れていってて、っていう風になってて。さっき言ってた読書が好きな前田君と関係する人とか、女性っぽい前田君と関係する人みたいな形で、様々な関係値の集合体としてもう1人前田裕二っていう個人がいるっていう状態で、個人が集団の中に溶けていた時代の変化が明治維新だとすると、もう1回個人っていうものがたくさんの人格と関係性へと溶けていく時代っていうのが今で、この時代の変化に個人の在り方っていうのが変わろうとしているのが、めちゃくちゃ面白いことだなぁって思ってんだよね。で、その文学の歴史を考えたときに、最も個人とは何かを考えて作品を出してた人ってのが、夏目漱石なんだよね。だから、僕はなんか、夏目漱石のおっきい再評価の流れっていうか、もう1回夏目漱石のベストセラーっていうものが来るんじゃないかなー、っていうのが、僕が漠然と感じている予想。

前田:絶対来ると思う!絶対来るなそれ!で、「うわー、これ言ってたわ佐渡島さん!」ってなりそう、来年。

佐渡島:なると面白いけどね。

前田:うん面白い!それやってほしい、絶対!ということで、まだまだ聞きたいことは尽きないんですが、最後は「夢」というキーワードで締めくくりたいなと思っておりまして、これからまさに作家とかミュージシャンとかクリエイターとしていきたいなって思っている人でもいいし、ビジネスマンでもいんですけど、なんか目標に向けて頑張ってる人に最後メッセージはありますか?

佐渡島:そうですね。夢って語るよりも、やっぱり今すぐ目の前で一歩を動き出すっていうのが、ホントに今の時代重要だなって思ってて。

前田:なるほどね。

佐渡島:うん。ほんとにね、先に動き出すっていうことが重要な時代になってきたなって思うので、ぜひ動いてください、と。

前田:そっか。夢って思ってるとなかなか、夢が遠いものであるから、それが日々の行動と紐づかないですもんね。

佐渡島:そう。夢っていう言葉の中に入れちゃうと、ちょっと置いといていいところになっちゃうからね。

前田:確かにね。重要度は高いんだけど、優先度っていうか緊急度はめっちゃ低そうな感じになるから。夢っていった瞬間。

佐渡島:そうそう。

前田:確かに。だから、自分の中で今すぐやるんだ、緊急的にやるんだってことに何か置き換えれば、自ずとと夢も近づいてくるのではないかということですね。

佐渡島:うん。

前田:素晴らしい。ありがとうございます。なんかこれ、毎週佐渡島さんとやりたいくらい、ほんとに楽しかった!

佐渡島:俺も楽しかったよ。

前田:めっちゃ勉強になってるし、すごい素敵な回でした。ありがとうございました。

佐渡島:ありがとうございました。

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いじょー

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