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Little Life Labの1年を振り返る

2019年1月にスタートしたLittle Life Lab
暮らしのちいさな実験室と名付けたこの場所に、1年間でさまざまなメンバーが集まってくれました。

洋服がどんな風にできるのか、そこにどんな仕事があるのか、どんな風に服を買い、服と関わっていくことができるのか、そんなことを考えながら様々発信してきた数年間。

それをきっかけに、服だけでなく暮らしのなかで触れるあらゆるものに対しても、同じように関心が向くようになりました。

それは、自分の暮らしを考えることであり、ものづくりを考えることであり、自然との関わりを考えることであり、働くということについて考えることであり、興味も疑問もつきない探究の道だということに気がつきました。

そこで始めたのが、このラボ。みんなで一緒に不思議がったり面白がったりできる場所があったら楽しそうじゃないかと思ったのでした。

1年経って、ラボで引き続き大事にしたいと思ったことは、この4つ。
・結論を保留していい議論
・身体で体験すること
・受け取ることと出すことのバランス
・小さく試すこと

1つずつメモ。

・結論を保留していい議論
何かについて話すとき、わたしたちは結論やオチが必要であるという期待を勝手に背負ってしまいがち。だけど多くの場合、答えがシンプルでないから誰かと話したいのであって、すでにある答えらしきものを知りたいわけではない。正論を横に置いて、だらだら話し続けるという意志を持ちたい。その中で、自分の考えがふわりと形を変えたりしたらなおたのしい。

・身体で体験すること
ゴロゴロしてても食べてても歩いてても、頭は動き続ける。あーでもないこーでもないと考え続ける。考えばかり膨らむと理想的になりすぎたり、批判的になってしまったりする。そこに身体を動かして得た経験が加わると、地に足をつけて、というか、身の丈で、というか、リアリティを持って考えることができる。

・受け取ることと出すことのバランス
情報はいっぱいある。あっちもこっちも、面白そうな情報が並んでいる。情報を得ることは難しくない。難しいのは、受け取ったものを咀嚼して考えたり動いたり、自分なりに出すこと。誰が見ているかわからない場所に書くのはハードルが高いし、1人で何か書くにも続けるモチベーションが必要だけど、クローズドで、ある程度前提が共有されていて、何かしらのリアクションが必ずある、ここなら出してもいいかな、と思える場所にラボがなれたらいい。

・小さく試すこと
習慣や生活をガラッと変えることは難しい。ちょっとやってみて、「やっぱ無理だな」とか「あ、意外といける」とか「このくらいだったらできる」とか小さな実験の連続で自分なりのバランス感覚を育んでいける。いっしょに試行錯誤できるなかまがいるって嬉しい。

“情報”はいろんなところで得られるからLittle Life Labは関わることであたらしい“状態”になれる、そんな場所でありたいなぁ、と。

例えば、いつもだったら通り過ぎてしまう疑問を無視しないとか、気になったままほったらかしていたことを掘り下げてみるとか、そういうの。ほんのちょっと自分の状態(モード)が変わるだけで、日々の生活も変わるかもしれない、というような考えがラボの運営チームにはあります。


以下は、この1年間の活動のまとめです。
Little Life Labへの参加をご検討されている方は、参考までにご覧ください。
次回は2020年2月に15名の新規メンバーを募集する予定です。募集開始時にSNSで告知もしますが、事前案内メールにご登録いただけると募集開始時にメールが届きます!ぜひ!

2019年の振り返り、ひとつずつ書きたい感想があるけど、とんでもない長さになるのでここでは出来事だけ。

まず、イベント的に大きく取り組んだこととしては、旅の企画。鎌田がHISさんと共同で年に1-2回のペースで開催している「めぐる旅」という、ものづくりの現場を訪ねる旅を、ラボメンバーとともに企画しました。

(ラボメンバーは、世界日本各地にいるので基本オンラインでも繋ぎます。画面奥のPC。zoomをフル活用。)

そして実現したのがモンゴルの旅。遊牧生活とものづくりの現場を訪ねました。

海外編に続いて、国内編めぐる旅の企画は現在進行中。個人旅行でもパッケージツアーでも得られない経験をどうつくるか、みんなで考えます。

そのほか、味噌を仕込んだり、海苔漁に同行させてもらったり、ビーチクリーンに出かけたり、化粧品の成分を学んだり、さんぽやサイクリングでいくつかの街を訪ねたり。陶芸や廃材の活用や、ほかにも色々。運営メンバーが企画するものもありますが、基本はメンバー誰かの提案だったり、雑談のなかでぽろっと生まれた企画ばかり。

秋にはキャンプ。ゼロウェイストをコンセプトに、いかにキャンプのたのしみを損なわない範囲でゴミを減らせるか実験したり。

暮らしの中で使う洗剤やシャンプー、歯磨き粉歯ブラシなど、何を基準にどう選ぶ?が悩ましいものたちをみんなで使い比べてレビューする実験企画は日々進行中。

ラボ内連載もスタート。メンバーそれぞれの視点で、それぞれのテーマで定期更新される読み物、とてもとても面白いのです。

Little Life Labメンバーがすてきだなと思う方、またメンバー自身にインタビューした記事も定期的に更新されます。記事はこちらから、メンバー以外でも読むことができます。

ラボの中には「種の部屋」「実験アイディア」「雑談と相談と」といったページがあり、そこではいつでも、何かを話し合ったり、アイディアを募ったりします。

「LLL図書館」「LLL映画館」「LLL美術館」というページでは、オススメの本や映画や展示の情報を共有します。

「ゆずる・もらう」というページでは、手放そうと思うもの、あたらしく買おうと思うものを投稿して、メンバー内で循環できるものがないか聞くことができます。

あぁ、書き始めるとキリがないけれど、日々日々、何かが静かに繰り広げられている、そんな場所です。みんなそれぞれに日常が忙しいから、その日々にそっと重ねて続けられる、そんな温度感でありたいなと思っています。

クローズドなコミュニティは、ともすると何か一つのことや人を信じ込んでいく力を持ってしまうけど、できるだけそうならないように、こざっぱりしたテンションで愉快にどっしり続けてゆきたいと思います!2年目も、よろしくお願いします!

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