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岡村晴美弁護士スピーチ①(4.27 #さようなら自民党政治)

4月27日に開催された「#さようなら自民党政治」での岡村晴美弁護士のスピーチを掲載します。
(小見出しは編集者による)


動画はこちらから 0:29:30~
https://www.youtube.com/watch?v=gZTeY_fmrVY&t=1770s


皆さん、こんばんは。弁護士の岡村晴美です。名古屋から来ました。
今日は、共同親権の問題についてお話したくて、ここに来ました。
よろしくお願いします。

DV被害者支援の現場への最悪の逆風 共同親権問題

法律上は、困難女性支援法が成立して、DV防止法が改正されて、刑法も性犯罪規定の改正がされました。貧困や暴力にさらされている女性の支援法は、非常に画期的に進んだと思います。
しかし、DV被害者支援の現場は、これまでにもない最悪の逆風を受けています。それが共同親権問題です。

「実子誘拐」という言葉をぶつける人たちが目指す制度

今、ワンオペ育児でモラハラも横行しています。養育費の不払い率は7割を超えて、シングルマザーになるということは貧困になるということです。
しかし、勇気を出して子どもを守るため、自分の尊厳を守るために、勇気を持って家を出た人たちにどんな言葉がぶつけられているかといえば、「連れ去り」「実子誘拐」、そういった言葉で非難する、そういう言葉が溢れています。
その人たちが目指す制度、それが共同親権制度です。

別居・離婚後も続く嫌がらせ Post-Separation Abuse

単独親権制度のせいで子どもに会えないと言われますが、それは全く親権とは別の問題です。2011年以降、家庭裁判所は面会交流を積極的に推進してきました。
離婚後も面会交流の調停や審判が何回も繰り返されて、地裁での損害賠償請求を起こされたり、誘拐罪で刑事告訴されたり、児童相談所に言われなき通告を受けたり、嫌がらせのやり方がネットで拡散されています。
支配や復讐を理由とした嫌がらせが別居後にも離婚後にも続いていて、それが子どもを利用した形でやられている。
そういった言葉が日本にはありませんが、英語ではPost-Separation Abuse。司法を使った嫌がらせのことは、Post-Separation Legal Abuseという言葉があって、社会問題になっています。日本もその入り口に、いや、すでに入っています。

学区内の引越しも、別居親の許可をえないと損害賠償の請求に

現行法では、離婚後の同居親が親権を行使する場合、単独でもできるし、一緒に相談しながらやることができます。しかし、今の改正法になると、共同親権制度が導入されて共同親権が適用されると、離婚後にも共同で決定しないと違法になるということになります。
例外的な場合だけ許可を得なくてもいいと言うのですが、国会の審議によれば、髪の毛を染めるのは日常に関する事項だから許可を取らなくてもいいけれど、中学生が金髪にする場合は進学に差し障る可能性があるので許可が要ると言っています。学区内に引っ越しても許可が要ると、離婚後も常に許可を取らないと後に批判とされ、損害賠償請求の対象となります。
単独行使ができるのか、単独で行使すると違法になるのか、というのが共同親権制度の正しい捉え方ですが、それを国民の皆さんはちゃんとわかっているでしょうか。

"知らんうちに通してまえ"と成立を急ぐ共同養育支援議連

今の国会で共同親権制度の導入がなぜこんなに早いスピードで進んでいるのかと思う方もいらっしゃると思います。それについては、共同親権を推進する議連の会長の柴山昌彦衆議院議員が昨年10月こう言っています。
埼玉県の留守番条例の炎上からの撤回を見て、最適解は法務省をたたき台を改良し一刻も早く成立させることと確信した、とツイートしているのです。
要するに、"知らんうちに通してまえ"ということです。
共同親権制度の賛否はさておいても、この"知らんうちに通してまえ"という一点のみをもってしても、自民党政治は終わらないといけません。

共同親権制度については野田聖子さんはじめ、自民党の中にも心を痛めてくれている議員さんがいることを知っています。
しかし、それをもって余りある、党としてのやり方が横暴すぎて許すわけにはいきません。

反対派・慎重派は少数派ではない

もっと言えば、反対派・慎重派は少数派でもありません。8000通も寄せられたパブリックコメントは個人の意見の3分の2が反対だったんです。
この問題は当事者が声を上げにくい。だから弁護士が声を上げるしかないけれど、弁護士が声を上げれば攻撃を受ける、すごいひどい業務妨害に遭う。
そしてネット上では「実子誘拐ビジネスをやっている」、それから「養育費ピンハネ」だ、「公金チューチュー」だ、と。「金に汚い弁護士が家族解体を狙って国家転覆を狙っている」。
そういった誹謗中傷があってビジネスやってるんだと言っている、その共同養育推進議連の会長の柴山さんは裏金議員じゃないんですか?

「私は、依頼者であるDV被害者・虐待被害者を、法律で守りたい」

衆議院を通過してしまい、ここから共同親権を廃案にするということは、とっても難しいことだなんてことは、弁護士だから知っています。笑う人もいるでしょう。

けれど、ごめんなさい。
私は自分の依頼者である、DV被害者・虐待被害者を、法律で守りたい。
法律で殴るような、その法律ができることによって苦しみが増すような、そんな法律にしたくない。

こんなくらだない法律は廃案に

どうか皆さん、まだ参議院があります。どうかご支援いただいて。
このくだらない、本当にくだらない、髪の毛を金髪に染めるのにも許可がいるだなんて。こんなくだらない法律をどうか廃案にするように、力を貸してください。よろしくお願いします。


お読みいただき、ありがとうございました。

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