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共同親権からDVケースを除外できるのか? ―死者が出るようなケースでも面会交流を命じている裁判所の現状―

1月16日、「離婚後共同親権」から子どもを守る実行委員会が、法制審議会家族法制部会の要綱案取りまとめに反対し、DV被害当事者の声を発信する記者会見を開催しました。
この記事では、支援者の立場からの補足発言として、全国女性シェルターネット 山崎事務局長のお話を取り上げます。

法制審議会の委員には、DV被害の当事者も支援者も入っておらず、学者と官僚らによる「DVは共同親権から除外」という「机上の空論」がまかり通っています。そして、「裁判所が判断できるのか?」「誰がリスクアセスメントするのか?」という具体論は放置されたままです。


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全国女性シェルターネット 山崎事務局長の発言

「裁判地獄」 さらに共同親権で新たな争いの種が増えたら…

繰り返される裁判・調停の負担について、「どこまで続く『裁判地獄』」として、当事者からお話がありました。極端な例のように思われるかもしれませんが、面会交流で高裁まで争うケースは決して珍しくありません。私たちの相談支援の現場でもよく聞く話です。
面会交流だけでなく、養育費の減額、財産分与、果ては、同居中に使った物品の対価、子どもの学費を返せなど、理不尽な裁判も多くあります。
ここに共同親権という新たな争いの種が増えたら、いったいどうなるのか?と思います。

DV加害者は証拠を残さずに追い詰める

また、DVの証拠を取れないという話もありましたが、今は加害者の暴力は巧妙化しており、殴る蹴るだと跡が残るので、証拠が残らないような追い詰め方をしてきます。
精神的なコントロールは、直接、手をくだすことよりも、もっと恐ろしい結果を生むことは、皆さん、様々な事件や裁判を通じてご承知ではないかと思います。

死者が出るようなケースでも面会交流を命じている裁判所

そして、どうやってDV・虐待ケースと認定し、除外していくのでしょうか?
日本には、DVケースの認定機関はありません。あるのは相談機関だけです。それも、逃げるか離れるかして、やっと支援が受けられるものばかりです。
DVがあるから共同親権の対象外だ判断するのが最終的に裁判所だとすれば、死者が出るようなケースでも面会交流が出ている現状なのに、共同親権になったかといって、突然、裁判所の対応が変わるものなのでしょうか?

誰がDV加害者のリスクアセスメントをするのか?

そして、誰が加害者のリスクアセスメントをしてくれるでしょうか?
このリスクアセスメントについても、法制審議会では何も議論されていないということに非常に危機感を覚えています。


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