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あなたが上るのは、階段か、エスカレーターか。

スウェーデンと、フォルクスワーゲンがCSRとして取り組んだ事例
『ファンセオリー:階段』

あなたは、どちらを選ぶだろうか?

人は「エスカレーター」と「階段」が併設していたら、ほとんどが「エスカレーター」を選択するだろう。なぜなら、便利だから。

それにより、エスカレーターは渋滞するし、歩かないので不健康になる。現代社会にありがちな、大きな課題である。

その課題解決として、フォルクスワーゲンは、ストックホルムにあるODENPLAN駅の階段にピアノ鍵盤を埋め込んだら、どうなるか。という実験を行った。

この実験では、なんと66%の人が“階段”を選んだようだ。

これほどの結果になったのは、エスカレーターの便利を超えるものがあったからだろう。
動画を見るとわかるが、階段を見て、気になった瞬間に吸い寄せられる。
そして、階段を何段か上がると、みんなが楽しそうに使っている。
つまり、楽しさがあれば、つらいはずの階段ですら選ぶ。ということである。

さらに、面白いなと思ったのが、踏むことで音が出るところ。
1ステップ目はわからなかったが、2、3ステップ踏むとでメロディになり、次第にリズムを意識しはじめる。気づけば頂上まで進んでおり、なんだか名残惜しく感じる。
そういう気分になっていたら、次は降りるためにほぼ確実に利用するだろう。もはや階段は楽しいものとして認識しているので、退屈なエスカレーターを選ぶ理由が無い。という意識と行動を一気に変える力がある。

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また、楽しげなメロディが流れていると人は寄ってきて、多くの人の満足度が高まる。そうやって満足度が高い人によって、クチコミが拡がると、遠くから訪れる人もいるだろう。きっと名所になるはず。
と、思ったらJR岐阜駅にもピアノ階段があるようです。

最後に。
この実験が素晴らしいのは、単純に楽しいだけではないところ。
「楽しい体験」に加え、「健康になる」も階段1つで実現できている。
任天堂の宮本茂さんの言葉で例えるなら、複数の問題を一気に解決する見事なアイデアだと思いました。

「アイデアというのは 複数の問題を一気に解決するものである」  ー 任天堂 宮本茂


【動画】ファンセオリー:階段

【動画】JR岐阜駅


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