基本的な調香テクニックをご紹介。
今回は実際に僕が具体的にどの様に考えながら調香を行っているのかをご紹介していきたいと思います。
今回は僕の運営するオーガニックサロンEMUCLARETで使用するおしぼり用の香りを作ってみました。
おしぼりに使われるアロマの香り(ミントやレモンなど)これはこれで良いのですが、更に特別感を感じられるブレンドをご紹介していきたいと思います。
まず調香する時はテーマを決めます。
今回はおしぼりに使う香り。
おしぼりに使うアロマの基本は食べ物や飲み物の邪魔にならない事と、手の除菌も行える事、ここは抑えておきます。
精油の基本的な知識はアロマセラピー検定の勉強をすればきっとすぐに覚える事が出来ます。
フレグランスの調香とはまた違う知識となりますが、それぞれのお花やハーブなどの特徴をまずは知っておく事が香り作りにおいて必ず必要です。
そして今回のもう一つのテーマは特別感のある香りという事で普段はなかなか香る事のない様なブレンドを作ってみたいと思います。
僕が香りを作る時はしっかりとナチュラルに香らせる事を基本としているため
30mlボトルに賦香率30%
という内容で作っていきます。
香水だとパルファムと呼ばれる香りの持続性の高い物とされていますが今回は分かりやすいブレンドにするため合成香料は使わないため、この賦香率でも自然に香るほどの強さに仕上がります。
top
bergamot 35%
black pepper 10%
cypress 5%
middle
jasmine 5%
lris 10%
base
hinoki 15%
sandal wood 15%
frankincense 5%
この様なブレンドの割合。
特別感と言うところでヒノキの和のテイストと、イリスの洋のテイストのミックスを考えました。
イリスは日本ではアヤメと知られており、イタリヤやフランスで栽培されており香料としてはフローラル調でありながら高級石鹸の様なパウダリーな香りを放ちます。
合成香料にもイロンと呼ばれるイリスに含まれる成分の香りがあるため安価に手に入りますが、精油のイリスの方が格段に心地良さと高級感が感じられます。
ちなみに僕はイリスの香りがとても好きです。めちゃくちゃ高価ですが、、
このイリスのパウダリーさとヒノキの透き通る様なウッディーな香りをメインと考えました。
まずこの様にテーマからメインとなる香り、骨格を決めた後、今度はその香りをどう引き立てて行くか、奥行きを出すかを考えます。
今回ここに爽やかさと重厚感のあるウッドをプラスする事でヒノキとイリスがトップからベースまで香りながらもおしぼりを使う時にリラックス、リフレッシュする事が出来る組み立てを考えました。
まずはトップノートにベルガモット。
ブラックペッパーとサイプレスを少しアクセントにつける事でヒノキの香りをよりクールにし、爽やかさを演出します。
グルマン系、シトラス系、フローラル系とどのブレンドにも言える事ですがスパイス系のアロマをほんの少し入れるだけで香りに奥行きを作る事が出来てお洒落さがとても増します。
ベルガモットにカルダモンは僕が最も推している組み合わせです。
イリスにはほのかにジャスミンサンバックアブソリュートをブレンドする事でパウダリーになりすぎない、落ち着きのある華やかさをプラス。
サンダルウッドでヒノキとは違ったどっしりとしたウッドな香りに反して軽やかなフランキンセンスをブレンド。
それぞれが調和し、おしぼりに吹きかけて皆が使う頃にはほのかなヒノキの香りに、どこか爽やかな印象のある癖のないパウダリーな香り、使い終わって手に残る香りは心地良さを感じるほどのパウダリーさとウッディさのある香りとなっているはず。
調香テクニックに基礎的な事はありますが良い香りに仕上がればそれが正解です。
もちろん皆が良い香りだと思う香りは存在しませんが自分が決めたテーマに添えているか、ターゲットに上手くハマるか、トップからベースまで綺麗に香るかどうか、心地良い香りかどうか、自分が納得出来るかどうか
自分の場合はこの様なポイントで判断し、細かな香りの修正を行なったりテストを繰り返し日々訓練をしています。
ぜひこれから香り作りを行いたい方は参考にしてみてください。
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