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HSPとは⁉HSPのわたしが心がけていること

 アロマブレンドデザイナー・アロマ講師のカタミマキです。
普段はアロマの講師をしていて、アロマやハーブの情報配信をInstagram中心にしております。

 あるときHSPであることを公表したところ、アロマが好きな方には繊細な方が多いようでご質問いただくことが多々あり、自分なりに勉強してきたことや気を付けていることなどを、もし悩んでいる方がいるとしたら役に立つかなと思い、文章にまとめてnoteの方でも発信しようと思いました。


Q 「HSP」との出会い
 わたしは特になにか具体的に困っていたことはありませんでした。
仕事の帰りにたまたま立ち寄った本屋さんにて「敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本」が平積みされているのを発見。
強烈なタイトルだなと思い、こういう本はどんな人が読むんだろうと立ち読みしたのがきっかけでした。

 立ち読みしてびっくり!そこにはわたしがそれまで違和感を感じていたことが書いてあったのです。じっくりと約1時間ほどそのまま本を読破してしまいました(もちろんその後それを購入しました)。
どうやら自分は人よりも敏感な感覚を持っているらしいと気づいたのがその時でした。

Q 自分がHSPだと知った後
 少しずつ自分の扱い方はわかってきましたが、HSPの人は周囲の環境や人の影響を受けやすいので、すぐさまそれを実践して生きやすくなった!というわけではございませんでした。特に当時の夫は非HSPでしたので、私はHSPなんだよと言ってももちろん理解してくれません。「お前はメンヘラなんだよ!」と暴言を吐かれる始末でした。

 その後、第二の本「気がつきすぎて疲れるが驚くほどなくなる 繊細さんの本」という本に出会いました。この本の作者もHSPとのことで、本の内容が染み渡るように、とても理解できました。


 そして自分なりに整理して、わたしの仕事でもある「アロマ」を使ってセルフケアし始めたところ、以前よりももっと快適に過ごせています。



 以下は自分なりにHSPを知り、またHSPの自分が普段心がけていることのまとめです。

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1.HSPの特徴
 HSPとは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した「Highly Sensitive Person」という概念です。日本語に略すと、「とても敏感な人」でしょうか。しかし、この訳からはいまいちHSPの特徴がわからないかと思います。
わたしもそんなに自分のことを「敏感だ」とは思っていなかったからです。せいぜい「感受性が豊か」だという程度でしょうか。

 なぜかと言えば、HSPの人は自然と「繊細に感じて、繊細に対応できる」からです。そこに敏感だなとかそういう観点はないです。

 HSPの人からすれば、他の人は「感じていないこと」「配慮ある対応が出来ないこと」が、まずは理解できていないと思うからです。
そのため、わたしはHSPの人は、「生まれつき繊細な人」と定義するのが一番しっくり来ています。

 「生まれつき」と書いたのは、後天的に影響を受けて変わったわけではないということです。私が赤ちゃんの頃は、夏の暑い時期には真夜中に号泣して泣き止まず、よく両親が私を負ぶって深夜の散歩に出ていたそうです。食べ物の好き嫌いも赤ちゃんの時からあり、離乳食を一生懸命作っても、食べずにぺっとよく吐き出しいたそうです。

 また、生まれつきの「気質」なので病気ではありません。お医者さんの診断を受けてHSPであることを名乗り始めたというわけではなく、自分には、周囲の人には、こういう傾向があるなと知って、付き合ううえで気をつけてくだされば十分と思います。

 「繊細な」ということは、自分の内外の刺激に対して繊細なことです。脳のシステムが刺激に対し鋭い反応するのです。理解できない方からすると「気にしすぎ」「完璧主義」と思われるかもしれませんが、自然と反応しているのでこれらとは違うと確信しています。

 ちなみに、日本には5人に1人がHSP気質の人らしいです。学生の頃の30名クラスですと、ひとクラスにつき6人ぐらいは居たと思うと結構いますよね。


 自分がHSPで困ったことは、「環境や人による刺激にとても影響されやすく、疲れる」ということです。強く意見を主張されたり、怒られたりするとたくさんあった自分の意見がまったく出てきません。楽しい予定で1日過ごしても帰ってきたらドッと疲れ、次の日起き上がれないぐらい疲れてしまうときもあります。

 また、まだ起きていない問題に対しても小さなリスクの時点で気づき、気になってしまうため「心配事も多い」です。


 一方、HSPでよかったこともたくさんあります。

 五感を通じて自然の美しさを味わうチカラがあり、天気がよいだけで心地よく幸せを感じます。
街であった些細な出来事、誰かのやさしさに幸せを感じ、

 また、自分が提供する場合にも、繊細な気配りができ、丁寧なサービスができることです。

 HSPの人はとっても良心的で優しい方が多いと感じていますが、HSPで困ったことを「治す」のではなく、HSPで良かったことを「生かす」ことが大切とわたしは感じています。

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2.HSPの人の人間関係
 HSPの方は繊細なあまり、人との関係において疲れてしまう方が多いのでないかなと思います。友達と楽しく遊んできても、帰ってきてぐったりしてしまったりすることもあります。

 1人で過ごす時間がとても大切で、友達が少なく、たくさんの方と仲良くなれない自分は変なのかなと思っていた時期もありました。


 
 人間関係における一番のポイントは、自分が「当然に感じて気づいていること」に、非HSPの人たちは「感じていない、気づいていない」ということを知ることです。相手は自分みたいに感じないんだ、ということを知ることです。

 そのため、いくら「自分はHSPで繊細でしんどいんだ」、「ひとりにしてくれ」と訴えたところで、理解されないので「気にしすぎ」「メンヘラ」と言われてしまうのではないかと思いました。

 たとえ親しいご家族であっても、「自分を理解してもらえない」と感じることは辛いですよね。価値観のもとになっている「感覚」が違うのですから、夫婦やパートナーの間では「価値観が違った」と感じることもあるかと思います。しかし、「理解できないこと」と「愛がないこと」を結び付けないことです。ただ、感覚が違うんだなということです。

 それさえ理解しあえれば、自分が気にするように相手は気にしていないので、HSPさんは非HSPさんといるととても楽に感じますし、暗黙では伝わらない分、言葉できちんと伝えることで、コミュニケーションがとりやすくなります。

 また、気づいたり、配慮する力にも個人差があるのです。HSPの人には自然とできる「配慮すること」も非HSPの人には出来なかったりします。ですが「配慮しなかったこと」と「意地悪されること」「大切にされていないこと」とを結びつけることも違うと思います。ただ、気づかないし、配慮できないのです。


 
 ちなみに、わたしがこのようにまとめていることはHSPの人はこう感じているので配慮してくださいねということではありません。
HSPかどうかに関わらず、人の感覚には個人差があるので、自分が期待したことを「気づいてもらえなかった」り、「配慮してもらえなかった」としても、気にしない。気づかなかったことで、もし相手が悲しんでいる場合は、そういうことに繊細に気づく人なんだなと「感覚が違う」ことを理解しあえればいいなと思うからです。

 HSPの人の話に戻りますが、

 時々「自分の意見がないです」とおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、そんな方はいないと思います。皆さん毎日何らかの形で、自分で選択して自分で行動しています。例えば昼食をとる際にも、安く済ませたいから、栄養バランスを考えて、ダイエット中で糖質オフで、しぶしぶでもそれでいいから、など色々な自分の考えに基づいて、生きていると思います。無理やり何かを食べさせられている人はなかなかいないかと思います。

 自分の意見はあるのですが、「他人のニーズや期待」にもたくさん気づいてしまうため、それをそのまま自分の意見だと思い込んでしまってしまったり、もしくは相手にとっての正解がわからず可能性が多岐にわたりすぎるため、ぽんと「自分の意見」が出てこないだけだと思います。

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3.HSPの人の反応の仕組みと対策

(1)HSPのひとは半自動的に自分の内外のことに気づいてしまいます。

 これは脳の仕組みですので、気づかないようにコントロールすることは難しく、①物理的に情報を遮断するか、②そもそもストレスを感じる情報の少ない環境に身をおく、しかないかなと思います。

①物理的に遮断する方法として、わたしがしていることは、
・視覚情報…目をつぶる、アイマスクをする
      伊達メガネやサングラスをする
      コンタクトやメガネの度数をさげる
     (よく見えてしまうと気づくことが多くなってしまう)
      明るいときは電気をつけない(明るくしすぎない)
      寝る前はだんだん暗くする
      怖い映画やドラマはみない
     (自分が実際に体験したかのように感じてしまうため)
・嗅覚情報…自分にとって臭いもの・人を避ける
      消臭スプレーを持ち歩く、マスクをする
      アロマの香りを身につける
・聴覚情報…イヤホンで好きな音楽を聴く
      大きな音がするところに長時間いない
     (パチンコ屋さん、ライブハウスなど)
・味覚情報…強いミント系や辛いものは食べない(というより食べられない)
      素材をいかしたシンプルな料理を楽しむ
     (サラダのドレッシングを使わなかったり、蒸し野菜を塩だけで
      食べるなど)

・触覚情報…肌触りのよい服やタオルを選ぶ
      信頼できるひとにだけマッサージをお願いする(指名する)
      感覚的に嫌だなと思う人から離れる、避ける

また、五感で敏感に感じるだけでなく「よく考える」ということもHSPの特徴だと思いますので、

・脳の活動…瞑想する、何も考えずぼーっとする時間を作る(脳の活動ストップ)
      無心になれる時間をつくる(マラソンやハンドメイドなど)

も大切にしています。


②そもそもストレスを感じる情報の少ない環境に身をおく、とは、①と被る部分も多いかと思いますが、世間一般ではなく、HSPの人ご自身を基準に考えてください。

 例えば、ストレスを感じがちな通勤を快適にする方法も色々あると思います。
 わたしがしていたことでいえば、
 ・混雑のすごいターミナル駅のひとつ手前で降りて、少し歩いていく
 ・早く家を出たり、時間はかかっても混雑の少ない通勤経路に変える
 ・好きな音楽を聴いたり、アロマの香りをみにつけたりして不快感を和らげる

ストレスの多い職場でも、

・疲れたらトイレに駆け込む

・アロマのハンドクリームでリフレッシュする

・ハーブティーを飲む(たばこを吸う人がいるように)

色々自分が快適になる環境を作り出すことはできます。


 働いて帰ってきて、家事をするのが億劫なときは、総菜を買う、外食をするなど楽をすることももちろんですが、

 皿洗いの時間は好きな音楽を聴く時間にしてしまったり、

 ストレッチしながら洗濯物を畳んだり、

 スクワットしながら掃除したり、

他の楽しみの時間に変えていました。


 ここまで、(1)HSPのひとは半自動的に自分の内外のことに気づくことに対して心がけていることを書いてきましたが、

どれだけ頑張っても、HSPのひとのアンテナはとても繊細なので当然気づいたり、感じてしまいます。鈍感にはなれず、気づかないということは無理なのです。

(2)そういう時でも、気づいたこと、感じたことに対する反応や思考は、人間ですので「選択する」ことができます。


 例えば、HSPさんが朝出勤すると、職場の上司が「不機嫌なこと」に気づいたとします。
 それに対し、昨日わたし何かしたかな。。。と思考し始めるHSPさんが多いかと思います。


 私も親がいつもはしてくれることなのに、突然「自分でやって」と言われると、何かしたのかな、嫌われたかなと思ってしまいます。だんだん考えすぎてきますと、妹にはしてくれるのに、もう私は家を出てけってことなのかな、とすさまじい思考の膨らみをしていきます。

 そこで、いやいや親の不機嫌さはわたしのせいではなくて、
たまたま虫の居所が悪く、面倒だっただけなのだ、と「思うことを選択する」のです。


 仕事上で、他の人の仕事の雑さが目に入り、これはクレームになりそうだなと気づき、それをさりげなく伝えても、理解されないこともHSPさんにはあるかと思います。
 そんなときも、イライラするのではなくて放っておく、先回って率先して動かないという「選択」をすることも大切です。

 わたしは非HSPの元夫と仕事をしていたので、これは大切だなと思いました。意見が採用されて、対応したところリスクを免れることが出来たことも多かったのですが、リスクが「起きなかったこと」は非HSPさんにとってはそもそも気づいていないので、評価もされません。
 HSPさんにとってはこれはまずいぞ!ですが、一言伝えて、理解されなくても自分の機嫌を悪くしてはいけません。万が一起きてしまった場合に、即対応できるように準備だけしておきましょう。その気遣いがHSPさんならではの才能なのです。

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(3)もちろんHSPさんご自身が傷つかない「選択」をしても、それでもダメージを受けることは多々あります。なので、わたしもそんなときのセルフケアも大切にしています。

 特に、わたしは香りに敏感なので、アロマ(精油)を用いて以下の①~③のケアをしています。一瞬で気持ちが切り替わるので、本当に手っ取り早く、気持ちがよくなります。

①ダメージをデトックスする・浄化する
 受けたダメージを時にはぐるぐる反芻して、自分のどこが悪かったんだろうかと思ってしまうHSPさんもいらっしゃるかと思います。そのため、ダメージを早めにデトックスする、浄化することも大切だと思います。

・何も考えない、何もしない時間を作る
・デトックス・浄化によいアロマをお風呂にいれる
・デトックス・浄化によいアロマを焚いて寝る

②傷ついた自分を癒す
 HSPの人は自分が悪かったのではないか、と考えがちです。なので、他人から傷つけられたとしても、最善を尽くして仕方ない結果であったとしても、さらに自分を責めてしまう方もいるかと思います。「自分だけは自分の味方でいること」というごく当たり前のことが苦手だったり。

・自分を許して、愛してください。
 少しお恥ずかしいですが、わたしも自分に「よくやったよ」と声に出してみたり、セルフハグをすることもあります。

・そのとき好きと感じるアロマをかぐ
 好きな香りはそのときの自分に必要なアロマだったりします。
 ネロリやプチグレンはそっと優しく寄り添ってくれる香り、
 スイートマジョラムは温かく包み込むような感覚がします。
 ストイックな人には甘いスイートオレンジが、自分のペースを取り戻したいときはベルガモットが好きなことが多いです。
 
 また、木の幹を傷つけて出た樹液が空気に触れてかたまった樹脂のアロマは、その役割通り、心身の傷を保護し、癒してくれます。

③外で発散してきた「氣」を補う
 特に嫌なことがあったわけでなくとも、外部の環境の変化や人と接することだけで疲れやすいのがHSPの方です。半自動的に刺激をキャッチし、それに対応すること、考えることもとても多いので、普通にしていても「氣」すなわちエネルギーを発散します。
 そのため、よく食べて、よく寝て「氣」を補うことが大切です。
また、太陽のエネルギーを蓄えておけるのは、地球上では植物だけと言われるので(植物は光合成します)、生の野菜をとること、加工品ではなくホールフードを取ることも心がけています。


・よく食べて、よく寝る
・生野菜をホールフードで取る
・薬膳で「氣」を補う食品を取る
・「氣」を補うアロマを使う

 アロマ(精油)は植物が育つ環境で生き抜くために作り出した芳香成分です。そのため、アロマにも植物エネルギーが含まれているとわたしは考えています。アロマと言えば、リラックスというイメージですが、「強壮作用」という身体を元気にしてくれる作用のある香りもあります。そういったものは特に「氣」を補うのによいので、元気がほしいときはそういったアロマを使うことも効果的です。


 以上、これまでHSPの本やHSPカウンセラーになるために学んできたこと、またHSPなわたしが普段心がけていることをまとめてみました。

 HSPであるかどうかに関わらず、人の感覚には個人差があり、お互いに理解しあい、尊重しあっていけたら、誰しもにとって生きやすくなっていくのではないかなと思います。

 また、HSPの人はとても感覚が優れている人が多いので、アロマの香りの良さもより繊細に感じられる方が多いです。セルフケアにも取り入れやすいので、試しにアロマも使っていただき、アロマがより快適な生活のお手伝いになればと思います。

 具体的に、どんなアロマが良いのか、については今回の中には書ききれないのでまた別の機会に致します。


 最後までお読みいただきありがとうございました。