見出し画像

ウィーンのクリスマス

12月に入れば日本は一斉にクリスマスモードになりますが、ウィーンは(何事もそうですが)もう少しゆっくりと街が飾られていきます。
私が感じたウィーンのクリスマスをシェア。

上の写真は王宮へ向かうハイブランドが立ち並ぶコールマルクト通り。王室御用達のお菓子専門店DEMEL本店はこの通りの右側にあります。大好きな通りの一つ。

街の中心、シュテファン寺院から〈グラーベン通り》を歩く途中にはあらゆる高さの生木のクリスマスツリーが売られています。これと選んだら、おじさんが機械を使ってグルグル巻きにしてくれる。2人がかりで持って帰る光景もこの時期ならでは。私の背を優に超えたクリスマスツリーは天井の高いヨーロッパの家だから出来ることだけど、いつか我が家にも、とツリーの脇を通る度に思う。その日を夢見て少しずつオーナメントを集めていこう。

日本の家にはプラスチック製のクリスマスツリーがありますが、生木の香りや葉の柔らかい感触を知ってしまったらプラスチックの味気なさに今年はツリーを飾る気になれず。。日本ではあらゆる物が簡単に手に入るけれど、本物を知らずに生きていることが多かった。生木にしても取り扱いは面倒です。重いし部屋に葉が散るし。それでもプラスチックのツリーでは感じなかった温もりがある。知らなくても余裕で生きていけるけど、知って経験することで得る[心の豊かさ]があるんですよね。

この時期は身体の芯まで冷えるので本当は家から出たくはないのです。しかもだいたい寒々しさが増す冷たい雨の日が多いので。それでもウィーン市庁舎[ラートハウス]やシュテファン寺院前のクリスマスマルクトに何度も出掛けてしまうのはクリスマスオーナメントの放つ煌びやかさや、この時ばかりはグリューワインで陽気になった人々に混じりたいから?きっとそれ以上にやはり街全体が神聖で祝福されているのを直に感じていたいのかもしれません。

グラーベン通りから小径に入るバロック様式の美しいペーター教会では定期的に無料のオルガンコンサートが開かれています。外観の地味さからは想像つかないほど内装は荘厳で絢爛。クリスマスの時期に聴くオルガンの響きはより一層厳かな気持ちを高めてくれます。

実はペーター教会には地下聖堂があります。天井が低くこじんまりとした空間で《Classic Ensemble Vienna》による弦楽クァルテットのコンサートが定期開催されています。この年のクリスマスは一家で演奏を聴きに訪れました。だいたい始まりが20時だったりするので、近くのレストランやクリスマスマルクトで軽く食事をしてから向かいます。
音楽があらゆる人々にとって身近なんですね。クリスマスシーズンなら特にウィーンに来たら教会音楽を聴きに訪れることをおすすめします。

ウィーンの美しい街並みがより一層感じられるクリスマス。こうして一年前を振り返りながら書き記すことであの時に味わった感動をもう一度再体験しています。

メリークリスマス、ウィーン!
#クリスマス #ウィーン #旅

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?