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いちごの香り

いちごは、香り豊かな食材として有名です。
食べると甘酸っぱくて、瑞々しく美味しいですよね。

香りがその魅力を引き立てているのですが、では、どの様な香気成分が含まれているのでしょうか。

いちごの蒸留をして、芳香蒸留水をとりました。

いちごを香気成分から紐解くと、フラネオール(別名ストロベリーフラノン)やエステル類の幾つかのフルーティーな成分と、青葉アルデヒドなどの青っぽい香りがフレッシュな苺らしさを作っています。全部で100種類以上の香気成分がいちごの香りを作っており、代表的な幾つかを紹介したいと思います。

まずはフラネオール。こちらは天然だと、いちごやパイナップルに含まれ、それ以外にはなんとお蕎麦やトマトの香り成分としても重要な役割をしている成分です。産業的には、いちご味のお菓子や香水の原料として使用されています。微量でも人間の鼻で感じられるほどの甘くて強い芳香を持ちます。

続いて、青葉アルデヒド。こちらはカメムシの匂いの主成分。キュウリやトマトに入っている成分です。香気成分は、濃度によって良い香りにも、悪い香りにもなりますので、濃すぎるとカメムシ、薄いと草や緑の爽やかな香りとしても使えます。

続いて、エステル類ですが、どんなものがあるかというと「酢酸メチル」「酢酸エチル」「酢酸ブチル」などです。パイナップルに似た香りや、イチゴの甘みを深める様なものまで、様々なエステル類の成分が合わさって、あのいちごの香りを作っています。

熟しているいちごと、未熟ないちごには、もちろん入っている香気成分がかなり違うので、味も違います。完熟すればするほど、フラネールが多く、甘く濃厚な香りがします。ちなみに、1番糖度が高くフラネールが多く含まれている品種は「さくらももいちご」だそうです。

自分たちの暮らしの近くにある食材の香りに目を向けてみると、とても面白く、この世は香りで出来ている!といっても過言ではないかもしれない・・・。物事のすべての始まりが原子で、香りの成分の正体は、分子と呼ばれる小さな粒の集まり。この分子が気体になり、鼻に届くと香りを感じることができる。これからも、香りの強い食材やハーブを香って、蒸留して、食べたり飲んだりしながら、学んでいきたいと思います。

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来月はみかんかマンダリンをテーマにやっていきます🍊
お楽しみに!!!

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