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大王神社(魏石鬼八面大王)

先日、友人と安曇野に行ってきた。
「松本城を見てみたい」と希望を出したところ、友人の提案で安曇野に一泊してから松本に行くこととなった。

長野は軽井沢や諏訪には行ったことがあるものの、安曇野も松本も初めて訪れる。松本城を見てみたいが、だからといって松本城の歴史に詳しいわけではない。城主が誰だかも知らないので、その辺りを調べてるうちに、安曇野については友人に任せっきりになってしまった。

友人にお任せして着いたところは「大王わさび農場」。
駐車場に着いた途端、鳥肌が立った。

「この場所に何かある」

わさび農場に何があるのか分からないけれど、私のセンサーは何かに反応していた。


農場の入口に向かうと、見えたのは鬼の像。
ドクンッと心臓が波打つ。

「鬼」とされる者たち。
東北のエミシもそうだが、中央集権に駆逐された元々の住民を指していることがある。

以前から妙に「鬼」と呼ばれる人たちに惹かれていた。
気になってしかたがないのだ。

安曇野についての知識がゼロだったのだが、ここにも「鬼」がいる。
友達に任せっきりで、ただついてきただけだったが、一気にセンサーが全開になった。

農場に掲げられた看板に書いてあるには、
昔、魏石鬼八面大王という人物がこの地を治めていたところ、全国統一を目指す中央集権に侵略されたとのことだった。
時代は桓武天皇の治世(西暦781~806年)。
攻めてきたのは坂上田村麻呂だという。

坂上田村麻呂は東北エミシを侵略した人物だ。
彼によってエミシたちは苦しめられエミシの族長だった阿弖流為は降伏し、のちに処刑されている。

同じころ、安曇野でも坂上田村麻呂に駆逐された人々がいて、エミシたちと同じように「鬼」と呼ばれた。

この地を治めていた魏石鬼八面大王は八つ裂きにされ、その胴体を大王わさび農場の中で祀っているとのことだった。

わさび畑を越えて、大王神社へと向かう。
お社に向き合ったとき、感じられたのはハッキリとしたエネルギーだった。ただ、思っていたよりは大きくない。
守っているとか、包み込んでいるようなエネルギーには感じられなかった。
本来のエネルギーが出ていないとでもいうのだろうか。
「胴体」だけが埋められていると言われているけれど、封印でもされているのだろうか。
それとも、体がそろっていない分、感じられるエネルギーも胴体部分のみで小さく感じられるのだろうか。

それでも、「そこにいる」のがハッキリと感じられるエネルギーだった。
本当に胴体が埋まっているのかはわからないけれど、その神社に魏石鬼八面大王なる者がいるのだ。

思っていたよりも小さく、かといって弱弱しいわけではなく、密度がそこそこあるエネルギー。
何か言いたいことでもあるのだろうかと、意識を集中してみたのだが、私には読み取ることはできなかった。

旅行から帰ってきて、魏石鬼八面大王について調べたのだが、坂上田村麻呂に侵略された以外の説があるそうだ。
坂上田村麻呂に侵略された説は、坂上田村麻呂の史実には基づかない伝説らしい。

何が本当なのかはわからない。
魏石鬼八面大王なる人物は中央集権に侵略された英雄だったのか、それとも他の説が唱える盗賊団の首領だったのか。

ただ言えるのは、伝説通りに胴体が埋められたのかはわからないが、そこにはっきりと感じられるエネルギーがあるということ。そして何かを語りかけているような気がした。

残念ながら、私には言語化できなかったのだが、今でも妙に気になって仕方がない。我が家から簡単に行ける場所ではないのだけれど、また改めて行ってみようと思う。


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