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羊の国に来て何日目かの日記

ニュージーランドに来てほぼ3ヶ月。ずっとブログでもnoteでも何でもいいから、何かを書きたかった。けれど書けなかった。正直にいうと日本語をあまり書きたくなかった。これっぽっちも自分の成長が感じられなくて、周りの友達が話す英語がうらやましかった。英語ができない自分が嫌で嫌でしょうがなくて、この3ヶ月の間にどれだけ悔しい思いをしただろうか。(それは今でも変わらないんだけども。)

何かにいつも追われていて、このまま英語が話せないまま日本に帰ってしまうのか。そう思うと何だか途方に暮れて、毎日聞く音楽も日本語を聞けなくなった。去年はあんなに本ばかりを読んでいたのに、日本語を読むことが怖かった。

そんなわたしのニュージーランドでの3ヶ月。笑っても泣いてもあと9ヶ月しかこの国に住むことができないなんて不思議な気持ちだ。学校を卒業して、仕事を見つけて、新しいフラットに引っ越して。毎日、目を覚ましてから閉じるまでが一瞬の出来事のような日々のなかで、ようやくいろんな恐怖から解き放たれている気がする。

少しずつ、ほんとに少しずつしか進まない亀のようにノロいわたしの成長だけど、やっと新しいお店に入ることが怖くなくなった。”How are you?” に目をそらさずに答えられるようになった。まだまだ全然ちんぷんかんぷんなことを言っているけれど、少しだけ英語を話すことが怖くなくなった。(毎回緊張は解けないけれども)


こうやって毎日奮闘しながら過ごしている日々も、すべてのことが過去になる。


今日起きた嫌なことも良いことも、出会った人も、いまこの時にしか感じることができないこの思いも、すべて過ぎてしまえば過去になっていく。

忘れることが怖いから、わたしはいつも日記を書く。忘れたいこともたくさんあるけれど、忘れたくない気持ちのほうがたくさんあるから幸せなんだと思う。今日のこんな気持ちも明日になったら忘れてしまうから。だから忘れないように必死に思いを記す。

「今日よりも明日はずっといい日になると信じて生きていきたい」

自分の日記に書かれていたこの言葉を見て、少しだけ安心した。立ち止まっているようで、もどかしい日々を越えてきたけれど、明日にはほんの1mmだけど進んでいる。


いまはちゃんとそう思えるようになれたよ。



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