トマス・ホッブズ Thomas Hobbes (1588-1679) の誕生日 (4月5日) 英政治哲学者

トマス・ホッブズ Thomas Hobbes (1588-1679) の誕生日 (4月5日) イギリスの政治哲学者 主著「リヴァイアサン」Leviathan  (1651年発行) 

「魔女狩り」の異端審問官として恐れられたジャン・ボダン (1530-1596) による
〔家父長制の延長としての国家主権論〕に始まり、
トマス・ホッブズにしても、
強権主義的な政治論の中に、
それとは正反対と見なされる近代民主主義の根本たる「主権」概念が含まれているというのが不思議な感じがします。

単に強硬なスタンスであれば「主権」という概念をそもそも述べなくても
自明の理であると突っぱね、
論議がすこしでも芽生えそうな雰囲気自体を頑迷に否定する状況も
あり得ると思います。

強硬な主張にもレトリックが伴う環境だと、各方面へのレトリカルな展開があり得るということでしょうか。

あるいは、実はボダンやホッブズがどうというよりも、
その後のジョン・ロック (1632-1704) 、ジャン・ジャック・ルソー (1712-1778) やシャルル・ド・モンテスキュー (1689-1755) が民主主義的な「主権」概念を発展させた点こそが大事なのかもしれません。
( 彼らの主著は、ボダン以外は皆岩波文庫で読みました。 )

そもそも、そんな言論もロックの場合
イギリス名誉革命 (1688-1689) が既に有り、それをサポートする形で「市民政府論」(1690) が書かれているので、
ドラスティックな現実の変化の状況こそが大きいとも言えますが。

アメリカの政治学者カール・ヨアヒム・フリードリッヒ (1901-1984) は、
ホッブズは権力を強調しすぎた点が限界だったといいます。

ホッブズへの批判は多く有りますが、
バランスの観点からというのが、(フリードリッヒは) 結構的を射ている感じがしました。

「権力に委ねる、それが大きく見れば国民のためなのだぞ」というロジックをホッブズが出した以上、

「いやいや、それにもバランスってものがあるでしょう」というのが
近代民主主義のロジックの発展、

と言うか、そんな「バランス論」自体が民主主義的ロジックと言えるでしょう。

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(22年12月更新)



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