「表現の不自由展」事件と韓国への「ホワイト国解除」に限らず、色々な形でガタガタにされてきた「日本での自由と公正さ」を改めて考えてみる。

 さて、やっと夏となりました。
 今年は冷夏になるのでは。と言われてましたが、先週くらいから一気に猛暑になりました。
 温度の急激な変化で、私も先週は結構大変でした。皆さんも、おだいじに。そして、熱中症は簡単になるので、「君子危うきに近寄らず」で慎重にやりましょう。

※この文章は、1週間程度で一部を除いて「投げ銭購入」の上で読めるように…しようかどうか、今回は(呼びかけ文もあるので)迷っていますが、どうか、投げ銭購入や「サポート」での、ご支援をお願いします!!!

「表現の不自由展」に対して、京アニ放火事件をほのめかすかのような脅迫FAXが。

 愛知県のあいちトリエンナーレで、「表現の不自由展」と言う展覧会をやっていたのですが、展覧会の主催者に脅迫が大量に来て、その中には「携行ガソリン缶持っていくぞ」と言う中身のFAXがあり、これを理由に展示が中止されています。

https://mainichi.jp/articles/20190803/k00/00m/040/219000c

https://mainichi.jp/articles/20190803/k00/00m/040/221000c

 要は、先月の後半に起きた、京都アニメーションへの放火事件で沢山の方が亡くなったのを主催者に連想させて中止に追い込むという、かなり手慣れた脅迫の手口と言っていいのですが…それと同時に、警察が主催者が被害届を出した時に「FAXは匿名化されてるからわからない」などと言って、事実上捜査や警備を拒否した。と言う話が大村愛知県知事からでたり、中止を決めた後に、河村名古屋市長が主催者たちに対して「謝れ」と繰り返し記者会見で言ったりなど、ものすごくきな臭い展開になっています。そもそも、件の脅迫が来る前に、菅官房長官が「不適切ではないか」と言って、それから脅迫が激増したという話もありますし。

https://togetter.com/li/1383975

https://blogos.com/article/395842/

 これ、本当に深刻な話で、要は、菅官房長官などの偉い人達が気に入らない中身の展覧会に対して、気に入らないとおおっぴらに言った途端に脅迫が殺到して、まるでヤクザが身元隠して言うかのようなものまで含まれていて、それらを忖度したのか警察が捜査を拒否して、その後で河村名古屋市長がまるでヤクザやチンピラが言うような事を美術展の主催者たちに迫ったという流れなんですよね。
 展示内容が(後でどうしてかかきますけど)偏りすぎていた。と言う問題はあったにせよ、この展開はあまりにひどすぎる。

https://www.asahi.com/articles/ASM853SJ3M85UTFK006.html

https://mainichi.jp/articles/20190805/k00/00m/040/273000c

https://mainichi.jp/articles/20190805/k00/00m/040/291000c

 まるで、国と名古屋市がヤクザと一緒になって都合の悪い展覧会を潰しただけでなく、警察もまるでヤクザと一緒になって動いてるかのようだ。

警察と永田町・霞が関と、ヤクザは昔も今も密着してる。

 昔から、ヤクザ・暴力団は、国・とりわけ自民党政権の都合の悪い人達を潰すための「汚れ仕事」を請け負って成長し、警察もそれを大目に見続けてきた(そもそも警察が暴力団を積極的に利用してきた)という歴史があります。しかし、この数十年間は「暴力団排除」を国が言ってた関係もあって、ここまで露骨なことは殆どなかったんですよね。確かに石井紘基・民主党議員の暗殺事件やプチエンジェル事件など、暴力団が自民党や霞が関の官庁と結託してる事が疑われた事件がいくつもあって、それらの殆どは、迷宮入り・要は誰が指示して誰がやったかのかすらいい加減なままに、暴力団員が何人か捕まることすら無く「いけにえ」が一人二人捕まって幕引きになる事件すらあった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E7%B4%98%E5%9F%BA%E5%88%BA%E6%AE%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

https://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b57bd555544f837f9b2caab70714949c

https://sumaapu0.hateblo.jp/entry/2019/03/13/184429



労働組合の正当な活動が「警察とヤクザと保守政治家」によって、無理やり違法行為にされてる恐怖。

 最近だと、連帯ユニオン 関西生コン支部(関西生コン労組)の労働争議で、警察が労働組合に対して、違法行為をしてないのに違法行為だと言いがかりをつけて組合員を何人も逮捕し、それに対して関西のテレビ局が、労働組合を一方的に危険だと言うような報道やバラエティ番組を繰り返し、自民党の偉い政治家さん達がそれを使って労働組合や労働組合の側に立ってる政治家を攻撃するということも、あります。

https://www.kannama.com/

https://www.sankei.com/west/news/190619/wst1906190031-n1.html

https://www.excite.co.jp/news/article/Harbor_business_188679/

 生コン業界と言うのは、歴史的に、暴力団が「シノギ」に使ってきました。お役所の公共事業はいいカネになったし、流通を仕切ることで、大儲けできた。当然、働いてる人たちに対して法律なんて守らず、暴力や給料を払わないのも当たり前にあったし、「タコ部屋」に監禁することすら珍しくなかった。

https://ameblo.jp/msouken2/entry-12400968892.html

http://rentai-union.net/archives/243

 働いてる人たちが組合なんか作ったら、ヤクザがでてきて潰しにかかるので、組合の人たちも、ヤクザ対抗するためにガラが悪くなるのは仕方ないし、そもそも、土建業界で働く人達はもともと荒っぽい。
 そういう構図があったのを無視して、マスコミはいろいろあげつらうし、警察は言いがかりを付けて労働組合の人を逮捕したりするのを繰り返してきてたんですよね。生コン業界が、今も、ヤクザが裏に表に仕切ってる状況だというのは、警察は見て見ぬふりだし、関西のマスコミも、見て見ぬふり。そして、自民党などの政治家達は、労働組合だけ攻撃してる。

 そういう仕組みが、とうとう、美術展にも及び始めたのではないかと思うんです。

展示された中身にも問題があったのではないか。

 その一方で、展示の内容も問題があったと思うんです。
 なぜ、「排除された作品」を展示するのに、慰安婦問題などが中心となって、「性的であるから」排除されたものや警察がいいがかりつけて取り締まり(裁判で戦って問題がないと認めさせた)作品が、全く含まれなかったのだろうか。と、やっぱり思うんです。

https://ironna.jp/theme/555

https://mainichi.jp/articles/20170413/k00/00e/040/288000c

https://www.huffingtonpost.jp/entry/aichitriennale-report_jp_5d43c7eae4b0ca604e2fb0fe

 ある種の人達が、自分達の主張を作品に託したようなものだけを「排除された」と言う一方で、それ以外の「排除された」物に対しては、それがないかのような形で展示がされてしまった。

 前から何度か書いてきてますが、慰安婦問題を「重大だ」と考えてる人達の多くは、この三四年間、ある種の表現・具体的には「萌え絵」などと呼ばれてるものを、「性的だ」「性暴力だ」「環境的セクハラだ」と言って、「抗議」を繰り返し、ポスターを撤去に追い込んだり、イベントを中止に追い込んだりすることを繰り返すのに加担してきてる訳です。「こんな性的なものに税金を使うな」と言う物言いが、当たり前に飛び交っていた。慰安婦問題に取り組んでる人達と、「萌え絵を根絶やしにする」人達は、多くの場合、重なってもいますしね。

https://anond.hatelabo.jp/20190304092619

https://news.nicovideo.jp/watch/nw1993052

http://ama-megu.com/aoshima-megu/

https://www.huffingtonpost.jp/2015/11/05/aoshima-megu-unofficial_n_8477178.html


 コンビニでの性的な本・男性向けのエロ本を売らせないように圧力をかけたのも、この手の人達です。

 「排除された作品」を展示するならば、そのようなものもきちんと展示すべきだった。そうしないことで、作品を選んだ人達の、身勝手さが、浮き彫りになっていたとすら思います。

 今、「表現の不自由展」を攻撃してる人達は、「税金をこんな物に使うな」と大合唱してますけど、コレは、まさに、「表現の不自由展」を推し進めたり擁護したりしてる人達の論理そのものなんですよ。
 自分達の気に入らない作品を、税金云々とかいろんな理由つけて排除するようにお役所や企業に迫ってきた、「左」の側のやり方が、「右」に使われてる。

https://togetter.com/li/1383659

韓国に蔓延してるのは「反日」「反アベ」ではなく、「反日や反アベを強制され 続けて疲れてる空気」なのではないか。

 この騒動の少し前に、日本が韓国に対して「ホワイト国」と呼ばれていた・貿易で優遇する国の指定を解除しました。そのことで、もともと徴用工問題のゴタゴタなどで噴き出し始めてた、韓国の「世論」が、「反日」に傾いてる。と報道されてます。
 「ホワイト国」解除は、しかたない部分があると思います。朴槿恵政権以前の輸出管理が相当ずさんで、イランや中東の紛争当事国に横流しすらされていたのが、文在黄政権下で発覚してる状況ですしね。これを交通整理する必要が、遅かれ早かれあった。しかし、このタイミングで文政権に対する嫌がらせであるかのようにやるべきだったか。とは思いますけど

https://www.bbc.com/japanese/49201820

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20190702/pol/00m/010/007000c

https://mainichi.jp/articles/20190804/ddm/002/020/064000c

https://www.fnn.jp/posts/00047178HDK/201907101700_WatanabeYasuhiro_HDK

 韓国の状況は、本当に「反日」一色かと言うと、どうも、そうは見えないんですよね。韓国の大半の人達は、「反日」であることを押し付けられて、日本を非難するように社会から迫られ続けて、疲れ切ってるように見える。
 「ホワイト国」解除が決まった当日、韓国のKBSの日本語放送を聴いてたんですよ。意外なことに、韓国側の「日本許すまじ」「安倍許すまじ」と言う集会やデモに対して、「いいかげんにしてくれ」と言う感じがものすごく強かったんです。「ホワイト国解除」の瞬間は、テレビ各局で生中継されていたけど、みんなため息しか出なかった。とか、日本の人達が友好ではなくなるのが一番嫌だ。とか、そういう言葉が非常に大きかった。

http://world.kbs.co.kr/service/program_main.htm?lang=j&procode=hello

http://world.kbs.co.kr/service/contents_view.htm?lang=j&menu_cate=lifestyle&id=&board_seq=368133&page=0&board_code=dotkorea_j

 韓国というのは、日本に植民地支配を受けてて、その時にいろいろひどいことが沢山あって、日本が敗戦したことで独立できたものの、日本の軍部の生き残りのような人々によって軍事独裁政権を建てられて、40年間近く人々が苦しめられた。と言う、歴史的な経緯が経緯なので、日本の植民地支配時代を前向きに言ったり・日本の戦時犯罪を批判する人達を批判する言論というものが、違法です。それに近いような事を言えば「親日」とみなされ、社会的に攻撃され・職を喪うことすら珍しくない。

https://special.sankei.com/a/international/article/20190804/0001.html

https://kaikai.ch/board/64135/

https://mainichi.jp/articles/20171030/ddm/005/070/002000c

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E8%A3%95%E6%B2%B3

 韓国で「お気持ち民族主義者」が大きな顔をしてるのは、別に文政権がそういう姿勢だからに限らなくて、文政権を支えてるのがその手の人達だというのもあれば、「お気持ち民族主義者」への批判というものが、簡単に罰を与えられる状況だから声を上げられずにいるという問題があるんですよね。

 そういう中で、多くの人達が、「ここまでエスカレートすることはないじゃないか」と、思ってる感じが見え隠れしてると思います。

 そして、日本で「韓国側が正しい」「慰安婦像は問題ない」と言ってる人達は、殆どの人が、「お気持ち民族主義者」しか見てないように思うんです。その外側に、何十倍何百倍もの「疲れてしまった人達」がいることがわかってないか、そのような人達は「保守反動」だとして切り捨ててる。

韓国の人達と、日本の人達、両方にそれぞれ呼びかけます。


 今回の件で、私が呼びかけたいのは

 ・韓国の人達でこの流れに疲れてる人達が、声を上げて、自国の「お気持ち民族主義者」たちの責任を追求してほしい。「お気持ち民族主義者」と違う考えの人達が多いんだと、国際社会に示してほしい。

 ・日本の人達は、こんなにぐちゃぐちゃになってる韓国と日本の関係を、日本の「お気持ち民族主義者」「親韓派」どちらも悪いんだ。と声を上げてほしい。

 と言う2つです。
 もう、「お気持ち民族主義者」に振り回されて、いろんな物がぐちゃぐちゃにされてるのは、やめていきたいものです。

津田大介氏が、裏で「原発報道潰し」に暗躍していたという、上杉隆氏からの深刻な告発。

 この事件で、もう一つ浮上してきたのが、「芸術監督」として就任していた津田大介氏に対する「告発」でした。
 ジャーナリストに最近復帰した上杉隆氏が、津田大介氏と町山智浩氏について、「原子力業界に都合の悪い報道を行ってるジャーナリストや言論人を切り崩し・排除するように働きかける事を裏でやってた」として、「ジャーナリストを引退せよ」と声明を出したわけです(最後に貼っておきいます)。

https://www.facebook.com/uesugitakashi/posts/10219336393071728

 原発報道では、今までもいろいろ書いてきましたけど、科学が連続性があって、しかも、実際に起こってることは捻じ曲げられないにも拘らず、これらをねじまげるような中身の「放射能汚染は大したこと無いし、健康被害なんて殆ど無い」って大ウソの報道が目立つ一方で、実際には汚染が厳しいとか健康被害が結構ありそうだとか、公式の審議会や偉い学者さん達が健康被害や汚染のデータを改ざんしてた・隠してた。と言う話が暴かれてる訳ですよ。
 そして、2012年辺りから報道がどんどんおかしくなって、「ありのままの現実」を知らせることが「福島差別だ」と非難され続けて、「ありのままの現実」を知らせる報道が、どんどんと陰に追いやられたし、主に左派やリベラルが、その様な、質の悪いウソを信じ込んでいってしまう人にどんどん仕切られ、この問題では二つに分断されてる訳ですよ。
 そして、今や、「放射能汚染は大したこと無いし健康被害も大したこと無い」と言う、ウソを事実としてねじ込むのは、専ら、左派リベラルのジャーナリストや媒体・学者の役割になってしまってる。

 そうなってしまった中心に、津田大介氏と町山智浩氏がいる。と、上杉隆氏が告発した訳ですよ。お役所や企業の出す「表の」お仕事の高いお金に眼が眩んで、それらの人たちに都合の悪い事を言う人たちを、裏から手を回して排除する事をやっていたと。

ある種の「都合の悪い話」を潰してきた人達が、他の「都合悪い話」潰しでは怒ってるという、滑稽なグロテスクさ。

 そのような人達が、「政治的正しさ」を振り回し・韓国の「お気持ち民族主義者」を全面的に支持して、「リベラル」の人達だけが納得して心地よくなるような展示会などをやってしまった。
 こういう、多重に腐敗してると言っていい構造、日本の汚点になると思うし、私達がすべきなのは、このような構造自体をきちんと知っていった上で、自分が何を求めるか・自分はこの事に対してどう思うか、きちんと考えたり周りの人たちと話していくことだと思うんです。
 知ることを拒否したり、考えることを拒否していたら、いつのまにかとんでもない人たちに利用されかねないですから。

付録:上杉隆氏の告発文(全文):

ダブルスタンダード。約8年前、福島原発事故の報道の際、電話やメールや講演会の会場で、放射性物質の飛散を報じるジャーナリストたちをつぶす側に加担したのは誰だったか?津田大介さん、あなただったのではないか?

早稲田大学の講演で、雑誌アルバイト時代の先輩の町山智浩氏に頼まれて、言論封じを行ったのは誰だったか。津田さん、あなただったのではないか?

ゲンロン仲間の東浩紀氏を唆して、ジャーナリスト仲間をつぶしたのは誰だったか。津田さん、あなただったのではないか?

原発事故後、一向に現場に来ないあなたに「一度くらい東電会見に来てみたらどう?雰囲気もわかるよ」とアドバイスした私にあなたは言いました。「ニコニコ観ていればわかりますから」。

環境省から補助金をもらって「おくのほそみち」というリポートをあなたがした際、「ジャーナリズムを担うのならば政府から金をもらってやるべきではないよ」とアドバイスした私に「メディアアナリストで、ジャーナリストではないです」と開き直ったのは誰だったか?

ジャーナリズムの悪しき事例を作ったのはほかでもない、あなただ。津田大介さん、今回の件は、これまでのあなた自身が引き起こした事件に他ならない。

芸術監督を辞めるのではなく、ジャーナリストを辞めるがよい。初めて私の番組に出た時のあなたはとても謙虚だった。「生放送は生まれて初めてです」と目を輝かせていた。わたしは田原総一朗さんやほかのジャーナリストの先輩たちに、あなたを推薦して回った。

今回の事件で、わたしは私の不明を恥じている。取材をしないジャーナリストは必ずジャーナリズムによって裁かれる。今回もうまく逃げた池上彰さんも、あなたも、もう限界だ。残念だけど、一度、仕切り直しをした方がいい。

※この文章は、1週間程度で一部を除いて「投げ銭購入」の上で読めるように…しようかどうか、今回は(呼びかけ文もあるので)迷っていますが、どうか、投げ銭購入や「サポート」での、ご支援をお願いします!!!

はてなブログにも掲載します。

http://rebuild.hateblo.jp/entry/2019/08/06/005057


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