行動経済学

行動経済学 〜スタートアップ〜

行動経済学を知り、問題解決やビジネスの創出につなげる。

今年から上記を目的とした社内サークルに所属することにしました。学問的な話題に興味を持ちやすい性分なので、ぴったりの組織だと思います。

行動経済学とは?

経済学に属する学問のひとつ。従来の経済学は「人間は合理的に判断する」ことを前提としてきたのに対して、行動経済学は「人間は非合理的に判断する」ことに着目します。

要するに、人間の心理的側面を踏まえて、集団的な意思決定を望ましい方向に誘導することを目指した学問のこと。

感情的な側面をベースに考えるので、心理学に近い領域です。発祥は1990年代ですが、当時からすれば逆転の発想とも言えそうです。

トイレ混雑問題を解決する

会社では、隔週で勉強会をしながら、このテーマについて議論しています。会社にいる人数の問題もあるけど、すぐ増設という訳にもいかないので、結構切実な問題だったりします。

昼過ぎにトイレに行くと空きがなくて、待ってる人もいるほど。仕方なく別の階層に移動したことも。いわゆる「トイレ難民」と呼ばれる状況です。

私たちが着目したのは「スマホ休憩を止めさせること」です。行動経済学が得意とする分野は、不特定多数が無意識的に行動するような事象であり、まさに扱いやすい問題とも言えそうです。

カリギュラ効果 〜禁止されるほどやりたくなる〜

行動経済学の中でも、心理学に特化したアプローチ。学術的には「心理的リアクタンス」で説明されることもあります。

カリギュラ効果とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいう。例えば、「お前達は見るな」と情報の閲覧を禁止されると、むしろ見たくなる心理現象が挙げられる。【Wikipedia:カリギュラ効果】

今回で言えば、スマホ休憩を禁止するよう張り紙を設けた結果、逆に問題が助長されてしまう。まさにブーメランですね。

先日の議論では、トイレから出たくなるような言い方、他人の時間を奪ってますよ!みたいな集団的規範に訴える言い方が案として出ました。

先行事例 〜リクルートの取り組み〜

実は、この問題は先行事例があります。他の会社でも同様の問題を抱えていたということですね。

ポイントはベルを設置しただけで、トイレの混雑問題が緩和されたこと。ベルを積極的に鳴らしていたという訳ではありません。

ベルがあるだけで、トイレの中で時間を潰しているとベルを鳴らされてしまう、という心理が働いた結果だと思います。ネタバレすると意味ないので、一過性の側面もありますが、原始的な方法でも解決できることを示した一例です。

おわりに

行動経済学はマーケティングで利用されることが多いそうです。例えば、利用者の感想と滞在時間をレビュー形式で提示する(Amazonの事例)。ウィンザー効果と呼ばれていて、第三者から間接的に言わると信頼性が増すということ。

まだスタートしたばかりで、どう化けるのか楽しみです。また進捗があれば、投稿することにします。

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