〜人は馬券に夢をみる〜神戸新聞杯
予想していたレインボーステークスとセントライト記念が終わった。
蓋を開けてみれば、レインボーステークスは、 ①着:注印 ②着:無印 ③着:△、セントライト記念は①着:○ ②着:無印 ③着:△と馬券は取れず。
テレビ画面の中で自身の本命◎が馬群の中に沈んでいくのを見ながら、本命◎と一緒に沈んでいく気持ちと自信…。出走前に馬券に託していた夢は、残酷にもニッポンチュウオウケイバカイによる口座からの引き落としという形を取って表れる。全体的に灰色がかって見える景色は、絶望によるものか、それとも馬券の為に切り詰めた生活による影響か。そして限界を迎えた脳が求めるのは来週の出走予定馬リスト。渇いた脳を汁で潤す為に身体は馬柱と五代血統表を求める…。
つい先程、父から祖父が競馬好きでかつて一口馬主でもあった話を初めて聞かされた。僕が馬好きになったのは、実は身体の中を流れる祖父から脈々と受け継がれる血統の成す技だったのかと理解した。
血統というのは本当に面白い。
血統で馬が予想出来るはずが無い、そう思う人も多いかもしれないが、僕はそうは思わない。ここから先は全くの私見だが、血統というのは偶然の産物では無く、必然の産物なのだ。
どういうことかと言うと、馬を育てるのは人、つまりは競走馬(サラブレッド)の配合を考えているのは人なのだ。人間であれば結ばれる相手は当然運命の相手であり、これは正しく偶然の産物であり、僕はまだそのような出逢いを一度もしたことが無い。ところが、サラブレッドは交配する相手を人為的に決められている。個人的には、ここに大きなポイントがあると思っていて、サラブレッドの配合を考える人も大抵は、馬や鹿ではなく人なので、種牡馬の個性、資質を最大限伸ばす事を考えて配合する。
例えば、ゴールドアクターという馬がいる。
この馬は、ロベルトの血が強いと言われている有馬記念を勝っているのだが、父父父父がロベルトである。そして、父のスクリーンヒーローも有馬記念5着で、父父のグラスワンダーも有馬記念を勝っている。更にはロベルトを父父に持つシンボリクリスエスという馬に至っては、有馬記念を連覇しており、僕の記憶が正しければ、2011年辺りまで15年連続でロベルトの血を持つ馬が有馬記念では馬券になっていたらしい。
アイルランドの名伯楽と呼ばれているオブライエンの元で育ち、アイルランド最優秀2歳馬にも選ばれたロベルトは、欧州的なスタミナの塊と言われている。
ゴールドアクターの場合
父父父のシルバーホークを配合した生産者は、恐らくロベルトのスタミナを最大限活かせるように牝系を選んで持ってきたであろうから、シルバーホークは大きく見れば''およそロベルト''と考える事が可能だ。そして、そのシルバーホークを父に持つグラスワンダーも、''およそロベルト''を最大限活かせるよう配合した筈だから、これもまた''およそロベルト"と考える事が可能である。これを繰り返していくと、究極的にはゴールドアクターの父スクリーンヒーローは、''およそロベルト''と考える事が出来て、これをロベルト系のサイアーラインと血統においては考える。
だから有馬記念で好走した''およそロベルト''である父や父父(ロベルト系のサイアーライン)を持つゴールドアクターが、有馬記念で好走するのは必然であったと血統的にはこのように分析する。
しかし、当然代を重ねれば重ねる程、様々な系統の血が仔には混じってくるので、仔の持つ競走資質を分析することは一筋縄ではいかなくなる。その為、血統予想というのはそう上手くはいかない事が多い……
今週末にはG2神戸新聞杯が行われる。
G1菊花賞に出走する為の重要なトライアルで、本番菊花賞においても、前走で神戸新聞杯に出走した馬は10年連続で少なくとも一頭は馬券になっている。神戸新聞杯の馬券は買わないにしても(罠で、僕は馬券を買う金が無い)、菊花賞に向けては要注目のレースだ。
G1ともなると、リーディングサイアー上位の馬を父に持つ馬が多数出走してくる為、それらを分析・検討するには母馬を比較する事が重要となる。
阪神芝2400mで争われる神戸新聞杯においても、母が2400mで実績があったかどうかを検討することは重要だ。
ここでは、G1オークス(東京芝2400m)を勝っているシーザリオを母に持つ◎サートゥルナーリアに改めて期待したい。
〜人は馬券に悪夢をみる〜
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