見出し画像

MITメディアラボのスーパーエリート思想は必要なのか?

*MITメディアラボはテクノロジー世界で長期間、その位置づけを占めてきた。
「それぞれ無関係な分野と考えられてきた研究を、非伝統的なやり方で大胆にミックスすることにより、学際的文化を積極的に追求し、さまざまな境界を超越していく」MITメディアラボ

そのMITメディアラボは、今や、スーパーエリートの集まるプレステージの高い組織とみなされるようになった。
ただ、近年のメディアラボは地道な研究成果より、派手な効果を狙っているという批判は以前から出ていた。そして、ニューヨーカー誌の記事から、それは決定的になり、今回、辞任したメディアラボ元所長の伊藤穰一氏の*スキャンダルも一層、表面化した。

テド(TED Conference)

MITメディアラボ所長としての伊藤穰一氏がナビゲーターを務め、TEDカンファレンスから、ピックアップされたスーパープレゼンテーションがNHK教育放送で昨年まで放映された。
そして、MITの伊藤穰一氏が、そこで、ナビゲート、ピックアップするスーパーエリート達の思想は、一般的な人々の思考から、乖離されていた。それは、何だったのだろうか。
そのNHKの「TED流-人前で上手に話す秘けつ」、、それはプレゼンに必要はないだろう、むしろ、吃音があるぐらいの方が、聴き手は、その話の内容を深く聞き取ってくれる。なぜなら、プレゼンテーションは、その人の理念を正確に伝え、動機づけを行うものだからだ。派手なデコレーションは要らない。(TEDカンファレンスを否定するわけではない)

クーリエ・ジャポン誌のMITメディアラボ所長 インタビュー 伊藤穰一「世界を変えることができるのは権威を疑い、自分で考える若者たちだ」、、、皮肉のような話だが、まさにその通りの状況になった。

ただ、このMITメディアラボの創成期やそれ以前の、マービン・ミンスキー氏の人工知能の理論展開と哲学、ニコラス・ネグロポンテ氏の未来予測等々、多くの学際的な考え方(芸術と工学)が、その複合的な世界に影響を与えたことは確かなことだ。

画像2

(註)*MITメディアラボ(MIT Media Lab.)は、米国マサチューセッツ工科大学 (MIT) 建築・計画スクール内に設置された研究所。表現とコミュニケーションに利用されるデジタル技術の教育、研究を専門としている。マービン・ミンスキー氏に基礎部分が構築され、1985年にニコラス・ネグロポンテ教授と学長のジェローム・ウィーズナーによって設立された。多くの研究は「人間とコンピュータの協調」をテーマにしている。それらは、学際的で芸術と工学を融合したプロジェクトの研究が多い。
*スキャンダル:ニューヨーカー誌(米週刊誌)のローナン・ファロー記者の報道によれば、伊藤穰一氏は、米国人金融家であるジェフリー・エプスタイン(2019年8月10日、勾留中に自殺)の過去の性犯罪歴を知りながら、MITメディアラボと伊藤氏自身のファンドへの資金提供を受け入れたといわれる。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?