【緊急リポート】 手羽と千葉。その先に見えた真実
全てはこのリポートから始まった。
迂闊だった。
このリポートを公開して間もなく、第一の使徒が襲来してしまったのだ。
俺には公開を後悔しているヒマなどなかった。
寝食を忘れ、調査に没頭する。近づいては離れ、近づいては離れ。
くそっ.....
何かが足りない。一体何が足りないというのだ。
そんな手詰まり状態の俺の元へ、昨夜、一通のリポートが届いた。
俺の信頼する、とある情報筋からのものだ。
身元を明かす訳にはいかないが、凄腕の元軍人。腕は確かだ。きっと何がしかの進展があったのだろう。
逸る気持ちでそのレポートを手にとった。
ドクンッ
心臓が警鐘を鳴らし、血が沸々と沸き上がる。
俺の細胞がこのリポートのヤヴァさを物語っているようだった。
「ヤヴァい時ほど冷静になれ。」
わざと声に出し、呪文のように唱えながらレポートの封を開けた。
くそっ！
何故、今まで気づかなかったんだ。
俺は自分の浅知恵を呪った。しかし、このリポートによって、最後のピースを探し当てることができた。
そしてそれは、俺自身がこの問題に必然的に関与しなければいけなかった理由でもあった。
この図は俺に届いたリポートに添付されていたものだ。
ここに、チヴァとテヴァ、そして、俺のルーツを繋ぐ鍵が隠されていた。
市原
俺はこの地名を目にし、あまりの衝撃に言葉を失った。
市原、ICHIHARA、イチハラ、いちはら
よく覚えておいてくれ。
もう一度いう。
よく覚えておいてくれ。
次に俺のルーツを紹介しよう。
ネオ・サイタマだ。
次に、県中央からやや南東よりにある俺のオリジンシティー
アゲオ・シティーだ。
ここからは非常にリスクが高くなるが、覚悟を決めて公開しようと思う。後悔しない為、そして、これは組織への宣戦布告なのだ。
ここで、先程の市原を思い出して欲しい。そして、どうか落ち着いて次の図を見てくれ。
いいか。
市原だ。
俺のオリジンタウンの隣町ではあるが、
原市だ。
どうだ。まあ、驚くのも無理はないさ。
当の俺も自分の目を疑ったからな。
しかし、これで全てのピースが揃った。
カチリ。
この事実は俺と、俺の仲間にとって、組織と戦う上で大きな分岐点となるだろう。しかし、今以上に緻密なプランを作らなければ勝利を手にするのは難しい。こうなったら徹底的に調べあげてやる。
(閲覧注意)
Shit!!
ヤツら、もう嗅ぎつけやがったのか........
詳細が表示できないだと?!
クソっ クソっ クソっ！！
まさか、こんなに早く嗅ぎつけられるとは.......
ダメだ。
皆はここで引き返してくれ。これ以上巻き込む訳にはいかない。いや、既に巻き込んでしまったな。すまなく思う。都合のいいハナシだが、一緒に戦ってくれる仲間がいれば心強い。ここからは相当の覚悟が必要になる。もし、覚悟できるのならどうかこの先を見てくれ。
【AHOアナグラム】
市原→原市
ICHIHARA→HARAICHI
イチハラ→ハライチ
いちはら→はらいち
これで分かっただろう。
俺が組織と戦うことが必然だったということが。
テヴァ、チヴァ、そして、俺のルーツがアナグラムで繋がっていた野田。
野田にはキッコーマンの本社があるよ！(注) 【調査報告】千葉と手羽を読んでからもう一度読んでみよう！
このリポートはおそらく組織の手によって抹消されるだろう。
しかし、俺のメモリまでは抹消できないはずだ。
皆を巻き込んですまなかった。
ここまでついてきてくれた勇気に感謝する。
俺は組織との戦いに必ず勝利する。
この戦いが終わったら、また笑い合おう。
もし、、
万が一、、
俺が居なくなってしまっても安心してくれ。
今はまだ明かせないが、代わりに戦ってくれるヤツが名乗り出るだろう。
それでは