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物語の魔法:「ねじれた永遠」の物語創造の軌跡

おはようございます。アルです。
こちらの記事では、
仮想オーディエンスを生成
②モチーフ作品(今回は葬送のフリーレン)に対する仮想オーディエンスそれぞれの『ドーパミン・オキシトシン』の分泌量を概念的に計算
③物語の構成要素を分解

このような流れを書きました。
今回は③で分解された要素を独自に味付けし、オリジナルの物語に組み立てなおす作業をしてみました。この作業を行うことで、特定のオーディエンスに刺さりやすい作品作りを効率よく行えるのでは?という試みです。

この記事はこんな方に向けて書いています。
▶物語作りをどう始めたらいいかわからない方
▶物語オタクの頭の中を覗きたい方


フリーレンの構成要素から作品全体のイメージを考える

仮想オーディエンスの幸福ホルモン分泌がこちらでした。
若いファンタジー愛好者 (ドーパミン 85, オキシトシン 80)
物語愛好家 (ドーパミン 80, オキシトシン 85)
神秘主義者 (ドーパミン 75, オキシトシン 90)

そして物語の構成要素が
ファンタジーと神秘性: 30%
キャラクターの成長と人間ドラマ: 25%
冒険と探求: 20%
哲学的・思索的要素: 15%
アクションとスリル: 10%

このような感じでした。さらに細分化して、

A.ファンタジーと神秘性 (30%)

  1. 魔法と異世界の設定:

    • 魔法のシステムとそのルール

    • 異世界の地理、文化、生態系

  2. 神秘的な生物と伝説:

    • 伝説上の生き物や神話の存在

    • 神話や伝承に基づくストーリーライン

  3. 秘密と隠された真実:

    • 物語内の謎や隠された歴史

    • キャラクターの未知の起源や力

B.キャラクターの成長と人間ドラマ (25%)

  1. キャラクターの内面的成長:

    • 個々のキャラクターの感情的な発達

    • 内面的葛藤とその解決

  2. 関係性の発展:

    • キャラクター間の友情、愛情、敵対関係

    • 信頼や裏切りを含む複雑な人間関係

  3. 過去の影響と未来への影響:

    • キャラクターの過去が現在に与える影響

    • 彼らの決断が未来に与える波及効果

C.冒険と探求 (20%)

  1. 探索的な旅:

    • 新しい地域や未知の領域への旅

    • 探検によって明らかになる新しい情報や物語

  2. 謎解きと発見:

    • 物語を進行させる謎やパズル

    • 新たな事実やアイテムの発見

  3. 危険と挑戦:

    • 冒険中の障害や危険

    • キャラクターが直面する試練や困難

D.哲学的・思索的要素 (15%)

  1. 深いテーマの探求:

    • 生と死、愛と喪失などの普遍的なテーマ

    • 哲学的な問いとその答えの探索

  2. 道徳的・倫理的葛藤:

    • 正義、悪、選択の責任などの道徳的な問題

  3. 倫理的なジレンマとキャラクターの決断

  1. 宇宙的・存在論的探究:

    • 人間の存在の意味と目的

    • 宇宙や自然界の神秘に対する理解

E.アクションとスリル (10%)

  1. ダイナミックな戦闘シーン:

    • 剣戟や魔法を用いた戦闘

    • キャラクター間の対決と戦略

  2. 高揚感と緊張の構築:

    • 迫り来る危険や緊急の状況

    • スリリングな追跡や逃走シーン

  3. クライマックスへの導入:

    • 物語の高まりと緊張感の最高潮

    • 主要な対決や解決への導入

このように細分化できました。
このバラした要素を加工し、再構築します。
あくまで、
△フリーレンのような作品を作る のではなく、
同じオーディエンスに響きそうな作品を作ること
が目的であることはご留意ください。


作ったイメージをミル・メルで練り込み、あらすじを生成

GPTsと会話していくつか候補が出た中で、おおまかな物語感を決めました。
使ったGPTsはまずミルちゃん。
さきほど得たデータをgoogleスプレッドシートでPDF化し、ミルちゃんに貼り付けて、設定を作り込みます。
出来上がったのがこちら。

①あらすじ
主人公は禁忌を犯し、時空をゆがめその代償を負っている(体が異形と化していたり、死ぬことができないなど大きなもの)。
他にも同じ禁忌を犯した仲間たちと3人くらいで旅(数十年から数百年)をしている。
基本的にワイワイガヤガヤしているが、それぞれかなり暗い過去を持っている。
ある村で一人の女の子に一行は出会う。
女の子は「時間そのもの」や「大切な人との時間・関係」を軽視していることがわかる。
女の子は家族と上手くいっておらず、家を飛び出し、家族を心配させる。
追うと女の子はなにかしらのピンチに陥っている。
一行は女の子を助けるが「異形の姿やあり得ない力」を見せつけ、
女の子に時間を歪めることの意味を見せる。
ピンチを退け、謝る女の子に、
「大切な人がいるうちにちゃんと謝っておきな」と笑顔で言う。
一行は自分たちの歪んだ時間を元に戻す手がかりを村で手に入れ、また次の目的地へと旅立つ。

②キャラ
・主人公・・・女性。性格は快活で豪快。よく笑う。家族を取り戻そうと時間を歪めたことで、唯一の肉親である弟を時空のかなたへ飛ばしてしまう。長い年月を生きていて、時空のゆがみも相まって異形な姿と力を持つが、普段はなにかしらの手段でそれを隠している

・仲間1・・・男性。大きなゴーレムの方の肩に乗る少年風の風貌。時空を歪ませた代償に年をとれなくなった。本来の姿はかなり禍々しい。のほほんとお気楽な感じに見えるが、実はかなりの切れ者。

・仲間2・・・魔女。見た目はスレンダーな美女。こちらも時空をゆがめた代償を背負っていて、本来は相当長く生きている。非常に大きな魔力をもっている。性格がきつい

Miru

細かい設定を全て載せるとかなり長いので、PDFを下のほうに貼っておきます。

キャラのイメージ画像を生成

主人公カイラ・kawaii
主人公カイラ・リアル
仲間1ニック・kawaii
仲間1ニック・リアル
仲間2ラヴィーナkawaii
仲間2ラヴィーナ・リアル

kawaiiバージョンはこちらのGPTsを使用させていただきました↓

リアルバージョンはkawaiiバージョンをこちらのGPTsに放り込んで作ってもらいました↓

ちょっとラヴィーナだけなんかイメージが浮いているので作り直してもいいかなと思います。(OpenAIさん、ChatGPTのチャット上限増やしてください…)


設定をメルに放り込むことであらすじを洗練・発展

作った物語のイメージをgoogleスプレッドシートに貼り付けPDF化し、
メルちゃんに放り込み、ストーリーを作ります。メルちゃんは感傷的なストーリーを作るのが得意です。
このGPTsは
①「大きな勘違いや間違いを犯しているキャラ」が
②「その間違いを正す」
ことで感動を作ります。
今回はこの流れのあらすじがすでに出来てしまっているのですが、一応使いましたw
この物語では主人公たちが超高齢なので、このキャラたちが間違えを犯すより、間違えを犯しているキャラクターを救う方が自然なので、そちらを選びました。話のタイプで変えた方がいいと思っています。
このへんの自論ですが詳しいことは別の機会にお話したいと思っています。


今回のストーリーは、フリーレンのような「勇者一行が魔王を倒した後の世界」という誰もが一瞬で理解できる世界観を使っていないので、世界観の描写に時間がかかります。ですので、
フリーレン形式の第1話が作りづらいという結論に至っています。
なので今回は漫画版「ワンピース」第1話を大枠のモデルとし、構成要素はフリーレンに近い状態で作っています。
余談ではありますが、多くの傑作漫画・アニメがある中で、
・漫画版ワンピース
・アニメ版進撃の巨人
の第1話は特に優れていると思っています。

今回ワンピースを選んだ理由は進撃の巨人よりも話のニュアンスが近いからです。
ワンピースが連載開始したとき、
井上雄彦先生(スラムダンク・バガボンド等で有名)が「連載の第一話を読んだ時点で『すごい漫画が始まった』『間違いなく大丈夫だと確信した』と思った」「作者が伝えたい意思が満ち溢れている」と絶賛したという逸話があります。
特にこの、『間違いなく大丈夫だと確信した』という部分に注目しています。単に面白いと言うのではなく大丈夫というのは、競合が数多くいる中でもこの作品なら人気になれる・連載が続くというニュアンスで仰ったのだろうと解釈しています。
せっかくストーリーを作るなら長く続けたいはずですから、ワンピースをモデルにしたという流れです。

PDF化したその他設定も放り込み、細かい部分をつけ足す

上記のあらすじに加えこれをメルちゃんにさらに放り込み、ストーリーを作ります。整理されてない情報を雑に放り込んじゃってすまん!メルちゃん!


出来上がったプロットを表形式で出力する

そして、作ってくれたプロットを表形式で出力してもらいます。これをスプレッドシートにコピペできるのでプロット管理がすごく楽になります。

メル

さらに各シーンを分解して、細かく作ってもらいます。


まとめたものがこちらです。
物語の構成要素が
ファンタジーと神秘性: 30%
キャラクターの成長と人間ドラマ: 25%
冒険と探求: 20%
哲学的・思索的要素: 15%
アクションとスリル: 10%
おおよそこの通りになっているのではないかと思います。

また、各シーンの微調整などは一切行っていない「プレーン」の状態なので、好みに応じて脚色できます。
この表のドーパミン・オキシトシンの数値がどちらも低いシーンが続くと、オーディエンスにとって退屈ということになってしまいます。
もちろん概念的な数値なので、最終的な判断はユーザー自身で行う必要があるとは思いますが、うまくいっていないシーンがないか探す際はけっこう楽になるんじゃないかと思います。

おわりに

これで一応、「幸福ホルモン・仮想オーディエンス」を用いたストーリー作りの流れは以上になります。ここからさらに設定やキャラクターを練り込むことでさらに良質な物語を作ることが出来ると思います。

この流れも慣れればすごく簡単で、作業している時間がすごく短く、待っている時間がかかっているだけです。ChatGPTの文章出力がやはりまだまだスピード感がない(というか落ちたw)ので、それがGPT5などで改善されればさらに効率が上がると思いますし、なにより再現性が高いことがこの作り方の最も大きなメリットだと思います。

はい。今回はこれで終わろうと思います。長い文章を読んでくださりありがとうございました!ではまた!


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