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そうだ!東海道五十三次歩いてみよう。  (episode2 最強の助っ人、アマゾンカードマン登場!)

早稲田祭のとある企画に集中していた為、しばらく連載お休みしておりました。これについてもいつかnoteにまとめたいなと考えてます。

本日語るepisode2は三重県は亀山から愛知県名古屋市までのおはなし。「信頼」という言葉がキーワードの2日目でした。それでは参りましょう。

DQNとの一戦(episode1参照)を終え、しまむらの駐車場で朝の目覚め。朝5:44に出発。すると歩き始めて2分のところに

嘘だろ、、。「どうせこの辺じゃネカフェもないやろ。」と高を括った昨日の自分をぶん殴りたい。亀山市民の皆さんごめんなさい。気を取り直して朝の三重県を北上。朝ランニングをしているお兄さんと一緒に歩いたり、コンビニのおばちゃんに応援されたりと健康的な朝活を送っていると、

「ん、足がおかしい。」

靴を脱ぐと両足に大きなマメが。まだ600kmあるのに大きな痛手を負った僕は素早くテーピングで処置。原因は間違いなく靴だ。僕はこの旅に合わせて新品の靴を購入し、「言うて大丈夫っしょ」と過信をし、ついには店の試し履き以来一度も履かずに旅に臨んていたのだ(馬鹿)。これから歩き旅をする諸君。

「靴は信頼の置ける履きなれた相棒にすること!」

それでも痛みに耐えて進んだ。なぜなら今日は僕を"歩き”の世界に導いたTさん(episode0参照)がわざわざ仕事の合間を縫って援護に来てくれる約束になっていたからだ。足の痛みに苦しみながらついに待ち合わせの場所、近鉄四日市駅に到着。しかし見当たらない。すると前方から怪しい影が、、、


ええ、なんやこれえ!!!(笑)  僕の師匠Tさんは、当時(2018年5月)まだ届いている人が数少なくレアなzozoスーツを全身に身にまとい、額にはamazonカードを装着する、アマゾンカードマンと化していた。この遭遇の瞬間はぜひ動画で見せたいくらい面白かった。Tさんいわく「トヨタの横歩いてたんだけどさ、商談中の営業マンが俺見て吹き出してたわ。」とのこと。営業マンの商談がうまくいったと祈りたいところだ。

そんなこんなで僕はTさんと合流を果たした。そしてTさんに格好の理由を尋ねると、「俺はまさとの財布になる。だから欲しいものあったらなんでも言ってくれ。旅の経済的援助は任せとけ!」とのこと。そして後に豪快王と噂される師匠Tさんとの旅は始まった。

歩き始めるとすぐにTさんの豪快王っぷりは爆発。内定祝いということで歩きのお供用に、Bluetooth付きスピーカーを貰った。そして自販機や店を見つけるたびに「何か買おうか」と次から次へと自ら財布を開いていった。話を聞くと、Tさんは会社の同期とどれだけカードを切ったかを競っているらしい。社会人が半端ないのか、Tさんが半端ないのか。すでに90kmを歩き、疲れがで始めてきた僕にはもはや測定不可能だった。

しかし僕は笑いすぎるあまり足の痛みに気付かなくなっていた。そしてTさんの姿が目立つあまり沿道からの声援も一段と増し、僕は大いに励まされた。そして桑名市を過ぎるとこの旅を知っていた先輩方や同期が駆けつけてくれて楽しく進むことができた。

まずは写真右奥、フラッシュモ部時代の先輩であるぼーいさん。前のご夫妻の車から降りての登場という新スタイルの登場だった(笑) 歩いている僕たちに合流するためにわずか数kmの距離をヒッチハイクしたらしい。

そして写真右手前、早稲田大学で同期のしゅーた。就活で実家の愛知に戻ってきているところ、短い距離だけど名古屋までならと合流を決めてくれた。

こうして昨日の孤独の戦いが嘘のように、疲労はありながらも楽しく4人で名古屋を目指すことができた。特にネガティブな言葉を発した瞬間に罰ゲームを受ける「聖飢魔IIゲーム」を開始してからは笑いが絶えなかった。みんなでグダグダと会話しながらも足はがんがん飛ばした。そして、もう一人の先輩Iさんが待ち構えている本日のゴール名古屋駅に到着。

ここで予定のあるしゅーたとは別れを告げ、4人で名古屋飯を食らいにいくことに。しかし名古屋駅に着いたのと同時に、気が抜けてしまって疲労がどっと押し寄せ、足の激痛が再発した。それもそのはずここまで2日で140km。僕の体力はからっぽに近かった。そして旅の頼みの綱である僕のスマホも気が抜けたのか充電があるのに電源がつかなくなるという緊急事態に。これには焦ったが「様子を見て、それでも直らなかったら俺の携帯を一時的に貸すから。」と、ぼーいさんが仏のような優しさで安心させてくれた。

そして「山本屋本店」の味噌煮込みうどんを頂いた。全身に塩気が染み渡っていくのを感じた。深く味わっているとなぜかTさんの目に涙が。かつて早稲田を鳴らした歩きの怪物であるTさんも、体力の限界が近かったらしい。それなのに疲れた素振りを見せず、歩行中ずっと励まし続けてくれた。その事がただ本当に嬉しかった。ありがとうございます。

ご飯を食べ終え、本日の宿であるスーパー銭湯へ。しかし食事場所から銭湯まで約3km。もちろん電車に乗る事は許されない。限界の体を引きずり続け約1時間かけてようやく到着するとそこは楽園だった。3日ぶりの風呂に全てが癒された。そしてなんと僕の体が癒されたのと同時にスマホも回復。これで一安心だとなったところでIさん宅に泊まるTさんとぼーいさんとお別れ。そして「明日東京に戻るから午前中だけ再び合流して少し一緒に歩こう!」と2人に告げられ、一人の夜を迎えるのであった。


こうして頼もしい先輩方に支えられ、episode2は終了。みなさんの会社の話や、お金に対する価値観の話など馬鹿話の他にもnoteには到底まとめきれない程沢山の話をさせてもらった。このような深い話をゆっくりとできるのも長い距離を誰かと共に歩く醍醐味の一つだと僕は思う。一方で長距離歩行は積み上げてきた関係値(=信頼)を測るバロメーターになると思う。大した関係じゃなければ、無言の時間が辛いだろうし、自分を犠牲にしてまで相手を支える気にはならないだろう。だから長い距離を誰かと歩く時は少々勇気がいる。体力、精神の限界に近づいた時に人は本性が見えるから。僕は今日、夕飯の時にTさんの涙を見た。その時言った言葉がまだ印象に残っている。

「自分の体力がこんなに落ちたのが悔しいし、もっと (距離を)歩いて頑張ってるまさとの前じゃ疲れたなんて言えねーよ!」

自分も限界が近いのに僕を気遣ってくれるこの優しさに、またカードマンとなって思いっきり笑わせてくれたり、本当にこの日の全ての経済的支援をしてくれた男気に触れ、僕は改めてついていきたい師匠だなと思った。そして俺も後輩を支えられるでかい人間になりたいと本気で思った。


次回episode3「リタイアか?孤独のアタック愛知横断編」


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