SEから教員への転職エントリー

ブログにつきものの、転職エントリーが書きたかったので、書きます。

民間企業での就職を経て、教員になる方は昨今珍しくないようで、今の同僚にもちらほらいるし、国も民間企業経験者を積極的に採用したいと考えているようです。

ただ、そういった道を選ぶ方のほとんどは、大学で教職免許を取っている。

少しでも興味があって、進学先の大学で免許取得可能であるならば、取るべきですよねそれは。

そうじゃないケース、思いつきで社会人やってる途中に進路変更してしまったケースはどうやら稀なようなので、そこのところを書いていきたいと思います。


大学〜民間企業入社

まず4年制の私立文系大学を卒業したわたしは、新卒で入社し、SEとして民間企業で働きました。

ゴリッゴリの文系でしたが、システムエンジニアとして働くことになり、入社してからプログラミングを学びました。

主に学んだ言語は、COBOL。

今をときめく最先端言語とは真逆を行く、仕事で既存のプログラムを修正しようものなら自分よりもプログラムの方が年上だったなんてことがザラにあるようなロマン溢れる言語でした。

一から学んだので四苦八苦、紆余曲折ありましたが7年ほど勤めました。

SEという職業のイメージそのままに、残業が多かったり、炎上案件で燃え盛ったり、クライアントからの理不尽さに泣いたり、システムトラブルで夜中に起こされて会社に行ったり、行った先の会社で日の出と共に虹を見たりと一通りの経験ができました。

で、したくなるんですよね。転職。

考えたのは巨大炎上案件が終了した直後、30手前の年齢でした。


転職活動開始

転職しようかなあ、とぼんやり考えていたなかで、教員になりたいというのは漠然とした選択肢のなかのひとつでした。

なんか面白そう、というのがほぼ唯一の志望動機だったのですが、たぶんそう思ったのは小学生に触れる機会がとても多かったことと、教員をしている友人が多かったからだと思います。


なれるもんなら1回やってみたいなあ、と思いましたがここで気がつきます。
教員免許を持っていないことに。

卒業した大学は4年制大学で、中学校以上の教職免許は取得可能だったものの、小学校教員免許が取れなかったので、興味が湧かず取りませんでした。

今思えば取っておけばよかった。暇だったし。

中学校、高校の免許でも、持っていれば小学校教員免許取得が優遇され、楽になります。

とにかくまっさら、な状態から社会人が教員免許をとる方法は2つあると思います。


1・通信大学に通う。

2・教員資格認定試験に合格する。


どちらのルートを通っても、短大卒と同様の2種免許が取得できます。
教員免許は大卒の1種免許と、短大卒の2種免許がありますが、採用後は仕事内容、給料、福利厚生その他に差はありません。

給料は年齢と、プラスに算定される経験年数で算出されます。

多くの人が考えるのは、「1・通信大学に通う。」だと思います。


ただ、このルートだと、最後に必ず教育実習がついてまわります。
小中高の在学中、たまに、思いっきり若い先生が短期間やってきて拙いけれども瑞々しい授業をして帰っていましたよね。あれです。

つまり、通信大学に通うということは、最短でも1ヶ月ほど会社を休んで教育実習に通わなければなりません。

イコール、退職を意味する長さです。


この選択をする限り、次の就職が決まる前に会社を辞めなければならないリスクがありました。

教員免許を取得できたからといって、採用されるとは限りません。
免許の取得試験と、採用試験はまったくの別物だからです。なんでやねん。


と、いうことで、わたしが通ったルートは「2・教員資格認定試験に合格する。」でした。


この試験はもともと小中高すべての教員向けに用意されていましたが、わたしが受験した時点で中高については廃止、小学校向けの試験のみが残されていました。

ただ、小学校の教員資格認定試験についても、近いうちに廃止することが公表されていました。(今のところまだ廃止されておらず、時期未定のまま継続されているようです)


わたしが後者のルートでいこう、と思った理由は、

・受験料が安い

・土日の試験しかない

・教育実習がない

の3つです。


受験料は1万5000円程度、通信大学に通うとなれば数十万かかることから、破格の安さといえます。

そしてこの試験、もともと社会人登用向けに作られたと言われていることもあって、土日に行われる試験だけで済みました。

長期にわたる教育実習もありません。(それにあたる2日間の3次試験、はありました)


ただ唯一のデメリットは、合格率が低いことです。
学科9教科と面接、実技試験があり、範囲が広く、社会人をやりながら勉強するにはかなりの困難がありました。

具体的に言うとほんとにハゲましたし白髪が一時期めちゃくちゃ増えました。その後復活してよかったです。

この教員資格認定試験を受け、並行して同年の教員採用試験も受験することになりました。



免許取得〜採用まで

認定試験も、採用試験も、欲張って二足の草鞋を履くことになりましたが、とりあえず1年で認定試験に受かり、教員免許を取得することを目標にしました。

認定試験がいつなくなるか分からなかったのと、教員免許があれば正規採用でなくとも講師で先生をやりながら採用を目指す道が拓けるからです。

とりあえず1年受けてみて、こりゃ無理だわ……という感触であれば観念して通信大学に通うか、もういっそ大学に通い直して楽しむか、まったく別の職種に転職しようと思っていました。

認定試験は学科もクセがあって大変でしたが、実技試験がとにかく面倒でした。

音楽、美術、体育の3つのうち、2つを選んで受験するのですが、わたしが選んだのは音楽と美術でした。

ピアノが弾けたのと、絵を描くのが好きだったからです。


音楽は課題曲をピアノで弾き語り(楽譜自由。音大出身だろ!!!という方がわたしの前に超絶技巧で弾き語っていて焦りました)と、絵は静物水彩画。


この試験、対策本もあまりないのでネットで過去の出題傾向を観ながら対策を練りました。

特に美術は、過去ずっっと「自分の手」が課題で出ていたのでそればかり練習していったら、出たお題が「軍手と画用紙と紙皿」でした。

受験者が息を飲む音が聞こえた。


で、記念受験くらいの気持ちで採用試験にも申し込んだのですが、本来なら5年以上の勤続年数があるので社会人免除枠を使い、採用試験は面接だけで済むはずが、認定試験の日程と採用試験の日程がモロ被りしていたので同年に受験するのであれば学科試験からきっちり受けなければなりませんでした。


勉強内容の多くは認定試験と重なっていたものの、小論文対策がめんどくさかった…。

採用面接は大学生に混じってうけました。

この面接の際に、「学習指導案を作って持ってこい」というのがあり、学習…しどう……??という状態だったわたしは、かなり友人に助けていただきました。
ほんとありがとう。


実際には対策を進めて3ヶ月くらい経ったところで、勤めていた会社の仕事がくっそ忙しくなり、そこから数ヶ月どうやって仕事と2つの試験を乗り切っていたのかほんとに記憶が朧げです。

が、結果としては同年に免許も取れて採用試験も受かったので、翌年4月から先生になることになりました。


免許取得試験の結果のほうがはやく出たので、採用試験の結果が分かる前に会社には退職の意を伝えました。
受かっててよかった。

小学校で働いてみて

4年働いて、いま産休に入りましたが、おもしろいです。なんか面白そう、という感覚はあってたなあと思います。

ただ、認定試験で採用までされている方がガチでいない=教育実習を受けていない先生が他には存在しないことから、当然体制も取られておらず、え、そんなやついるの……?という感じで初年度はたいへん苦労しました。


こいつ何にも知らねえな!!と思われたと思います。
ここでも最初からぜんぶ教えていただきました。感謝しかない。


なんだかいま世間でとりだたされているように、仕事内容は大変だと思いますが場所にも人にもよるかなあ、と思います。
中高のほうが部活問題があってさらにシビアそう。おつかれさまです。

育休復帰後も働きたいと思える職に転職できてよかったなあと思います。
同じルートを辿る、稀有な人の役に立ちますように。
おわり。


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