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DX: DBプロジェクト始動 〜要件定義のススメ〜

前から話していたデータベース(DB)構築のプロジェクトが、部内上位の許可をもらい、本格的に始動することになりましたので、どんなツールで構築するのか?予算は?ベンダーに発注するのか?などなど。。。決めなければならないことがたくさんあります。
そのためにも、まずは目指すデータベースの必要要件を定義することから始めていきます。(要件定義)

DXの要件定義とは?その重要性

データベースの要件定義はプロジェクトの最初の段階で行われ、その結果・精度がプロジェクトの成功に大きく影響します。必要要件を書面に整理したものを要件定義書と言いますが、要件定義書をしっかり作り込む必要があります。その意義は以下になります。

① 目的の明確化
要件定義は、プロジェクトの目的と目標を明確にするのに役立ちます。どのような機能を持つ必要があるか、どのようなデータが必要かなど、全体的なビジョンがここで定まります。
②不要な機能を省く
要件定義に基づいて、不必要な機能を省くことができます。構築段階である機能の要否を決める際に振り返って判断ができます。結果、プロジェクトの進行が遅れたり、コストが高くついたりするリスクを防止できます。
④エラーを減少させる
データベースに誤った機能が含まれていたり、重要なデータが欠落していた場合、要件定義と照らし合わせることで本当に取るべき手を打つことができるようになります。
⑤関係者との意思疎通・やりとりが容易になる
要件定義書を共通認識とすることで、目指す方向やビジョンを関係者やベンダーと同じ方向を向いてプロジェクトを進めることができるようになります。

よって、要件定義書の精度がプロジェクトの成功に欠かせない重要な要素であることが理解いただけたかと思います。

要件定義書の作り方は?

要件定義書を作る上で、以下のポイントを押さえて検討する必要があります。

①目的
まず、データベースの利用目的を明確にする必要があります。これを明確にすることで、適切なデータベース構造や必要なデータを把握できます。
②初期検討
利用目的を明確化したら、どのようなデータ、どのような属性が必要なのか、どのような検索条件を考えているのかなど、初期的な要件を検討します。
③要件定義
初期検討を踏まえ、具体的な要件を定義します。これには、データモデル、属性、関係性、制約条件、検索条件などが含まれます。
④要件の整理と優先順位付け
要件が定義されたら、優先順位をつけます。特に、必須要件と任意要件を明確に区別しておきましょう。優先順位を明確にしておかないと、先に優先度の低い機能を実装してしまったことで本当に必要な機能が期待通りに働かないことが起こりえます。
⑤業務フローでの可視化
DX化は、既存の業務を効率化したいということが目的なので、既存の業務フローに対して、構築する機能でどの業務が効率化されるかを理解するためにも既存の業務を書き出してみるとイメージしやすくなります。この検討の中で、抜けていた必要要件が出てくることもあります。

以上が、データベースを作る際に考慮すべきポイントの一例です。要件定義をしっかり行うことで、開発プロジェクトがスムーズに進行し、バグやトラブルを未然に防ぐことができます。
また非常に大事なことですが、自分一人だけで考えすぎず、関係者と密に話し合う場を持つこともその完成度に大きく寄与します。

今回の要件を定義してみる

以上を踏まえて、要件定義書を作成してみました。実際はpptで具体的なイメージも交えて作成していますが、note用に箇条書きにしています。

目的:
海外拠点含めたデータを一元管理し参照できるデータベースを構築することで、各拠点で自力で課題解決できるようにする。また、日本本社側が課題解決に活用したノウハウ集も入力し参照できるようにすることで、海外拠点のメンバーの知識・スキルアップを図る。
また、入力したデータを自動で整理・指標化する機能を追加し、改善の方向付けに活用する。

要件定義(必須/任意):
(必須)
・海外拠点からアクセスできるように、クラウド上にデータを保管する
・各データの検索用に検索項目を定義(日付、拠点、工程、概要、など)
・データ入力時に、各検索項目の情報入力必須(見やすいUIの検討が必要)
・入力されたデータは、DB内で自動で各検索項目を元にエクセルリスト化
・エクセルリストを基に、指定した形式でグラフ出力する(グラフの形式は事前に指定する)
・データ入力が終わったら、ワンクリックで日報化し全拠点展開
・データ検索時は、複数の項目で検索可能(日付と拠点、工程と概要、など)
・検索時は、一つの項目に対して複数の条件を指定可能。(日付は期間指定、複数工程を検索、など)
・ノウハウ集は、海外拠点には入力権限は与えず、全て日本側で入力するノウハウの厳選を行う
(任意)
・AIと連携し、検索条件からサジェストで類似可能性のある事例を提案してくれる

業務フローの変化(現状/構築後比較):
現状の業務フロー

①日々のデータを日報にまとめる(人力)
②データをエクセルリストに入力(人力)
③①②のデータを整理してグラフ化、pdfに変換してSPOに保存(人力)
④日報として海外拠点に展開(人力)
⑤他拠点の発生状況を入手しグローバル異物データを整理(人力)
⑥過去データの参照時は、SPO内で検索(人力)
構築後の業務フロー(※が改善点)
①日々のデータを日報にまとめる(人力)
②データをDBに入力(人力)
③データは自動でグラフ化(自動)※
④データが入ったら、自動で日報を海外拠点に展開(自動)※
⑤他拠点の発生状況も自動で出力(自動)※
⑥過去データの参照時は、複数のキーワードで検索(人力)※

こんなところでしょうか。
翌週にはこの要件定義書を基に部内打ち合わせが開かれると思いますので、そのFBを受けて完成度を上げていきたいと思います。

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