潜伏期間はシメシメ期間

令和元年水無月14日 毎日ARUYO通信第300回
潜伏期間はシメシメ期間
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アマゾン銀行が誕生する日
を読みました
文字通り、アマゾンが銀行を作る日が2025年にくるのではないか?
を軸に、アリババやテンセント、DBS銀行などデジタルを基点に金融ビジネスに侵食してきているプレーヤーや既存プレーヤー(邦銀やゴールドマンサックス、JPモルガン)の最新の戦略や動向が書かれていました。
詳細は本書に譲りますが、
極端な言葉遣いの大切さ
傍から見たら「気が狂ってる」とか、荒唐無稽にしか思えないくらい大きな目標やビジョン(ミッション)を掲げることの大切さ
は、成長戦略上不可欠。
というのが個人的には印象的でした。

アマゾンのミッションは、
地球上で最も顧客第一主義の会社
ですし、
アリババのビジョンは、
アメリカ、中国、ヨーロッパ、日本に次ぐ、世界第5位のアリババ経済圏を構築すること
です。
デカすぎじゃないですか!?
今でこそ、こう言われると、「あり得るかも。実際それに近づいてるかも
!?」なんて感じてしまうかもしれませんが、創業当時に、これを聞いたら「はあ?」って感じだったと思うんです。
でも、Amazonのベソスもアリババのジャック・マーも創業当時からこれを本気で言っていたのではないか!?
と思うのです。
創業当時は、こんなことを人に言うと、
「地球で最も顧客第一主義」って言って、オンラインの本販売ですか?
「世界5位の経済圏を作る」ってECサイトですか?
正気ですか?
って、ほとんどの人に言われたと思うんですよね。

しかし、その荒唐無稽さが、創業から20年の月日を経て、リアリティーを持ち始めている。
どちらの会社も、世界最強の企業の一つになっています。
千里の道も一歩から
ローマは一日にして成らず
とはまさにこのことなんでしょう。

大きなビジョンを掲げようとも、最初の一手はとても小さなものなんですよね。
PayPalマフィアのドンとも呼ばれる、ピーター・ティールは、アマゾンについて次のように言っています。
「ベソスは、創業当時からオンライン小売市場を支配するというビジョンを持っていたけど、極めて意図的に、まずは本から始めた。(中略)アマゾンは徐々にカテゴリーを拡大し、ついに世界一のデパートになった」
と。
ちなみに、彼の哲学は、
競争を避け、独占を目指す
で、
どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。失敗するなら小さすぎて失敗する方が良い。理由は、単純。大きな市場よりも小さな市場の方が支配しやすいからだ。
と言っています。

どうせ掲げるのであれば、ビジョンや目標は大きければ大きいほど良い。
でも、最初の一歩は、足元の小さな地上戦から攻めて行く。
そこで確実な戦果を上げる。
そんな小さな地上戦や戦果は、周りの人はおそらく気づきもしないし、目もくれないでしょう。
でも、ひとたび、意識されるようになった時には、もう途轍もないエネルギーを持った人(会社)になっている。今から追いつこうにも追いつけなくなっている。
そんな感じなのではないか?
って思うのです。例えば、
筋トレをして、外見が変わっているころには、かなりの成果が出るようになっている。
受験勉強で、成績が出るようになったころには、めちゃ力がついている
みたいな。
実際、それまでの過程を、誰も気にしませんし…外から分かる、成長ってのは非連続ですからね。
そんな、誰にも気にもされない、潜伏期間をしめしめと思い、コツコツやり続ける。
ある時、誰かが「それって、凄くないですか?」
なんて言い出すようになる。
この状態になったら、指数関数的に成長が加速していくのではないか?
個人の成長戦略もきっと、これと全く一緒なんだろうと思ったのです。
潜伏期間はシメシメ期間なのだ。
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ビジョンや目標は、荒唐無稽なくらい大きいのものが良い。
でも、その実現に向けた、初手は小さな戦場から始めるのだ。
ピーター・ティールの哲学は、
競争を避け、独占を目指す
だ。小さな市場を支配することから始めるのだ。
目に見える成果を上げるには、時間がかかる。その過程を誰も気にしないだろう。
目に見えるような頃には、大きな力を蓄えていることだろう。
その時から、指数関数的な成長が始まるのだ。
だからこそ、潜伏期間が大切なのだ。そこをしめしめと思うのだ。
潜伏期間はシメシメ期間なのだ。


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