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「黄金の数」

はじめに

 本件は「黄金の扉」の続きとなります。主に「黄金比」に関する数と性質についてのお話です。その性質は「孤高なる三位一体の円」と同様、この世にこれしか無い特別なものですので、ぜひ理解して下さいまし。

名言霜月やよい

 「黄金比」は生命の創造に関係します。三位一体に当てはめるなら「円」+「黄金比」=「生命」と表せる、円の対になる根本原理です。「最も古き者」「円」の力は無限ですが、いくら無限であろうとも”それ”だけでは力は円周を循環するばかりで形を成せません。最も古き者の力をこの世に顕現させるには「絶妙なズレ」「絶妙な比」が必要です。円のように永遠に繰り返し、かつ拡張・縮小が行える絶妙な比、それが黄金比です。

黄金比

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 我々人間がその姿を認識する方法は二つあります。一つは数、一つは図形です。ただし、円とは考え方が違います。円は単独で形をなす「孤高なる三位一体」。黄金比は二つで形をなす「似て非なる対」。ちょっと抽象的すぎですかね。まぁ百聞は一見にしかず。黄金比に関する数と図形を順にDecodeしてゆきます。

綺麗な黄金螺旋

 まずはこの格言から始めましょう。「個は全 全は個」。正負の対をなす「個」が「全」となり、その「全」はまた新たな「個」となる「個+個=全」の繰り返し、いわゆる「三位一体」の理を表す格言です。この普遍の原理を数字に置き換えますと「1+2=3」です。この場合、1が「男性性・父性・死」「円・π」であり、2が「女性性・母性・生」、数にすると「1.618033..」の黄金比となり、それゆえの性質を有します。

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 この特別な数「黄金比」は「最も古き者」の次に生じた「似て非なる対」です。プラスでもありマイナスでもある、しかし拮抗を保つ絶妙なバランス。そんな黄金の姿を我々が見るには比べなければなりません。二つのものを比べるのです。そうした時に現れる「比」に、その姿を見ることができます。

ロゴス

​ 「比」は古代ギリシア語で「ロゴス」と言います。宗教体系によっては唯一神を「ロゴス」と呼ぶほどの重要な智慧です。「比」とは、"ある数が他の数の何倍にあたるか?"という関係を表しています。この比に関して古代の賢人プラトンは「長い方に対する全体の比が、短い方に対する長い方の比と等しくなる」そんな特別な比を見つけよと残しました。こんな不可思議な条件を満たす「特別な比」はこの世に一つしか存在しません。

そう、黄金比です。

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 プラトンの言葉は一見不可解ですが、数で見れば的を得た確かな言葉です。個は全体を表し、全体はまた個を表す。この言葉を念頭に上図のa,b,cに数を当てはめてゆきます。「aは長い方」「bは短い方」「cは全体」です。

​『長い方に対する全体の比が、短い方に対する長い方の比と等しくなる比』

​「全体(c)が1.618の場合、長い方(a)が1で短い方(b)が0.618です」

長い方に対する全体の比  = 1.618 ÷ 1 = 1.618

短い方に対する長い方の比 = 1 ÷ 0.618 = 1.618

​ 「全体が1の場合、長い方が0.618で短い方が0.381です」

長い方に対する全体の比  = 1 ÷ 0.618 = 1.618

短い方に対する長い方の比 = 0.618033 ÷ 0.38196 = 1.618

 「全体が0.618の場合、長い方が0.38192で短い方が0.23602です」

長い方に対する全体の比  = 0.618 ÷ 0.38196 = 1.618

短い方に対する長い方の比 = 0.38196 ÷ 0.23606 = 1.618

​ こんな神がかった比率だからこそ「円の力」を絶妙なバランスで秩序立てられるのです。しかしながら少々数字の羅列が過ぎますね。これでは数字に慣れていない人では嫌になってしまいます。そこでもっとエレガントな表現になおしましょう。黄金比は「美」そのもの。ですから上記の数字の羅列も黄金比に限り、その性質ゆえに一つの記号で表せ、美しく置き換えられます。

 その記号とは「Φ」。パルテノン神殿に黄金分割を用いたギリシアの建築家フィディアスの頭文字にちなみ「Φ」「ファイ」とされています。

プラス方向の黄金比が「1.618」「Φ」「ファイ」
マイナス方向の黄金比が「0.618」「φ」「フィー」

 では前述の数式を美しい記号に置き換えます。

「全体がΦの場合、長い方が1で短い方がφです」

長い方に対する全体の比  = Φ ÷ 1 = Φ

短い方に対する長い方の比 = 1 ÷ φ = Φ

 「全体が1の場合、長い方がφで短い方がφ²です」

長い方に対する全体の比  = 1 ÷ φ = Φ

短い方に対する長い方の比 = φ ÷ φ² = Φ

 「全体がφの場合、長い方がφ²で短い方がφ³です」

長い方に対する全体の比  = φ ÷ φ² = Φ

短い方に対する長い方の比 = φ² ÷ φ³ = Φ

​ 少々乱暴ですが簡潔に書けば、

​φ³ に Φをかけると φ² になり、

φ² に Φをかけると φ になり、

φ にΦをかけると1になり、

1に Φをかけると Φ になり........

 これがプラス方向にもマイナス方向にも延々と続きます。延々とです。つまり円と同じ「無限」を有するということ。

無限

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 円周率が無理数なのはご存知かと思いますが、「Φ・√2・√3」も無理数です。象徴もそうですが、古ければ古いほど理がはっきり現れています。換言すれば、この世にこれしかないモノの最小単位には原理がはっきり現れているということ。数で言うなら「「1・2・3」「3・4・5」。図形なら「三角形・四角形・五角形」、立体なら「5つのプラトン立体」これらには根本原理がはっきりと現れます。

 Φにはもう一つ「無限」に類する「繰り返し」があります。お気づきかとは思いますが、小数点以下の「618」のことです。二乗して同じ数が現れる数字はΦだけで、この性質ゆえに前述のような美しい数式に置き換えられます。

1.618 × 1.618 = 2.618
Φ × Φ = Φ²

 上記の性質を理解しますと以下の式が理解できます。唯一無二の式で他の数では代用がききません。

X² − X − 1 = 0

Φ² − Φ − 1 = 0

1.618² − 1.618 − 1 = 0

 以上のことから読み取れる理は、生命の「成長」であり詳細に申し上げれば「自己相似」「自己複製」です。生命は突然大きくなったり小さくなったりはしません。少しづつ成長をしてゆきますが、その全体は成長のどの段階においても「全体とその他の部分」との比率で黄金比を保ちます。また、その形も急に突飛な形にはならず、必ず自己相似・自己複製を経て拡大・縮小します。アンモナイトの断面が分かりやすいのでwikiから引用します

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 周回しながら成長する貝を何周目で切ったとしても、「全体」と「全体を構成する渦」の比率は一定であり黄金比を保ちます。その形は貝の中心の渦の「自己相似」「自己複製」であり決して崩れません。もちろん我々人間も同じです。

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 そして、この構造は先にも述べましたが根本原理ですから、下がこうなら上もこうです。

 上というのは天、即ち宇宙。我々が住む太陽系が属する銀河の姿です。銀河に対して太陽系が周回している場所(赤矢印)にも注意してください。そのポイントは銀河の中心から淵までの直線を「1:1.618」の黄金比率で分割するポイントです。広大な銀河の中の、そんな特別な場所にピンポイントで存在しているのが太陽系。

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もう少しわかりやすく球に展開。

銀河3d

お次は真上からの視点。分割ポイントの赤い点が太陽系。

銀河golden

太陽系の内惑星・外惑星の軌道も、ともに黄金螺旋上に位置します。

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 そんな宇宙の中の星の一つが我々の住む地球ですから、その全てに黄金比が現れています。ただし一筋縄ではいきません。

黄金比を有するあれこれ

 ではここから黄金比がどのように自然に関わっているのかに焦点をあて進めてゆきます。黄金比は「孤高の円」とは違いその姿は多種多様です。二つのモノの間の比率に現れますので、それが「長さ」だったり「数」だったり「角度」だったりします。「長さ」というのはこれまでに述べてきた「黄金比」、数というのは「フィボナッチ数列」、角度というのは「葉序」の事です。どれからもはっきりとΦが現れます。順にご説明申し上げます。

「フィボナッチ数列」

「フィボナッチ数列」は自然界の至る所で目にする黄金比の現れです。この数列は0から始まり、0.1.1.2.3.5.8.13.21.34.55.89.144..... となる数列で、どの数も先行する二つの数の和です。そして、隣り合う数同士の比率は全てΦの近似であり桁数が増えれば増えるほどΦに近づきます。

1/1 = 1

2/1 = 2

3/2 = 1.5

5/3 = 1.6666

8/5 = 1.6

13/8 = 1.625

21/13 = 1.6154

 フィボナッチ数列と黄金比の関係を理解できれば「黄金螺旋」の仕組みもより深く理解できます。

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 画像の螺旋は全て正方形の対角を繋ぐ弧の繰り返しです。その正方形の1辺の長さはフィボナッチ数で増えてゆきます。ですから円の1/4づつ広がり螺旋を形成する弧は、1/4づつ黄金比で拡張してゆきます。故に「黄金螺旋」なのです。円の無限の力と黄金律が結びついたその姿は、ただ繰り返す円環ではなくプラス方向にもマイナス方向にも無限に拡張・縮小する螺旋です。

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「リュカ数」

 フィボナッチ数列の仕組みが理解できれば、その兄弟のような数列も理解できます。それは「リュカ数」と呼ばれる数列です。仕組みはフィボナッチ数列と同じで、どの数も先行する二つの数の和であり隣り合う数の比は黄金比ですが「始まりの数」だけ違います。フィボナッチ数列はゼロから始まりますがリュカ数は「2」から始まります。

2 . 1 . 3 . 4 . 7 . 11 . 18 . 29 . 47 . 76 . 123 . 199..... 

 リュカ数からは正負の拮抗状態が驚くようなバランスで読み取ることができます。リュカ数列を作る整数は絶妙な正負のバランスの上に成り立つ整数なのです。しかも、その式はプラスとマイナスが順に入れ替わりながら進みます。百聞は一見に如かず。数式を見てみましょう。

「Φ=1.618 φ=0.618」

「2」= Φ + φ²    1.61803398 + 0.38196601

「1」= Φ − φ     1.61803398 − 0.61803398

「3」= Φ² + φ²     2.61803398 + 0.38196601

「4」= Φ³ − φ³    4.23606797 − 0.23606797

「7」= Φ⁴ + φ⁴          6.85410196 + 0.14589803

「11」= Φ⁵ − φ⁵        11.09016994 − 0.09016994


「葉序」

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 葉から次の葉までの角度を「葉序」と言います。その角度は成長の度合いによっていくつか存在しますが最終的には137.5°に近づいてゆきます。この137.5°の数式は

360 ÷ Φ² = 137.5

 成長の度合いによって変わる葉序は全てフィボナッチ数列由来です。

双葉 = 180° = 2/1

三つ葉 = 120° = 3/1

五つ葉 = 144° 〜 216° = 5/2 〜 5/3

八つ葉 = 135° 〜 225° = 8/3 〜 8/5

 観察された全ての植物の開度のおよそ92%が「フィボナッチ数列」由来で、たった1.5%ですが「リュカ数列」由来も存在します。

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 そういう視点で見れば、木の枝もフィボナッチ。

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 ひっくり返せば肺もフィボナッチ。そりゃそーですわよ、植物も人間も同じ自然の一部なのだから。あっ、可愛い動物も同じ仲間であることをお忘れなく。

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喜び

 この世に存在するもの全てが自然の一部であり仲間です。人間が上で動物が下なんてこともありません。人間も動物も植物も、太陽系も銀河も宇宙も全て同じ仲間です。円や黄金比などの根本原理を学ぶことにより、仲間の証がはっきりと認識でき、偽善的な建前の「人類皆兄弟」ではなく、心の底から「あ〜、全ては繋がっているんだ〜、仲間なんだ〜」と理解できたはずです。そして感じたはずです。

​ その時に湧き上がる感情が「喜び」です。真の喜びです。自然を学び理解することでしか到達できない喜びです。どうぞ噛み締めて下さい。そして忘れないで下さい。こんな世の中の現代、真の喜びを感じられる人間はごく僅かですから。

 この世に形ある、生きとして生けるもの全て、πとΦの根本原理から始まった繰り返しの結果。もしかしたら、まだ過程かもしれませんね。

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 では本件「黄金の数」の締めといたしまして、ダヴィンチ先生のお言葉を引用します。

名言ダヴィンチ

 あなた様の心に、わたくしの心が黄金螺旋に乗って届きましたなら、引き続きお付き合いをよろしくお願いします。


本:『As above So below』

アパレル・小物:『Cavalier Camp』

動画:Channel 113

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