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【エッセイ】父と向き合いわたしを知る道。

父との面会日。
いつものように
タイマーを手に
部屋へ向かう。

不調の時を経て
穏やかさを
取り戻した空間。

そっと手を取り
体調を読む。
ゆっくり
そっと
マッサージ。

いろいろつらつら。
父が反応をするのは
わたしがわたしの理解を
深めた話をするとき。

いま父の人生を通して
わたしの人生の理解度を
高めてくれている。

互いが言葉を使って
対峙していたときからは
考えられない域にいる。

父を通して
父と向き合って
わたしはわたしを知った。

典型的な団塊の世代で
子育ては母まかせで
母の不安を背負った
わたしにとっては
父を理解し難かった。

父なりの思い。
ただ表現する術を
知らなかったのだ。

自己肯定感が低かったわたしは
いつも不足感の中で過ごしていた。
父の態度からはそれが見えないから。

わたしがこの人生を選んできたと
自然と理解ができたころから
父との関係が変わった。

ずっとわたしのままを
大切にしてくれていた。
ずっと守ってくれていた。
今もそういていくれてる。
それに気がついたから。

言葉ではない。
ただそういてくれる。
それが心で解る。

わたしはわたしを
愛しめるように。
信じられるように。
大切に扱えるように。
委ねることができるように。

父と会う日は答え合わせ。
今日も大切な30分を
穏やかに過ごす。

帰るとき
父はバイバイと
手を振ってくれた。

きっとわたしは
これでいいのだ。

そう思えるほどに力強く。
父と向き合いわたしを知る道。

少しずつ深まる過程は
愛しく感謝で溢れる。

わたしが、ありがとうと言うと
ありがとうと返そうとしてくれる父。


ありがとうね。


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