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【番外編】 武者修行 強制送還編

     名古屋に住居を移した五月以降も、男は様々なことでPにアドバイスを求めた。

「僕は麻雀は大丈夫なんですが、対人能力のほうで少し不安が残るのですが」
「仕事の良し悪しは、ほぼ職場の人間関係で決まる。接客も大事だが、まずは同僚と信頼関係を結ぶこと。ペンとメモを常備し、顔と名前を完璧に覚えなさい。趣味や出身地も覚えて、少しは話せるように調べなさい」
「そこまでしますか?w」
「うるせえ、いいからやれ」
「はい」

    男がその後メモを取ったかどうかはPに知らせなかったが、しばらくして「同僚の名前を間違えて、嫌われてしまったようです」とだけメッセージが入っていた。



   その昔、男が設立した『返済』という名のLINEグループがあった。メンバーは男(あさじん)、かもしん氏、たわし氏、Pの四人だ。

    返済とは、かもしん氏が金銭を融資していたことに由来する。返済はとうの昔に終わっており、ここは名古屋で奴隷生活を送る男の人生相談所と化していた。

    名古屋の打ち子生活を始めて一ヶ月、ちょうど六月に入ったころ。 この日も『返済』に男のメッセージが投下された。


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