見出し画像

AWS re:Inventで発表されたAmazon Qを使ってみた

こんにちは!Qと聞くと、世代的にリアルタイムに見ていたわけではありませんが、ウルトラQを思い浮かべてしまうあさっちです。

ちょっと出遅れてしまった印象はありますが、今回はAmazon Web Services(AWS)が主催する開発者向けカンファレンス、AWS re:Inventで発表されたAmazon Qについてお話したいと思います。


Amazon Qとは

AWSは11月28日、re:Inventでビジネスツールと統合できるように設計された生成AIアシスタント「Amazon Q」を発表しました。OpenAIのChatGPT、MicrosoftのCopilot、GoogleのDuet AIなどと競合するプロダクトです。

Qという名称は「Question」に由来しますが、007シリーズに登場するMI6の研究開発部門の課長「Q」やスター・トレックシリーズの高次元生命体「Q」をモチーフにしているそうです。

Amazon Qは特定のAIモデルに基づいておらず、AWSのAIプラットフォーム「Amazon Bedrock」を使っており、AnthropicやMetaなどが開発している複数のAIモデルと接続できます。
また、Amazon S3、Google Drive、Dropboxなどよく利用されるデータソース向けのコネクターを40種類以上搭載しており、企業で導入済みのアプリケーションとの連携も簡単です。

機能

Amazon Qは複数の機能をまとめたブランド名のようなものとなっています。Microsoft 365というブランドの下に、Word、Excel、Powerpointのようなサービスが並んでいるイメージでしょうか。Amazon Qの具体的な機能としては以下のようなものがあります。

  • AWS上でのシステム開発支援(Amazon Q For AWS Builder Use)

  • プログラミング支援(Amazon Q in CodeWhisperer)

  • コードの自動変換 (Amazon Q Code Transformation)

  • 業務支援(Amazon Q For Business Use)

  • データ分析と可視化(Amazon Q in Amazon Quicksight)

  • コンタクトセンター支援(Amazon Q in Amazon Connect)

セキュリティ

Amazon Qに限らずAIモデルについては、知らない間にデータが学習に使われて漏洩したりしないかなど、セキュリティ面はどうしても気になってしまいます。FAQの文章を引用して翻訳すると、

Amazon Qは、安全かつプライベートに構築されており、既存のガバナンスのアイデンティティ、役割、および権限を理解し、尊重することができます。また、この情報を使用して対話をパーソナライズすることもできます。ユーザーがAmazon Qなしで特定のデータへのアクセス権を持っていない場合、Amazon Qを使用してもアクセスすることはできません。Amazon Qは、初日から厳格なエンタープライズ要件を満たすように設計されています。

https://aws.amazon.com/jp/q/faqs/

Amazon Qも他のAWSのサービスと同じように、IAMポリシーで指定されたアクセス権にしたがって、データにアクセスするように制限されているようです。

プランと費用

Amazon Qには、BusinessとBuilderの2つのプランが用意されています。Businessプランでは基本的なAIアシスタント機能を提供され、月額20ドル/1ユーザーBuilderプランではAWSの機能に対するサポートなど、より高度なカスタマイズオプションが含まれ、月額25ドル/1ユーザーです。他のAWSサービスを利用した場合はそのサービスの利用料も発生します。

使ってみた

AWSコンソールを開くと、右側にAmazon Qのチャット画面も表示されるようになっていますので、早速試してみることにします。今回は「S3のバケットにアップロードを許可するIAMポリシー」を作ってもらうことにしました。結果はこちらのようになりました。

きちんとリクエストに沿ったIAMポリシーを答えてくれています。参考となるドキュメントへのリンクも参照できるようになっています。

いろいろと試したところ、プロンプトで「all users」のようにユーザーの範囲を指定しないと仮のIAMユーザーを指定したり、「only upload」のようにアクションを正確に指定しないと余分なものを含めたりしていました。
対話しながら改善することもできるかもしれませんが、決まっていることはあらかじめプロンプトに入れた形で聞いてみるのがよさそうです。

続いて、AWSの中のことまで教えてくれるかなと思い、コスト削減のために不要なリソースがあるかどうか聞いてみました。

東京リージョンでは、ネットワークの問題で答えられないそうです。バージニアリージョンではプレビューとしてネットワーク分析を試すことができるようですが、早く東京リージョンに来てくれることを期待したいと思います。

感想とこれから

Amazon Qはre:Inventに合わせて発表された印象で、プレビュー期間ということもあり、現状ではまだAWSならではという機能はそれほど多くなさそうです。
ただ、自然言語で伝えるだけでインフラの設計、構築、テスト、デプロイまで実行できる「Infrastructure as Prompt」の時代の始まりを予感させます。
今後も新しい機能がリリースされたら、試していきたいと思います。それでは、また!


ライフイズテック サービス開発部では、気軽にご参加いただけるカジュアルなイベントを実施しています。開催予定のイベントは、 connpass のグループからご確認ください。興味のあるイベントがあったらぜひ参加登録をお願いいたします。皆さんのご参加をお待ちしています!

この記事が参加している募集

AIとやってみた