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心象スケッチ~宮沢賢治の世界~ 観劇

少々長文になってしまったのでnoteを使ってみることにしました。
駄文ですが、どうしても残しておきたかったのでちょっとばかし失礼します。
(慣れてなくて文体もバラバラで読みづらいと思います、ご了承ください)




去年からず〜っと楽しみにしていた舞台。
ストレンジシードでお世話になったいいむろさん筆頭に、一緒に出演した瑞希さんも出演しています。これは行くっきゃない。

初兵庫、初兵庫県立芸術文化センター。
初めて行く劇場って、なんかワクワクしますよね。


今回、宮沢賢治の作品は有名どころしか知らない状態で観にいきましたが
知っている作品のカケラが劇中ところどころに散りばめられていて、
気づく楽しさと視覚的な面白さと合わさり、あっという間の時間でした。
個人的に、文字×映像の演出が好きなので、
インク混じりの滲んだ文字が体やハコ、傘に張り付くように投影されるシーンは、彼の創作世界にどっぷりと入り込んだように見えて素敵でした。

「わけのわからない」ものって、「理解できない!」と一蹴され興味をなくされてしまうことも、人間の心理的に多いと思う。
舞台冒頭にもありましたが、宮沢賢治の作品は調べれば調べるほどわけがわからん。本人も作中で言ってるほどに。

でも、作り出すわけわからん世界は居心地がいいんです。
わけわかんないけど読み進めちゃう。

しっかりはっきりはわからないその世界をこの舞台では「心地よいわけのわからなさ」としてちゃんと体現していたように感じました。
宮沢賢治の作品を愛するファンはもっと楽しめたんじゃないかなと思います。
ちまっとしか知らない私でも、感想書いちゃうくらい面白かったので、きっとそう。

終盤、所属劇団的にも馴染みのあった「星めぐりの歌」のメロディが聞こえた時は鳥肌がたちました。
そうだ、あれは宮沢賢治作だ。
油断してた。



最後は、電球がバチバチと音を立てて光り、ハッと現実に戻ってきた。
あの世界にずっと浸っていたかったな。




帰りの新幹線の中で、「春と修羅」を読んで舞台を思い出している。
これか、そういうことか、なんて頷きながら。



かげとひかりのひとくさりづつ
そのとほりの心象スケツチです。



う〜ん、やっぱわけわからない。
でもそれがいい。




かっこつけた全体感想はこのくらいにして、あとは劇中見てて気づけた宮沢作品と細かいシーンの話をざざっと!
いや、全シーン面白かったんですよ..!!



宮沢賢治の世界もそうだけど、ところどころカンパニー作品のカケラもあって、作品同士の融合を見たきがする。
「これ、進研ゼミでやった!」みたいな。
刺さる演出が多いわけです。
そういえば、客入れではずっと風が吹いていて、電灯が明滅していた。
ラストを見て思い返すとなんだか心にくるものがある。

光と影をテーマにとあった通り、
冒頭ライトを照らして映る影に奥行きがあって不思議な感覚だった。
影で街を投影する作品、何かで見た気がする。
あと、超冒頭のスターウォーズ。(観た人しかわからないかも)
ああいうのにてんで弱いので完全に持ってかれました。

①注文の多い料理店:
宮沢賢治の作品で一番好きなやつ。
話の内容知ってるのに、面白いから何回も読んだなぁ…
(知らない方はぜひぜひ読んでみてください)
猟銃を持った2人が出てきたときに気づけなかったのが悔しい。
なぜか暖簾くぐった瞬間にわかった。
身ぐるみ全部剥がされて(実際は脱いでないけど)、「イヤーーッ!」って叫んで出てきた時のよかった。よかったね、食べられちゃう前で。

②やまなし:
冒頭、わざわざ家主呼び出しておいて目の前で置き配するのめちゃくちゃ面白かった。その荷物にやまなしって書いてある、という流れ。

シーン中、教科書で初めて読んだ時を思い出した。
クラムボンってなんだよって感じだし、それを授業では「なんだと思う?」ってみんなと意見を出し合ったりしたな。クラムチャウダーとかいうから貝なのかな?
作中明言されないし、舞台上でも明言されなかった。
なんで笑ったのかなんで死んだのか、かぷかぷってなんなのか、全部わからない。
視覚化するとよりわけのわからなさが際立った。
でも、わけわからんのに面白い。
なんだろう、これ。

農民芸術概論:
言ってることとやってることが全然違くて一度で二度美味しいみたいなシーン。
言ってることは農業や演劇とかの話なのに、視覚的には明らかにカフェで揉めてるカップルと居合わせた店員の図。
耳と目で得てる情報が違くてわけわからん、でもなんかそれがいいんだよな…




長くなりましたが、静岡から兵庫まで遠出してでも観に行って本当によかったです。たくさん笑いました。
笑ったり、なにかリアクションをすると、舞台への没入感が格段に変わる気がします。コロナでマスクを強いられ、笑ったり声出したり反応することを避けないといけない風潮が和らいできているのはとても嬉しいです。
もちろん、コロナはまだ終息しておりませんが、すこしづつコロナ前の舞台鑑賞に戻りつつあるのは、やっぱり素直に嬉しい。
今年は観劇もたくさん行きたいと思っているので、県内外問わずいろいろなところに足を運べたらいいな。

出演者の皆様、スタッフの皆様、作品に関わったすべての皆様。
ずっとここにいたい、浸っていたいと思える世界を観させていただきありがとうございました。朝大寝坊して新幹線1本逃しているんですけど、そんなブルーな気持ちもどこかに行ってしまいました。来れてよかった〜!

コロナもインフルもまだまだ流行っているようですので、体調管理にはくれぐれもお気をつけて。ゆっくり休んでください。

居るかわかりませんが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
お疲れ様でした!


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