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AV女優・石原希望は素敵なシンガーなことを知ってますか? そんな彼女のライブ評とこれからのAV女優についてのお話。

今のAV業界は、AV女優たちをワンランク上の存在として

期待している!?

AV女優というと、昨今のAV新法の渦中にいる存在ですね。ところが当人たちが、そのことをあまり知らない。朝日新聞発信で、かなりちょくちょくはweb系ではニュースネタとしてピックアップされているのですが、世間も関心が低いし、AV女優たちもいまいちピンと来ていないようです。

フェミニストから見た場合、AVというのは、女性差別の根本のように見ているわけですが、実際に働いている人たちからは、そのようには見られていない。だからこそ仕事として従事しているわけです。しかも現在では、芸名とはいえ、ちゃんと名前を出して、プロモーションする場に出てこないと、AV女優として認知されなくなっちゃう時代なのです。

昔のAVは、20世紀のビデオレンタル時代とか、DVDバカ売れ時代の21世紀初頭などと違い、放っておいて売れるものではなくなっています。

これは、AVに限らずですね。雑誌もたくさん消えているし、マンガも小説も、徐々に電子書籍がメインになっていますし。東京在住のAVライターである私、麻雅庵は、あっという間に、駅前周辺の本屋が消えていったのを目の当たりにしました。2011年東日本大震災以前は、大小問わずで10件以上あったのが、今は1件。

みなさんが青春時代に通っていたであろう、TSUTAYAもついになくなり、秋葉原とか新宿とかに行かないとAVが買えない時代になってしまいました。もちろん、AVは元々から通販が大きいですから、町内にお店がなくても良いのですが、DVDレンタルという概念が消えたという感じ。ストリーミングレンタルはありますから、そっちが賄っている。何せ遅延することなく、自然のうちにデバイスから消えますから安心ですよね。

そして秋葉原とか新宿と書きましたが、そこにあるセル店舗で行われていたのは、「DVDサイン&撮影会」です。コロナ禍があって、いっとき無くなりましたが、2022年はちょっとずつ増えてきているようです。まぁ以前と同じというわけにはいかないようですが。

そういう場所と、雑誌とかHPとかで、AV情報を得ていた人が多かったわけですが、これがメディアの変化によって激減します。販売サイトなら見るけれど、メーカーHPって、閲覧しなくなりましたよね。これもAVに限らないのですが。

サイン会も減って、露出するメディアはSNSばかり。それなのにPRしないと認知されないというもの凄くAV女優は難しくなってしまいました。風俗嬢はそれなりにアンダーな存在ですから、隠れつつやっている女子は増えているわけです。日本経済の事情もありますから。ところがAVは、その事情によって、PRすることも難しくなってしまった。まさに「他人に任せていたら仕事が来ない!」なんて状況になっているわけですよ。

AVユーザーと呼ばれる人の場合、チェックは定期的にしているし、SNSはちゃんと見ているので、新人が出ればわかるし、素人AVとなっている作品に、元某メーカー専属単体だったあの子が出ているなんていうことも知っているわけです。

しかし一般の人たちは、そこまでAVをチェックしないでしょう。リアルなAV業界をチェックするくらいならば、FC2あたりのリアルな素人がやっているヤバいハメ撮りとかの情報を仕入れて見ているはず。SNSに、AV女優や、そのファンたちが、声高に「AVを買わないとAV女優がいなくなるぞ!」と叫んでいることをチラ見しつつも、そっちはそっちの出来事的になっているわけです。

AVが男子の生活必需品だった時代って、10年くらい前で終わったのかも?

超人気AV女優・ムーディーズ専属女優である石原希望さん

単独ライブ初登場となる石原希望さん出演した配信ライブ

「月で逢いましょう」は、5月27日東京・三軒茶屋グレープ

フルーツムーンで開催されました。

AV女優の歌のイベントを開催している「ミルジェネ」こと、「ミルキーポップジェネレーション」は、現在のミュージックシーンで活躍しているミュージシャンをバックに起用し、リハーサルを行うライブイベントを以前から開催していました。

コロナ禍に入り、配信と向き合わなければならなくなった際に、ライブハウス「三軒茶屋グレープフルーツムーン」が、リアル配信に複数台カメラとスイッチャーだけでなく、映像演出も行うので、そこと組んでライブをリスタートさせました。それが「月で逢いましょう」です。

リアルに観れるファンもいますが、昔のように会場にパンパンのお客ということにはいかないので、限られた人数をシートに座ってもらい、声も出せない。拍手とペンライトが砦なのですが、これは普通のライブでも同じですよね。

コロナ禍以前のライブ配信とは、「ライブをみせてあげる」イメージだったのですが、今は、ライブ配信でちゃんと観れる映像演出がなければ、退屈して2度と観られなくなります。出演するアーティストもまた、ライブ演出と変わらないプレイをしなければネクストはないでしょう。

そういうことを感じとったミルジェネは、配信特化されたライブに舵を切ったわけです。バックミュージシャンも、キーボード&コーラスの平方元さんと、ギターの福田正人さんでのギター&キーボードアレンジに変えてのカバーソングでライブを開催しています。

下手のキーボード&コーラスの平方元さん。上手ギターが福田正人さん

そして5月27日に、単独では初ライブ出演を果たしたのが、2022年AV女優界の超人気者・石原希望(いしはら・のぞみ)さんです。

可憐だったり渋かったり、声質に説得力があります

令和と昭和と平成と。カバーの醍醐味を聴かせてくれた

石原希望さん。

別のライブイベントでも歌唱披露していた石原希望さん。この時から、「え? 上手いじゃん!」的な声がたくさん上がっていました。彼女は超人気者です。イベントとしてひと目会いたいというファンが多いわけですが、そんなファンを一撃した歌唱力だったわけです。

歌というのは、いろいろなファンがいます。いわゆる音程的に安定して聴いていて安心できるタイプを選ぶ人たち。パフォーマンスが良くて一緒に熱くなれるというフェス系やアイドル系のファン。世界観を共有できることによって、好きになる最近のシンガーソングライター系なんかもいますね。サウンドに関しては、バンドじゃないと嫌みたいなタイプは、全世界的にも減っています。でも生歌生演奏じゃないと認めないなんてこだわりがある人は、特に日本は多いです。

なので、AV女優系ライブイベントにファンは集まるのですが、どうにも音楽的に響くとは思っていない人たちによって、一定のところで盛り上がりが止まってしまう。これが昔からポイントになっていました。フェス系に呼ばれ、一番動員しているにもかかわらず、ファン以外のところからは差別されてしまう。

ライブシーンの景色も変わり、新しい時代が出てきているわけで、その中にAV女優が、「本物の歌」を聴かすことができれば、最高でしょう。期待できる新人シンガーとしての存在を示すひとりが、石原希望さんと言えるのです。

会場の観客と配信の観客が見つめるライブ

それでは当日のセトリはこちら⬇️になります。

1.ハッピーエンドへの期待は/マカロニえんぴつ
2.眠り姫/SEKAI NO OWARI
3.スーパースターになったら/back number
4.season/嵐
5.ロビンソン/スピッツ
6.Story/AI
7.卒業/My Hair is Bad
EN1.SWEET MEMORIES/松田聖子
EN2.決戦は金曜日/DREAMS COME TRUE


ときおり見せる笑顔は超キュートです

セトリをご覧になると、現在進行形の音楽ファンにとって、「おっ!」と思うであろうナンバーがあり、なおかつ昭和〜平成時代のポップスがあります。希望さんがファンのことを考えてのセトリとなったのがわかりますね。

カバーソングを歌うというのは、その人その人のバックボーンが重要になります。YouTube全盛の2022年では、その時代に生きていなくとも、十分すぎるほどの映像が転がっています。サブスクを覗けば、昭和から平成から年代関係なくアップされていますね。しかも昔と違って、映像素材を見て覚えることができるわけですから、ちゃんと歌えるのは当たり前になっています。

そして何よりも、石原希望さん、歌が絶品に上手いのです。バラードタイプの楽曲を選択している人は、自分自身に自信がないとチャレンジすることはできない。それもカラオケではなくて、人前に立ち、リバーブ(カラオケボックスでいうところのエコー)も楽曲に応じたレベルでしか処理されない。しかも後ろの演奏は生でキーボード&ギターです。まずアレンジが変わっているわけです。

うろ覚えでなんとかなるという場所ではない。「音楽をやるための場所」に、石原希望さんが立ったということなのです。

そりゃあ初ワンマンライブです。彼女の表情から、その緊張感がヒシヒシと伝わります。しかし、歌に関しては、堂々とした歌い方です。声量があって説得力のある強さと、歌詞の中にある雰囲気の表現力は卓越したものがありました。緊張感を良い方向に持っていくことができるのは、AV女優である石原希望さんのキャリアがなせる技かもと思った次第。

そしてステージに立つからには歌手として、それなり以上の量のレッスンを積んだはず。バックメンバーとのリハーサルは、1回ですけれど、それによって、楽曲の確認するところや、自分の表現としての強弱など、見せつつ聴かせるための準備はたっぷり真面目に積んできたことが伝わりました。

このライブは、「ファンの前で、いい感じの雰囲気を見せて悦に入る」とかではありません。希望さんなりの説得力があるからこそ、ファンたちは引き込まれていったのです。

鼻にかかる声はとてもセクシーなのです

希望さんのライブパフォーマンスについてのちょっとだけ解説

いろいろと書いてきましたけど、パフォーマンスはどんな感じなんだと聴きたい方がほとんどでしょう。なので、歌手・石原希望について解説とまではいかないですが、語っていきたいと思います。

まず、声に関しては、色っぽい鼻にかかるボイスです。そして低音からしっかりと出る声であり、太さもたっぷりあります。なので、歌に腰が入っている感じ。往年ならば山口百恵的な雰囲気がわかりやすいでしょうか。

最近は、女性シンガーに限らず、世相がそうさせるのか、高音域をメインに語られることが多いのですが、希望さんは、時代的に考えると昭和感たっぷり。一周回って今どきと思って間違いありません。ロックというよりも、しっかりとした歌唱力と、声質の太さで説得力を持たせてくれます。

「ハッピーエンドへの期待は」「眠り姫」「スーパースターになったら」などが、太くしっかりとした声で歌われます。しかも鼻に音が抜けていくから、色っぽい。シンガーとなるならば、男性だろうがアイドルだろうが、やはり色っぽくないとダメだと考えているのですが、そこでいえば、上質な色気を醸し出しているのです。

MCとかの雰囲気では、可愛くておどけてばかりの子どもっぽさが前面に出てくるのですが、歌となると色気たっぷりの大人な女性感が滲み出る。歌を聴いてくれる人たちを、リードしてくれるような雰囲気もあり、伝えようとする世界観が、しっかりと聴いている側のハートに入ってくるのです。

「season」「ロビンソン」などの楽曲は、カバーとしては素敵な処理をとなります。自分の声でちゃんと歌っているわけで、ものまねとかカラオケとは、ちゃんと一線を画す歌を提示してくれたのです。歌をちゃんと聴いて、ちゃんと歌う。意外とできているようでできていないのがここですよね。カラオケ全盛になり、どうしても原曲を聴き込んでいないパターンが多く、これはプロですらそうですから仕方がないのですが、そういう意味では、「好きな楽曲をちゃんと自分の歌として歌う」という大前提が行われる。なので、い石原希望さんは、素晴らしいシンガーといえるのです。

アンコール前のラスト楽曲「卒業」での世界観は、楽曲の持つ力と取り入れ、もの凄い訴求性を持っていました。もしかすると、今の石原希望さんでなければ、表現できないかもしれないと思えるほどの強さ。楽曲はムードあるやんわりしたメロディですが、だからこそのもの悲しい世界観が伝わる歌唱でした。

3人の熱量が伝わりライブのテンションが上がっていきました

アンコールは、「SWEET MEMORIES」「決戦は金曜日」と、お客さんたちに合わせて、自分の世代ではない楽曲を持ってきて、盛り上げていく。しっとりさせてから最後に盛り上げる構成は、ちゃんと演出として考えられたものだと思いました。

AV女優がライブで歌うことのメリットとは、「どこでどう盛り上げて、どのように構成して、最後はどうするか」を、相手や要望がある中でも、自分自身を見せることをやっているから、その仕事を利用することができるという部分です。もちろん、歌の上手下手や、歌に対する考え方の違いがありますから、全員が全員、ライブをやる方がいいとは言えないけれど、表現する方向性は似ていると思うのです。スタッフのバックアップを最大限に生かして、自分を輝かせるという意味では同じなのではないでしょうか。

自分のことを見せる、相手が望んでいることを見せる、人の意見を汲んで表現する。AV女優は、ライブシンガーとの親和性は強いと思うのです。

MCでは緩やかな雰囲気で和ませてくれる希望さん

そして何よりも、歌唱中の表情の多彩なのが最高ですね。歌うとか人に伝えるには、表情が何よりも重要です。マスクを着用するのが通常運転な時代になってしまった世界ですが、マスクを外して、自分を見せることを生業にしている人には、たくさんの顔を見せてもらいたい。そしてライブは、いろいろな歌を歌うわけですから、それに合わせた表情を披露して、より世界観を伝えて欲しいわけです。これはコロナ禍前よりも、エンタメにとっては顕著だと思います。

色っぽかったり可愛かったり、真剣だったり満面の笑みだったり。この日の希望さんは、万華鏡のごとき表情を、みなさんに向けて披露していました。これもまた、彼女だからできる才能のひとつなのでしょうね。自分を見る人を幸せにできる能力に長けているのです。

時に熱く、時にクールに。確かな演出力のあるボーカルなのです

AV女優であるためには、AV出演だけでは無理という時代が

目の前に迫る!?

AV女優は、SNSを使ってのアピールをするわけですが、エロい(と判断される)写真をアップしてしまうと、グラドルたちや、素人の露出過多な人たちよりも先にBANされてしまいます。理不尽といえばそれまでなのですが、ハッシュタグを付けたりして、アピールしないと意味がないのがSNSです。「#AV女優」とかつけないと、誰なのかわかってもらえなくて、認識されない。エロいショットをあげるだけで満足している、自己顕示欲の塊な女子とは違って、「AV女優」という職業の女子であることを認知されないと意味がないわけです。

コロナ禍前のAV女優の認知される場所は、なんといっても先ほど記した「DVD販売イベント」でした。サインして写真撮影する。しかもAV女優は、他のイベントに出ている系よりも対応がよく、露出もまあまあ上だったので、カメ子たちは飛びついたわけです。

カメ子だらけだった状況から変わっていったのが、「アイドル人気の定着」です。地下アイドルというワードも流行していたし、同じようなジャンルとしてAV女優の人気がアップしていきます。本末転倒な、「イベントは大盛況だけど、AVはちょっと売れない」なんて女優も誕生してしまったくらいですから。

リアルな存在として、アイドルな顔だったり、素の顔だったりをファンに見せることで、見る側の人生に潤いを与える存在になるわけです。そして大ヒットにならなくても、イベントをやることで、一定数の販売が保証される女優もいるし、AV女優が地下アイドルの亜流になったことは、AV業界にとっても大変良いことでした。

その間に、イベントは、AVに直結するものだけでなく、トークだったり歌だったりと、バリエーションが出てくる。それこそ何の内容もないトークでもOKだとか、カラオケで楽しく歌って、振り付けもあるけれど間違えてもOKのようなレベルだったのですが、それなり以上のものが登場してくるのです。

AV女優は、「根が真面目」という女子が多く、一度やり出したら、半端では許されないと、懸命に練習したりするように変わります。そういうレベル的にもちゃんとしたステージを披露すると、ちゃんとファンがついてきたりしましたね。

このちゃんとしたステージを提示した人たちの次世代こそ、現在のAV女優になります。歌のイベントをやるならば、ある程度以上のものが出せないとお客がつかない。ファンの一部しか来ないなんてことになります。ただただ好きなAV女優を見ていたい人で、サインとか2ショットチェキが撮りたいだけというファンだったら、歌とかトークは余計ですからね。

なので、今のAV女優で歌のイベントに出演している人たちは、それなり以上のモノであり未来像を提示しているということになるのです。

アイドルもAV女優もそれなり以上のレベルを見せないと
許されない時代。

AVリリースもたくさんあって、人気の高いAV女優だから、ファンは来るだろうし、歌もプロがバックにいるからなんとかなるだろうなんて、甘い状況は、2022年のライブシーンにはどこにもありません。むしろコロナ禍によって、プロとして活動している人たちですら、立ち行かなくなってしまって止めた人たちは多いです。

可愛い子が、歌を歌えばなんとかなるとか、振り付けがちゃんとあっていたら可愛いなんてレベルは、アイドルにもなくなりました。だからこそ今回のライブがあるし、石原希望さんは、自分が輝くものとして研鑽してステージに立ったわけです。

石原希望という、人気の高いAV女優が歌うからこそ、どの楽曲にも、彼女が歌う意味が出てくるし、原曲とはまた違った表情が誕生するわけです。

世間が思うほど、AV女優は簡単になれるんでしょうという呑気な時代は終わりました。本業はもちろんそれなり以上のモノを提示しないと、買ってもらえない。買ってもらえなければ、その女子は「AV女優」ではなくなってしまいます。なんとなく1本出たから女優ですなんていうわけにはいかないのです。

さらには顔をちゃんとさらけ出して、芸名とはいえ、自分をアピールしないと売れないのが現在のAV女優。そういった中で、石原希望さんは、作中のどんなキャラになっていても、「自分」を表現できるタイプです。作品は明るい痴女もあれば、責められる系もあります。万華鏡のように、作品での輝きが違っているタイプです。

なんか「AV女優がライブやってるわ。この厳しい時代に呑気なファンがいたもんだ」なんてことを考えがちでしょう。そういうタイプの人の方が多いでしょう。しかしながら、今のAV女優は、歌やらトークやら、外向きのアピールをしていかないと、すぐ、ポイっとされてしまう可能性が高いのです。

しかも歌に関しては、「間違えちゃった♪」とかいうような、大昔のアイドルのようなレベルだと、ファンすら聴きにこない。応援したくなるようなレベルになっていないと、ネクストになりません。ネクストがなくて、1回きりだったら、それなりの集客はものめずらさで成功するかもしれません。

でもネクストがなければ、AVと合わせて、「何をやろうか」と模索し続けなければならない。YouTuberですら取捨選択が既に始まっていますから、番組を作ったとしても、それなりに興味が引いて面白さがなければならない。そして本業であるエロネタは、BANの対象ですから、やりすぎてはダメ。でもAV女優なので、求められていることも事実。どのくらいの分量にするかを考えなければなりません。エロ濃度をいかに希釈しつつ匂わせるかという、下手なタレントよりも難しい番組になってしまうのです。

だからこそ、歌手として、真面目なだけでなく、人を感動させるような歌を歌うライブ活動をしないといけないのが、AV女優に課された状況なのです。

説得力あるボーカルはすべての人たちに伝わっていくはず!

そして石原希望は歌い続ける。

AVとか歌とか、その立場とは、「自分のため」というよりも、「人を喜ばすため」に強い比重がかかっています。自分だけとか、取り巻く一部だけが楽しいレベルでは、誰も喜びません。AVなんか、本当にマニアだとウケないし、かといって売れたタイトルの模倣をしても売れない。ツボに刺さるポイントが難しくなっているのです。しかしながら、違法アップロードと同じレベルに扱われて、お手軽さを要求されてしまう。

AV新法なんて、どう考えても「違法」なものへの話なのですが、AVというビジネスがある限り、同じに見られてしまう。法律は、ちゃんとリリースされるAVへの罰則になって、違法なものが逃げられてしまうという感じです。基準がありませんので仕方がないのですが。

そういう中で、AV女優の評価をこれ以上下げないようにするためには、「じゃない仕事をして、外向きになる」か、「AVだけに集中する」かのどちらか。しかしAV女優はまだまだ増加しているにも関わらず、後者は本当にユーザーに認められた一部しか存在しなくなっています。昔よりも減っているかもしれません。

AV全体で行うアカデミー賞のようなものがなく、あったとしても世間に評価を受けるようなものにはならないでしょう。それがAVの立たされている世間の認識です。

だからこそ、AV女優は本人が、金銭以上のプライドを保つためには、「AVじゃない外向け仕事」を真剣にやる必要性があるのです。あるようになってしまったが正しい表現でしょう。AVもまたコロナ禍の影響下にあって変化しているために、やらなければならないし、それなりの主張ができるように、AVとは何かを考える必要があります。

どうしていけば良いのかという問いに対して、石原希望さんの歌声は、AV女優の未来への希望でしょう。

彼女自身は、AV女優としてはそれなり以上の存在ですが、歌手としてはまだまだ。だからこそ、彼女の歌のファンとなる人は、「成長していく過程」と、「成長していく景色」を眺めることができる。まさに「希望の人」だと思います。

AV女優がどんなライブパフォーマンスを見せているのか。この「月で逢いましょう」ライブは、定期的に開催されています。チケット販売サイト「ライブポケット」で、「ミルジェネ」を検索すると出てきます。配信だけでも一度ご覧になって、自身でご判断してください。

そして次回の石原希望ライブを発見したら、チケットを購入しましょう。ちなみに会場ライブは枚数限定ですから争奪戦ですからね。

そのライブを観れたあなたは、「輝く希望」を観れるのです。

ライブ終演直後のおどけた表情が超キュートでした

記事/写真=麻雅庵(https://twitter.com/an_asaga_otft)

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