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ままにまにまに

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詩 (朝賀よる) イラスト (川口らりさ) 空中に泳ぐ散文と、それを拾った絵と、海と、コンビニと、トイレ。
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2014年12月の記事一覧

夜みたいに見えるけど、本当はぶちまけられた純ココア。
まぶせどまぶせどまぎれはしない面倒な気持ちがあるんだよ。

まーゆーげーのげんかつぎー
ブランコ直角ちょっと過ぎたとき
投げた下駄の結果を消すのだ
ゲンナリしないで聞きたまえ

母が言う、さんまの骨が指し示す芋の煮っころがしパワースポット説。なんだか試されているような気がして、黙ってうなずいてみせた。けど、正直意味がわかりません。

YOUmakeAnewLandscapeInMYMINDthoughYOUliveAloneMEalso

ならばよかったならば、ならばしわしわの嘘だ
育つはずも無く、九月
通勤電車に生々しい偉人伝がぽつん
禿げ散らかしたおっさんの、台風との格闘のあと

ちいさなちいさなおばあちゃん バカボンみたいな着物着て ナンマイダーって口癖で 掃除用具箱の中で暮らしてる 廃校になったらどうするの?

どんなに早回しで再生しても明け方の優勝旗は無口。
爪の先ほども甘やかしてはくれない。
あれは食える草、あれは死ねる草。
干して束ねて袋につめて。
「今日も生き残ったね」って空耳に期待すると、胸の中で小石がこすれる音がした。

さめざめささめく愚妻なぐさめたい
たとえば丸々と太ったアザラシが10匹くらいドゥルンドゥルンと階段を降りてくる感じで

朝、窓を開けたら、旅人だった私がころがりこんできた。
ほこりみたいな外の匂い
ふるえて飲んだコーヒーの味
知らないおばさんがくれた飴
見ろよ、山の端にいいものがいっぱいならんでる。
つまり、世界はいまだに眩しいということ。

ビニール傘に大雑把な雨の音をうけて、爺さんと二人、背中を丸めて歩いていたら、負けん気の天使がミカン畑におりてきて告げる。魂へ、根性の入れ方を。

ざくろの花は危ないね。わかっていたはずのことが、わからなくなる。
愛してなんてもらえまい。このようないつか家を燃やす人間。

赤紫色したつぶつぶが、頭から肩にかけて垂れている。たぶん背後霊がぶどうです。

めくり上げめくり上げ幾重にも折り重なる
桃色のロースハム
直径は100cm厚さは2mm
めくり上げめくり上げ隙をみて入り込む
いつの日かなれるはず
長い長い夢だもの
ロースハムロースハム
平面の桃源郷
ロースハムロースハム
ハムハムハムは・・・

幸福な架空のこどもは走る。電信柱に貼られた自分を剥がして。