見出し画像

「不登校の親」になった事がありますか。



こんな話しを公にする事自体、非常に悩ましい問題ではあったのですが。
このブログを始めた動機が「自分の体験は自分の言葉で伝えたい」と言うものだったので、触れておきたいと思います。

我が子(上の子)は中学生になってからあっという間に行き渋りが始まり、完全に不登校になりました。不登校歴はもうすぐ3年目に突入します。わりとベテランの域に入って来ました。

小学生の頃から周りに不登校の子が何人かいて、その時はそのお母さんに「今の時代、無理に学校行かせなくても大丈夫じゃない?子どもが元気ならそれで良いよね」などと、如何にも“理解がある”ような事を言っていたものです。

そもそも私も学校は本当に大嫌いで中学生の頃なんて地獄だったし。その頃は毎日死にたいと思っていて、そこで構築された負の基盤から今でも抜け出せない事があり、困る時が時々あります。

学校に行かなくても生きていれば何とかなる。
みたいな事をお気楽に言っていたのですが、いざ自分の子が不登校になるという状況が迫り来ると、そんな事言えなくなるのです。
どうにかして学校に戻せないかと、あれやこれやと様々な手段を考えては担任と話し合ったり、本当に色んな事を試しました。

当時は子の気持ちなんてさて置きで。

「どうにか学校に行かせたい」

と言う気持ちだけで親である私が切羽詰まって、週一でも行けないか?早退してもいいから!
と、自分に置き換えて考えたら「余計行きずらい」状況である事を忘れて、嫌がる子を学校に送って行ったりしていました。

恐ろしいものです。
他人の不登校には理解がある風な事を言っていたのに、我が子となると理解が出来ない。いや、理解したくない、いやいや。

「この現状から目を逸らしたい」

その一心になっていました。

この辺でようやく気付いた事がありました。
不登校の子を持つ親の気持ちは、同じ経験者にしかわからないのだと。
個人的な意見としては「大変だね、けど勉強はしないとね」とか「学校に行けるようにしないと将来困るよね」とか、経験者じゃない方に言われる事が何より辛かったです。
だって、そんなの何万回も考えて夜な夜な胃をキリキリさせて絶望して、通勤中に制服姿の学生を見るだけで涙が出てくるのに。嫌ってほどわかってるし簡単に言われたく無い!と。

だから、“理解がある風”な事を言ってた方がまだ正解だったのかなと思いました。


これまで様々な事を試しましたが、どれも我が子には響かず。
本当にこの子は学校というもの自体が合わないんだろうな。行かないという意思が強すぎるし、未練も無さそうだな。
という結果を見てきたので、私も“学校に戻す”という事を諦めたと言うか、必死になる事はもう無いと言いますか。

今の現状としては、

将来この子が社会に出ていけるように。
お金の為に、生きる為に働けるように。

そんな方向性で考えています。

現在本人はちょっとした目標に向けて、週一回通っている適応指導教室を週二回に増やしてみたり。本人なりに色々考えてはいるようです。
どうしようもなくバカな事を言い出す時も多々あるので、その時は本当に大喧嘩して疲弊するけれど。まぁ、少しずつは大人になってきた気もします……気も……(苦笑)

そんな不登校の親歴数年を経て、ようやく本当の意味で言えるようになりました。

「無理に学校に行かせない。という判断は間違いじゃない」と。

不登校の子を持つ親は、日々苦しみながら何とか気を張って過ごしています。
私は本当に自分が危険な状況だな(早く死にたいな、と思うようになっていた)と感じた時、親である私がこんなんじゃいけないなと思った。元気でいなきゃ、子どもがいざ行動したい時に動けなきゃダメじゃん!と。

それからは現実を全て受け入れて、自分もやりたい事や好きな事をするようになりました。
我が子の場合は“ある程度放っておく、干渉しすぎない”という環境が合っていたようで、段々明るくなったし、酷かった反抗期も終わった。
明るすぎるのもどうかな……とも思うが、謎に自己肯定感は高そうだからそれもまぁいいっちゃいいのかな、とも思ったり。

不登校を通じて学ぶ事が山盛りな日々。
肝に銘じている事があるのですが、それは

・子に自分の人生を重ねないこと
・自分が出来る事を子も出来ると思わないこと
・何でも先回りしないこと
・不登校である事を恥ずかしく思わないこと

そんなところでしょうか。

どうしても不安になるじゃないですか。
私は不登校になった経験がないし、なったその後の人生も検討がつかない。しかも私の生きてきた世界線ではやっぱりネガティブなイメージばかりが思いついてしまうから。
でも、子どもはそんな人生を想像していない。
知らない事を教えてあげて、軌道修正するのも親の役目ではあるとは思うけれど、それをやり過ぎるのも違うのかなと思えるようになりました。

そして、我が子を決して恥ずかしい存在にしないこと。
不登校でも毎日明るく、我儘を言っては怒られてブーブー言いながらも徐々に成長していく我が子は本当に愛おしい存在です。え?甘い……?

これから我が子がどうなっていくのか、親である私もわかりません。
不登校のまま卒業を迎えるのも良し。
何を思い立ったか突然学校に行くのも良し。

私が出来る事と言えば、子がどんな選択をしても良いように頑張って働くだけです。
(不登校は結構お金がかかるのです……ぼそっ……)

ここにも仲間がいるよ、とだけお伝えしたかった私でした。


不登校の子を持つ皆様、毎日お疲れ様です。
共に頑張っていきましょう!


この記事が参加している募集

この経験に学べ

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?