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【仁川空港の夜】韓国旅行記


※何年も前の旅行記ですので、恐らく旅の参考にはなりません。
反日感情高まっていた時なので、全然日本人がいなかった事は鮮明に覚えております。何故そんな時にわざわざ行ったのか……決まってるじゃないですか。食べる為です。(ドンッ)


思い起こせばすごい夜だった。
恐らくもう二度と体験出来ないような、いや、もう二度としたくないような夜だった。

確かこの時はコロナという言葉も無く、強いて言えば韓国国内で反日ムードが高まってる時だった。
そのせいか普段より日本人旅行者は非常に少なく、噂に聞いてた「どこ行っても日本人いるわね」みたいな事は無かった。

話しを戻して空港。
友人が教えてくれた非常にリーズナブルなチケットを購入した。格安なだけに発着時刻が深夜とか早朝とか。
もう若者では無い体と不安を抱きながら、深夜に仁川空港へ到着したのであった。

旅行プランは殆ど友人任せ。(私は自慢じゃないが旅行力ゼロである)
今回は時間も時間なので、近くのスパもホテルも満室。予約も1ヶ月前から全滅。
もうこうなったら数時間後の始発まで、空港で寝ようじゃないか!

……という事で、1時間くらいはぐるぐる回った。空港内をひたすら。
と言うのは、私達みたいな方々が沢山居たからだ。様々な国籍の、多種多様な人達が真夜中の空港でひしめき合っていた。

とにかく横になれるイスを探す→あった!→サッと現れる中東風の男性が「ここは俺んだ」と言うジェスチャー→夢敗れる。
絶望と共に空いてるイスを探す→あった!!→前に回ったら既に寝てるアメリカンな女性→夢敗れる。
こんな事を果てしなく繰り返しながら、もう感覚が麻痺して来て
「いやはや。寝るのに必死な人がこんなにも居る。しかも何カ国も違う国の、言葉も通じない人間達が。ただひたすら壮絶な椅子取りゲームをして、勝ったものがフカフカの椅子や背もたれが有る椅子に寝る。負けたものへの配慮は無い。奴らがどこで寝ようが関係無いさ、とにかく寝る。起こすな」
という様な(?)考えが渦巻いてきてしまい、少し面白くなった。
だって平和なんだもん。
あんなに無防備なのに誰も盗みとか、犯罪を企んでそうな雰囲気が皆無だった。
ただひたすら、いかに自分の睡眠を確保する事に必死な人間達。

という事で、ほぼ敗者な自分らはやっと見つけたトイレのすぐ近くのベンチで横になった。もうどこでも良かった。寝れれば。
案外便利なもので、すぐトイレ行けるし、空いてる頃を見計らって歯磨きや顔も洗える。おいおい案外タフだな…と我ながら感心してしまった。

画像はベンチで横になりながら撮ったもの。トイレが見えるだろうか。(いらん)

こんな体験も過去のものになると、とても楽しく思えるから不思議だ。
そんなコアな旅の記録を、たまにこうして懐古したいと思う。

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