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【0泊3日、3万歩】韓国旅行記(終)


前回はこちら。

※この韓国旅行記は数年前のものです。これから行く旅の参考にはならないかと思われます。


モクサルを二人で三人前平らげた後は急ぎめでソウル駅へと戻り、再び仁川空港へ。

ザッザッザッザッ
ザッ、ザッ……ボテッ……ボテッ……

空港に着く頃にはもう足取りは重く、石を背負わされ腰を低くしながら更には手にまた石を持ちズルズルとようやっと歩いている気分だった。
脳内では「疲れた」「重い」「ピラミッドの石を運ぶ労働者」というワードが浮かんでは消えていった。
言葉数も一気に減り、異国の空港で腰骨がバラバラになって話題になるかもしれないと本気で心配した頃、私達は希望の星を見つけた。そう、スタバという星を……!

うっ、うっ……美味しい〜(涙)


日本では見かけないメニューを見つけ、その爽やかそうな風貌に心を掴まれた私達は、脇目も振らずにそのドリンクを注文した。
そしてそこから離れたベンチにドサっと座り込み、祈りに似た気持ちでストローに口を付け、吸い込む。
「ああ!美味しい!!」
そして、急激に生き返る二人。

韓国にはスタバやコーヒーショップが沢山あった。空港内にも三、四箇所あるとか。
私達が飲んだものは「ピンクグレープフルーツなんちゃらフィズ」という名前で(記憶が……)これが本当に本当にまあ、見た目通りのスッキリさとフルーティさで最高でした。何ならこのドリンクが今回の韓国旅で一番美味しかった。ただならぬ疲労感がそう感じさせたに違いないけれど。

ありがとう、韓国のスターバックス。
何だかんだ言って楽しかったよ、韓国。

そんな事を思いながらも、そこのベンチから暫く全く動けなくなった我らは受付開始時間まで虚ろな目でぼーっとしていた。

スマホで歩数計を見た。
この韓国滞在期間(0泊3日)の歩数は大変な事になっていた。とうに三万歩を超えていた。
自分の職場での一日の歩数はおよそ五千歩〜一万歩程。わあ、軽く三日以上は働いたな……それだもんな……この足腰のおかしな様子は……。
うっかり、放心状態になってしまった。

出国時間は深夜二時四十分。
私達はベンチに根が生えた腰をべりべりと剥がし、再び動き出す。残された重要なミッションがあったのだ。それまでの“寝床を探す”という。(またか)

しかし今回ばかりは、天は我らに味方した。
空港の四階に、そういう観光客の為なのか何なのかわからないがとにかくゴロ寝が出来るベッド風なソファーが空いていたのだ!
そこを鋭い嗅覚で探し当てた軍曹(友人)の招集により、久しぶりに柔らかい場所で足を伸ばして寝ることが出来た。人間とクッション性の密接な関係に気付いた夜だった。大袈裟な。

そこには様々な国の人が思い思いの過ごし方をしていた。雑魚寝 in the 多様性。
ここに辿り着いた人達はもう、人の目なんざ気にしてはいない。わしゃ休むんだ。生き延びる為にな。という意気込みをひしひしと感じた。
私達はリュックの紐を腕に巻き付けて瞳を閉じた。盗むな。そして頼む、起こさないでくれ。

その結果、短時間の爆睡を得られた。
やはりクッション性の効果は絶大なものだった。
隣の椅子で仰向けで爆睡してたアラブ系の女性の気持ちが痛い程わかるし、向かいの椅子でスマホ充電しながらぼんやりしてたアジア系の男性には、見苦しかったであろう我ら日本人の寝顔を放っといてくれた感謝の念を。
ヨガポーズなのか謎の格好で寝ていた韓国女子には、益々の血の巡りを応援しております。

そして時間が来て、再び飛行機に乗り込んだ。
韓国での思い出を胸に、次に来る時は絶対ホテルに泊まろうと心に刻み込む。

さようなら!憧れの韓国!




数時間後、早朝に新千歳空港へ到着。
機内でもぐっすり寝ていたのだが、行きも帰りも飛行機がかなり揺れたのはわかった。ちょっと怖かった。
そのまま新千歳空港温泉へ行き、ゆっくり朝風呂を頂いた。そこからまたリラクゼーションルームでまた熟睡。控えめに言って最高でした。新千歳空港温泉。

日本に戻ってくるとホッとしますね。
やっぱり私は生粋の日本人なのだ。

後は空港でうどんを食べてほっこりした後、無事帰宅。暖かいお布団で眠れる幸せを噛み締めた。
幻の様に過ぎ去った怒涛の韓国弾丸旅行の余韻をいつまでも引き摺っていられる訳もなく、私の普段の生活は続く。

韓国語を習い始めるのは、まだ先の話し。


という所で、この韓国旅行記を終えたいと思います。
思い返せば足腰ボロボロだった記憶しか鮮明に残っていないと言うか、とにかく寝床探しに四苦八苦した旅でした。今となっては面白話しですが、当時は本当に大変だったんですからー!

その後あれよあれよとコロナが始まって海外旅行が更に厳しくなり、結果的にはその前に無茶して行っておいて良かったなぁと感じております。
今はあの頃より子育ても複雑になっているし、物価の上昇もあり、個人的には更に韓国への道が遠くなっているので……。

勢いが大事な時もあるのねと、笑ってくだされば大変嬉しい限りです。

最後まで読んでいただき有難うございました!


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