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雲とWi-Fiと私

いつもの散歩道をすたすたと歩く。

空気が薄黄色くなった頃に家を出ると、散歩が終わる頃には薄紫色へと日が暮れてしまう。
冬って何で、遅いのに早いんだろう。
と、まるで意味のわからない事を考えながらもすたすたと歩く。
何年も通い慣れた道は足元がどんなにデコボコしていても大丈夫。変則的に現れる謎のきのこに思いを馳せる事も出来るし、外来種の草木が増えていくスピードにまざまざと脅威を感じる事も出来る。足に馴染んだデコボコ道はぼーっと考えるのに良い。必要以上に気を付けなくても良い。

私が散歩に行く理由は何点かある。
食べ過ぎて、その罪悪感を減らしたい時。
とてつもなく暇な時。
綺麗な空模様が現れる予感がする時。
色々考えたい時。
健康への欲が上昇した時。
とにかく自然に身を置きたくなった時など。

運動が苦手な自分にとって“散歩”というものはものすごく便利な健康への手段であり、心が癒される必要不可欠なメンタルケアになっている。
そんな散歩への熱い想いを感じさせない程に、実際は地味な格好ですたすた歩いては良さげな空模様が現れれば立ち止まり、パチリと写真を撮っては何事も無かったかのように歩き出す。を繰り返す。ちなみに、偶然にも散歩中に知人に出会った時の格好が黒ずくめの如何にも“不審者”だった事だけが今でも悔やまれる。(黒帽子に黒マスクはやめておこう)

そんなある日、いつもの風景にハッとした。
雲がWi-Fiだったのだ。

勿論立ち止まり、スマホを空に向けた。
放射線状に広がる雲は所謂地震雲と有名だけれど、これは小さすぎる。こんなコンパクトなわけがない。そうだこれはアレだ。よく見るコイツだ。Wi-Fiだ!
なんて事を考えると少し楽しくなってきて、その画像を家族に送信すると反応は薄かったけれど、慣れているので平気です。家では悲しみの道化師(兼、母)やってるんで本当大丈夫なんですよ。
と書いているとなかなかの侘しさが漂ってくるから不思議だ。

何の話しだったかわからなくなった所で、この辺で。

雲とWi-Fiと私

この響きにアレか、とわかってしまう方は何人いらっしゃるのか。
昭和ネタはいつまで有効なのか?とヒヤヒヤしている朝霧夕雨でした。

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